「発達障害は一生治らない」と決めつけず、試行錯誤する仲間の交流サイトです。ご自由にご活用ください!

自閉っ子のための働き方改革

さて、今日は雑談コーナーからシアさんのコメントを拾ってきました。

URLはこちら。

雑談のお部屋

全文引用させていただきます。

おはようございます。
今のお仕事をするきっかけがあります。
就労支援を受けてた頃、私は社長に漏らしたんです。
「本当は、実はほかにやりたいことがあって、もっともっとそれを伸ばしたかったんです。そういうものがありました。」って。
社長は、「今からでもやればいいですね。」と言うようなことを仰ったと思います。
私は、続けて、模型で仕事をしたいと思った。
だけど、就労支援では一蹴された。
そういうことも申し上げました。
でも社長は、「それは就労支援の相談員に、世間知がないからだ。」と仰ったんですね。
私は企業の社長さんが言うことだし、ギョーカイの言うことに疑問を感じていたこともありますが、一度きりの人生で、やりたいことに賭けたい気持ちもあったんです。
それに、趣味の延長で、20年以上も続けてはいたんです。
細かいことは話さずとも、社長には通じたところがあったとしか思えないんですよ。
背中を押していただけた。
社長の眼力は、確かだと思うんです。
今後も順調に行くという保証はどこにもないですが、まとまったお金を稼げたのも事実なんですよ。
私は、難病とかあって、なかなか企業の受け入れ先もなかったし、コスト面で見合うのかも疑問があった。
だから、今は、この道を選んで進んでよかったと思えます。
確かに、模型を続けていたのは、私の主体性です。
主体性で仕事をしてきました。
社長は、その人の主体性を大事にされ、見抜く眼力があります。
お子さんも、いろいろ花風社のお仕事の本を読んだり、主体性を伸ばしていけば、働く大人になると信じられます。

私が発達障害の世界に入ったころ、就労支援が芽生え始めました。就労関係のセミナーに講師として呼ばれたこともあります。そういうとき私、結構個人事業主もあるよって力説していたんですよね。ギョーカイの仕組みに気づかなかったころ。

空気読めなかったな、と思います。発達障害の支援者たちが就労、というとき、それは、作業所経由ジョブコーチ付きの企業就労しかなかった。なぜかというと、そうじゃないと自分たちが売り上げられないからです。私はその当時、その仕組みが見えていなかった。

一方でニキさんが翻訳家としてデビューしたころで、だからこそ私が「自閉っ子と一緒に仕事をしている立場」として呼ばれたわけです。そして感覚過敏が重かったニキさんには在宅の仕事が合っていた。自分で環境調整できますし通勤の負担がないから。だから個人事業主もいいのではないかと力説してしまったのですね。

私はあくまで「自閉っ子が(特性と折り合いつけつつ)どうやって自分の能力をマネタイズできるか」しか興味がなかった。ところが就労支援者たちの場合にはそこに自分たちの売り上げが絡まないといやなわけです。

私は正直、シアさんの模型を買っている人がどういう人か知らない。旧ブログに書いたように私は戦艦大和の設計者の一人の孫ではありますが、全然そっち方面は興味がないから。でも私が知っていることは「私が興味を持っていないものも取引されて経済活動が成り立っている」っていうこと。正直、初音ミクとかコミケとかよくわからない。でもそれでお金が動いていることはたしか。逆にコミケに行っている人たちは国技館の熱気を知らないでしょう。稀勢の里の断髪式切符が売り出し後即完売したのはわけがわからないでしょう。お互いに知らないところで経済活動が成り立っているのだから、そこのどこかで自閉っ子が食い込んで仕事すればいいと思っている。

でも「模型なんかで食えるわけない」って支援者がなぜ言うかっていうと

・そういう社会の広がりがよくわかっていない。「見えないものは、ない」から自分の知らない市場はないと思っている。
・単純に作業所に通ってきてもらわないと「自分たちの」売り上げが減る。

それだけの話です。

私は正直、このシアさんとの会話は覚えていないのだけれど、私が言いそうなことだな、と思います。作業所通っているんだけど他にやりたいことがある。だったらやればいいじゃない、っていうこと。それでは食えないと支援者が言う。でもそれはあっちの都合だし、一方で作業所行ってたって時給100円で食えないじゃない。同じ食えないのなら好きなことやったほうが少なくとも脳みそラクラクセラピーになって自分で自分にする発達援助になるし。

ただそこで私がどうしても自分を相対化しきれないのは、私は丈夫な身体を持っているから両立がデフォなんですよね。つまり、作業所と好きなことと。私なら両立するだろうと思います。でもたいていの自閉っ子は、とくにシアさんみたいに薬害の被害者で健康を損ねた人はどっちかしかできない。そしてシアさんは模型の仕事に専念してまとまったお金を稼げるようになったんですね。少なくとも作業所に行っていたときよりは。

一方で作業所の職員としては「精神医療こそが精神障害を生み出している面をもっと知ってほしい」と漏らされている。なぜか? 眠りがうまくいかないから薬を投じる。そして『断薬の決意』

で藤家さんが明らかにしたとおり、薬で無理やりもたらされた眠りは質が良くない。朝起きられない。作業所欠席。これで就労支援がはかどらないし、そもそも来ない人は売り上げ減になるので作業所的にもそういう利用者は好ましくない。経営に影響を及ぼすからです。

一方で作業所時代の藤家さんのように自分で体調を安定させる努力をして戦力になると、今度は作業所が離さない。就職したい、という気持ちをなんだかんだ萎えさせようとする。安定して通ってきてくれる人は安定した売り上げだから。そこで主体性を発揮してすごい力で飛び出さないと一般就労はできないんです。それが福祉就労の仕組み。それと戦った記録が『30歳からの社会人デビュー』

