さて、今日はたらこさんが提供してくださったこの話題から。
ずばり、偏食です。
自閉っ子につきものの偏食。
いや、たらこさんのおうちは「治った治ったの宝庫」で、今後もたくさん治った自慢をお待ちしているのですが、まずはこの問題が解決されたことがその後の成長の土台にあるかのかもしれません。
ちなみに、お子さんは中学でお受験し志望校に進まれ中学校生活を楽しんでいらっしゃいます。
三歳半まで言葉の出なかった方です。
身体アプローチの目的は「やりたいことができる身体」になることですから、行きたい学校を決め、お勉強し、合格し、そこでの学びと生活を楽しむ、ということはまさに「やりたいことができる身体」の実現と言えます。
その土台を作ったのは何だったのでしょうか?
まずはたらこさんの治った自慢をお聴きしましょう。
3才半で知的身体的な遅れを指摘され、特に自閉度は限りなく黒と言われた息子…ですが、今はごく普通に、中学3年生を謳歌しています。
日常生活上で、特に自閉症とか特性云々とか、考えずに生活できている事、そのものが、治ったという事なのかなぁ…と思います。
治って良かったと今つくづく思っている事は、偏食です。
息子も自閉っ子の例に漏れず、それはそれは強烈な偏食でした。
離乳完了期から幼児期中期くらいまでは、バトル。
先輩ママさんから色々言われても全く諦めなかったのは、当事者の自分も、幼児期偏食がひどかったと散々言われていて、それが、小学校入学後、学校給食で一気に改善した経験があったからです。
1才の私が初見の食べ物を拒否した時以降就学まで、母は試行錯誤する面倒を避け、朝昼晩同じ物を出し続けていました。
きっかけは本人かもしれない。けど、現状維持を重ねて強化してしまうのは親だ。
ずっとそう思っていたので、息子を同じ事には絶対させないぞと誓っていました。
息子にとって未知の食べ物や食材を、いかに既知にするかに腐心しました。
外出先だとパクっと食べたりするので、同じ物を家でもすぐ作って、味も似せて濃いめにして、ほら昼食べたのを同じだよ~作戦。丸飲みできる程何でも細かくチョキチョキ作戦。
幼児期の試行錯誤が実り、就学以降、給食は毎日完食、おかわり常連組に。
偏食が治り、食が太くなって、良かった事は本当に沢山あります…が、一番良かったのはもちろん、体が丈夫になった事。
何をするにも体は資本で、体を作るのは食です。
小学校に入る頃からぐんぐん丈夫になり、学校を全く休まなくなり、中学でも皆勤を続けています。
好き嫌いに関係なく、出された物を綺麗に食べる。
どんな環境で生活する事になるにせよ、そういう大人になって欲しいと願っていたので、息子が実際そうなって、良かったです。
まさに今、お子さんの偏食で大変な親御さんもいらっしゃると思います。必ず治ります。あの手この手でじっくり、焦らず乗り切って欲しいです。
以上、治った報告1個目でした。
たらこさん自身ASD当事者で、幼い頃偏食があり、そして親御さんはいわばその偏食をありのままにしていた。
治すのが面倒だったのですね。
でもたらこさんの偏食は学校給食によって一気に治った。
それが後々、親からの自立にも結びついたのです。
たらこさんは当事者としては、体力のある方です。
だからこそ親元を離れ、経済的自立を果たし、そして後にご自分のご家庭を持つことにつながりました。
当事者だからこそ、「偏食を親に治してもらいたかった」という思いがある。
だからお子さんを観察して、「これなら食べられそうだ」という条件をみつけ、少しずつ少しずつ受け入れられる幅を広げていったのですね。
これは『自閉っ子のための道徳入門』でかつての賢ママさん、現こよりさんが語った偏食の治し方にも通じるものがあります。
とにかく子どもを観察し、試行錯誤を重ねる。
のちに『支援者なくとも、自閉っ子は育つ』という一冊として結実したのこよりさんのおうちでの実践を、たらこさんならよくご理解できるのではないでしょうか。
こよりさんご自身も当事者だし、偏食があった。
それでもお子さんの偏食を治そうと思ったのは、それが生きるか死ぬかに関わるからですね。
