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『発達障害治療革命!』著者、田中伸明先生より 花風社ファンの皆様へのメッセージ

12月10日、
脳神経内科医、田中伸明先生より皆様へと文章を託されましたので最低限の編集だけして載せます。
よろしくお願いいたします。

花風社 浅見淳子

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花風社のファンの方々へ

脳神経内科医の田中伸明です。

今回花風社浅見代表様のお陰で、「発達障害治療革命!」を出版出来ました。

また初めての新しい医学用語など沢山書いてあって、難しい内容を読んでくださってありがとうございます。

感謝致します。今後もよろしくお願いします。

なぜ発達障害なのか?は、本の中で記した通りです。でも現在はビジネス・パーソンのうつ・適応障害の治療を中心に行っています。

一部成人性の発達障害の患者様への対応を行っており、今後発達障害の診断、治療を専門的にやっていきたいスタッフの採用も視野に、発達障害診断・治療センター構想をクリニック内で、検討しています。よろしくお願いします。

私達ベスリクリニックは、企業の産業医経験者医師達の、うつ・適応障害で倒れた、休職した社員を如何に救うから始まったクリニックです。開設から、薬に頼らない精神科教授、獨協医大・埼玉医療センターこころの診療科 井原裕教授の指導の下、日本と世界の精神治療、特に薬物療法に対する考えかたの違いから出発しました。

私は1990年初期、当時の厚生省にて、世界に冠たる日本の医療制度を誇りに、新しい日本の医療を創ると、介護保険制度、在宅医療システム、そして地域中核病院を核とする地域医療システムを創ることに参加しました。

当時の日本はお金も潤沢で、世界の最新の治療法、検査機器が十二分にあり、世界中から日本の皆保険医療制度に羨望の目が集まっていました。当時は世界に冠たる保健医療システムだったのです。

それが少子高齢者が加速して(当然厚生省内では人口の変化は既に予測し、介護保険を創設しました)、それに加わったのが、失われた30年という日本の経済停滞です。医療システム、治療サービス、また医学の進歩自体が、世界と大きく差が出てしまったというのが現在の日本の医療システムとも言えます。

そのコロナで明らかになったように、行政、保健所の情報システムがFax、手作業で、そして医薬品の開発、認可にも世界標準から大きく遅れた状態です。そんな中、コロナ後遺症で、気道系を中心とする全身炎症が、どうして慢性疲労や抑うつ状態(疾病反応:精神症状)を起こすのか? 逆に、遷延化、繰り返す慢性うつ病、慢性疲労症候群、その他PMS,術後性うつ、産後うつ、そして糞便移植がなぜ精神疾患に効くかを追及すると、鍵は炎症性サイトカインと脳内ミクログリアだったわけです。

もともと私自身が、40歳大腸がんの手術後に、抑うつ気分が長期に続いた経験があり、一般的には「死んでしまうような病気にかかったのだから・・」抑うつ気分になるのは当たり前という常識的に考えました。しかしながら、産後うつ、PMS(排卵後生理
前うつ)、慢性炎症のリューマチ性疾患、炎症性腸疾患などの精神症状があったので、何か共通点があるはずとも考えていました。

ご存じある方もいるかもしれませんが、亡くなった「免疫革命」を書いた新潟大学安保徹教授とは、大腸がんになった時にがんの再発防止の議論を先生の研究室に家族で押しかけて(笑)以来、家族ともども親しくさせて頂いていました。

この文章も、福島県会津磐梯山の麓 磐梯町の自宅で書いています。

週末は会津(平日は東京に出稼ぎに行く感じ?)。

実は癌の再発期間5年生存のために、東京から家族で移住しました。会津を選んだのは、安保先生の居る新潟まで、車で一時間の距離だったからなんですね!

長文となってしまいました。今日は、ここまでです。
ご挨拶がてら、本に記してなかった安保先生の話を記しました。

そしてミクログリアによる炎症性うつ病に関する討議は、安保徹教授との議論から生まれたものです。

「免疫革命」を書いた安保先生について、偶然浅見代表が、本の名称に「治療革命」と命名して頂いたことも驚き、喜んでいます。

天国にいる安保先生、津軽弁で「田中君・・大変なことだなぁ・・、びっくりだぁ・・」と笑顔で話している声が聞こえてくるようです。

今後もよろしくお願いします。

ベスリ会 総院長 田中伸明

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