であり、この本に学んでいる就労支援の人も多いのです。

今度の『発達障害でも働けますか?』で座波淳さんはこう言っています。

座波 僕はスペクトラムを健常者のレベルまで持っていきたいんですね。発達障害スペクトラムではなく定型も含めた発達スペクトラム、そのどのあたりに今の自分がいて、この先どうなっていきたいのか、です。

浅見 障害じゃないところまで。それは可能だし多くの人が実現していますね。

座波 はい。けれども支援側の意識はどうでしょう。
今はスペクトラムといいながら発達障害の枠の中で完結させられるような雰囲気とか流れですよね。それを変えたいです。健常者と呼ばれる人たちをどんどん追い抜くことだって可能なんです。追い抜くというと語弊がありますが。同じ土俵で勝負できるはずなんです。
実際にスペクトラムの中では、より軽い人を追い抜いてしまった重い人はいるでしょう。発達障害者支援法が施行されて10年以上経った今、小さい頃に重いとされていた人の方が、育て方によってずっといい予後を得ていることはよく見られるでしょう。

そうなんです。座波さんと私は「障害者の枠の中で完結する必要はないよ」とこの本で訴えていく。
しかも空前の人手不足なんですからね。
より多くの人に障害者の枠を飛び出してもらうことは、日本のためでもあるのです。

もちろん障害者の枠の中で完結することを目指すのも自由。でも作業所にしてみたって安定して通ってこられる人を優先的に取りたいのが経営上当たり前なことは知っておく必要があります。そしてそのためには夜眠れなければいけない。というか朝健やかに起きられなくてはいけない。そのための方法が医者の出した睡眠導入剤だろうと焼酎風呂だろうと「眠れて、朝起きられる」人が強い。企業にとっては「焼酎風呂で眠るのはトンデモだから採用しない」なんてありえない。とにかく朝決められた時間にやってきて決められた仕事をこなせる人を求めているんです。

座波さんはかつてかなりシビアな現場で営業マンをやっていて、それからすでにお子さんもいる中働きながら臨床心理士に転身された方です。そして神田橋先生に学んだ。最初は自腹。やがて会社がそこに予算をつけ出張扱いにしてくれた。なぜか? 座波さんの会社は会社員のメンタルヘルスを維持するのが仕事。そのために役立つものになら投資をするのが一般社会。神田橋先生が他の精神科医とは違う方法で治すことがあったとしても、企業には関係ない。社員が治せる先生に学ぶのならお金を出す価値がある。それが一般社会です。

シアさんの模型を買う人にはシアさんの障害は関係ない。藤家さんのお店に来る人には販売員の障害など関係ない。そしてはづきさんの治った自慢。

スカウトされました。

本業(福祉関係)の勤務時間が減ったのと、本業の修行を兼ねて、副業で単発ワークを色々しています。
ある飲食店のお手伝いに数回入ったある日、
「出勤日数を増やしてくれない?」
と店長に言われました。

うれしかったです。
そのときはシフトの都合で断ってしまいましたが、また募集があれば出勤して、「このお店でフルタイムで働きたい」
と伝える予定です。
帰るとき、店長に「また募集出したら来て欲しい」と言われました。

やはり福祉関係を離れて本来学んだことを活かす職場に活路が見出せそうな状況なわけですね。
福祉は釣った魚を逃したくなくて、いらない難癖つける傾向がありますが。
そしてその難癖には実は根拠がない。
藤家さんのときにもそうでした。今もどこかで「できる被支援者」がたくさん引き留めにあっていると思います。
そこでこそ主体性ですよ、皆さん。

そしてスカウトしてくれた人にとっては、はづきさんの障害なんか関係ないでしょう。
腕を買っている。

座波さんが最初にがつんと言ってくれているのはこれなんです。
「障害があるかないか、職場には関係がない」
それはどういうことか?
もうすぐわかります。
『発達障害でも働けますか? 経済的自立とその先を目指すための成長戦略』
予約始まりました。
花風社サイトはこちら。

http://kafusha.com/products/detail/51

Amazonはこちらです。

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どうぞよろしくお願いいたします!

6 COMMENTS

シア

おはようございます。
ドローンのお仕事、資格があれば、出来る方いると思います。
・ラジコン操縦士
・無人航空従事者
この二つの資格が取得できれば、出来る仕事です。
人手不足なんて、ものじゃないですよ。
テレビを付ければ、空撮してない番組がありますかね?
農薬の散布。
ビルの保守点検。
建設現場の測量。
各種調査。
そもそも、コンパスのキャリブレーションや、ビジョンセンサーの調整。
カメラ。
合成開口値。
被写界深度。
いろんなこと学べると思う。

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浅見淳子

シアさん、おはようございます。
貴重な情報ありがとうございます。
そういう新しい仕事がどんどん生まれてくる。
その中に自閉っ子たちができるものもあるかもしれない。
でもそのときに働ける条件が整っていないとどんな才能があっても無理。
じゃあその条件って何? 
小さいころからできることってある?
っていうことを座波さんが教えてくれます。

返信する
シア

こんばんは。
私は、ドローンでも、プラモデルでも、条件を組み合わせてエゴサーチすれば、たくさん引っ掛かります。
最近、画像が引っ掛かりますね。
特に模型はたくさん引っ掛かりますね。
発達界隈では、知らない人も、模型やドローン界隈では知ってる人がいるわけですね。(;^_^A

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Kei

益々、早く読みたい本です!

いつもの様に友達の分と、職場の人に頼まれた分、そして子どもの他害が一番酷かった頃からお世話になっている方の分も一緒に注文しました。

みんなで楽しみにしています♪

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