判断基準は命。
猫本こと『支援者なくとも、自閉っ子は育つ』は「とにかく命を大切にします」という親心がいかに子どもを成長させるかを教えてくれます。
栗本さんは各地の講座にこの本を持ち歩いているようです。
それだけ「治すのは親御さんですよ」と伝えたいからですね。
ところがそういう親心から発する試行錯誤を阻もうとする人たちがいますね。
それは専門性を振り回す人だったり、親の会の先輩ママだったりします。
「子どもがかわいそう」「頑張りすぎ」などの言葉で試行錯誤を邪魔する人たち。
一切のもがきを否定する人たちです。
でもたらこさんもこよりさんもそれに負けなかった。
それは自分が当事者として、偏食を治したからこそ今がある、という思いがあったからであり
粘り強く我が子を「社会に生きる人に育てる」覚悟があったからであり
そして先輩ママとか専門家()とかの醸し出す「頑張らせてはいけません」という空気を読まなかったからです。
まさにお二人とも、「治った自閉っ子」としての特性を存分にいい方に活かされたといえます。
でも自閉じゃないお母さんでも
偏食は治せます。
試行錯誤さえいとわなければ治せます。
雑音に耳を傾けなければ治せます。
そしてその結果、お子さんは「やりたいことができる身体」を獲得し、社会を渡っていきます。
たらこさんの実践や、こよりさんの本やブログに学んでくださいね。
それと、飯テロのお部屋も参考にしてください。花風社クラスタの食生活、なかなかレベルが高いです。
お子さんのために試行錯誤を重ねる親御さんたちに頭が下がります。
現在同居している60代のおばは現在進行形の“偏食っ子”ですが、その偏食の頑固さにはびっくりします。
健康面が心配で、なんとかできないかと思っていますが、この歳まで偏食を通してきてしまうと非常に難しいようです。
子どものうちに偏食が治してもらえるというのは幸せな事ですね。
試行錯誤の努力、本当に素晴らしいと思います。
父の日のことです。息子達が、外食に誘ってくれました。「親父の好きな店に行こう」と勧めてくれ、行き先は和食のお店でした。
それぞれ好きな物を注文しました。自閉っ子も好きな物を注文しましたが、単品での注文ではなく、「OO御膳」という形式でしたので、夫は「多分これとこれは残すだろう」と思っていたようです。
公的な場所では、苦手なものも箸をつけていますが、家族だけなら我慢もしないだろう、と自閉っ子を気にしていたようです。
結果は苦手なはずの物も完食。夫は無理して食べたのではないか、と気にしていましたが、自閉っ子は「おいしかった。また食べにきたい」とにこにこ。
食べられるものがほんの数品だった頃、外出が苦手で、外食など考えられなかった時期を越え、食べる事を楽しんでいる自閉っ子です。
自閉症のこだわりだから、矯正はしないほうがいい、という方もいますが、子どもの世界を広げていくことが、後の幸せにつながると思います。
こんにちは。
息子さん、立派に仕事をし、父の日に和食ですか!
素晴らしいですね。✌
ありがとうございます。夫は偏食もなく、食べる事が好きですが過敏性があり、外食が不可能でした。次男は過敏と偏食があり、家族で外食というのは難しい時期が続きました。
次男の偏食を治す事よりも、夫の 過敏を治す事のほうが難しく、根気が必要でした。
夫が 苦痛なく外食ができるようになったのは、ここ数年のことです。以前は決まったお店にしか出かけられない、空席を待つ事ができない、などいろいろと制約がありました。
今は、「次はOOに行ってみたい」と知らないお店にもいけますし、混んでいても「仕方ない、待つか」と言ってくれます。
息子達の成長ももちろんうれしいのですが、私には夫が恐怖心なく様々なことができるようになった事の方が、うれしいです。
食べる事が大好きな夫に、私では作れない美味しい物を食べさせてあげたいと思いましたし、食事を楽しむ夫の姿を見る事ができて、私も幸せです。
いくつになっても、人は成長する、変われる、という事を多くの方に知っていただきたいですね。