「発達障害は一生治らない」と決めつけず、試行錯誤する仲間の交流サイトです。ご自由にご活用ください!

みんなみんな働く大人~その1

さて『発達障害でも働けますか?』
そろそろ店頭にも並んでいますね。

そこで今日は愛読者コーナーにいただいたレビューのうち二つを紹介させていただきます。
みならい怪獣さん、そしてyasuさんです。
この他にもアルパカさんや南雲明彦さんにレビューを書いていただいており
それもまた別途ご紹介させていただきます。

まずはみならい怪獣さんから。

私が愛読する花風社の本

改めて、働くとは?という事を教えてくれます。

「発達障害でも働けますか?」を読みました。
労働の現場を色々な立場で見ている座波氏と以前は一般の会社内で働き、出版業界不況と言われる中、20年以上も花風社を続けられている浅見社長。
お二人が”働く”という事、またそのために必要な事を判り易く解説をしてくれている本です。
題名は発達障害でも…と謳っていますが、働いている人は一読をされた方が、自身のメンタルヘルスに役に立つ本ではないでしょうか。

人間誰しもが、健常者、障害者関係無く、不安定な存在であり、経験や周りの人のサポートをもらいながら社会の中で与えられた仕事をこなしてゆくものです。

確かに周りの状況で揺らぎやすい発達障害のある方が社会の中で働くためには反射、反応をコントロールしていく必要がある理由と方法、また花風社が提唱している身体アプローチが働く上でもいかに有用であるのかも新しい研究の理論などと共に紹介をされています。
これから労働力がますます足りなくなり、社会保障費も足りなくなると消費税も引き上げられた今だからこそ、一読し、社会参加を目指すための手助けになる本だと私は思います。
また、巻末の付録には(付録というのが勿体ない!)最近の発達障害の捉え方等参考資料とともに書かれてあり、こちらも治らないからと諦めずに一度される事を強くお勧めしたいです。

発達障害のある子の親御さんとして最も気になるのは「職場での反射のコントロール」ではないでしょうか。
それは原始反射とも違うのですが、発達障害の人が職場で厄介者になる現象を「後付けの反射」と座波さんは表現され、私はそれについて質問していくうちに「なるほど」と思いました。

あと、花風社の愛読者であるみならい怪獣さんからのこのコメントでもわかるのは、花風社の読者は私の見解をも楽しみにしてくださっているということ。
これが愛読していない人にとっては「でしゃばりすぎ」なのでしょうが、花風社の「治る」路線は私が起点になっています。「治した方がいいのではないか」という問題意識があったからこそ地道にひっそりと実践を続けてきた著者たちのやってきたことを活字にできた。
編集者も「みんなちがって、みんないい」なわけですが、花風社の浅見に関しては黒子では役割を果たせない。少なくとも支持者にとっては。それがでしゃばりすぎと思う人は読まなければいいだけですね。
愛甲さんも栗本さんも、そして座波さんも治す手段を持っていた。けれどもそれを伝達できたのは「治そう」という志をかなり強くもち、そこに様々な意味での投資をしている私がいるからこそなのですよ。

しかもこの本に関してはテーマは「仕事」。
出版不況と言われる中で、裁判を抱え、ギョーカイときっぱり別れ、数々の妨害を受けながら、なぜ浅見が会社を存続していけるのか。そこにサバイバル力を学びたい読者もいるはずです。

yasuさんもそれをわかってくださっていると思いました。

私が愛読する花風社の本

座波淳『発達障害でも働けますか?』、花風社(2019)を読んで yasu

花風社社長の浅見さんは、花風社を立ち上げる前に出版業界で勤務されたご経験をお持ちであり、会社勤務と自営(個人業)の両方の視点から発達障害者の就労について以前かメッセージを発信しておられました。それが今回、企業就労者を相手にお仕事をされている臨床心理士の方との対談の形でまとまったのは大変喜ばしい限りです。

この本(と座波さんのお話)は、得意を活かすこと注目しがちな凸凹パーソンの就業について、敢えて今の世の中ではオーソドックスな「どこかに雇ってもらって仕事をする」に焦点を当て、経済的な自立(ホッファー博士の言葉で言えば納税者になる)を目指したもので、このようなテーマの本が出た意義は大きいと思います。

私は長年企業に勤務しており、その視点から見ると書かれている内容は至極もっともなことで、発達関わらずこれは広く新人研修にも役立つ内容だと思いました。また子供がアルバイトをしたいと言ったときにも、ここに書かれている内容をあらかじめ示してあげてもよいと思います。また、就職したのはいいけれど鬱になって体調を崩したり、休職する人もいますので、そのような方にとっても役に立つのではないでしょうか。

仕事の成果は会社(上司)が決めること、勤務評定(評価)は上司(人間)が決めることであり絶対的なものではないことがきちんと解説されているのはとてもよいですね。ここら辺は発達障害あるなしに関わらず職場でもトラブルの元であり、ここが腹落ちできていないと会社と本人の双方にとって不幸です。また、私も営業要素の無い仕事は事実上あり得ないと思っていますが、アピールする相手は人間ですし、Aさんでは問題無く受け容れてくれたけれどBさんでは全くダメというのも当たり前に起こりえます。こういうことも含めて色々な理不尽や嫌なことは仕事をしているとごく普通にありますが、それを乗り越えようというスタンスで臨む、そのためのテクニックや知識を身につけようということが、発達障害の特性に触れつつ丁寧に解説されています。

「得意を活かす」は大いに結構ですが、それがマーケットのニーズを外れた努力や集中になっていても、周りがそれを指摘せずに理解を求める方向に行ってしまうとビジネスにはなりません。自分に求められている役割をきちんと把握すること、健康の維持を含めて何をしなければならないのかを考えること、このあたりのことを真正面から扱ったという点でも、本書は大変意義あるものだと思いました。

「得意を活かす」というと個人業をイメージする人が多く、もしかしたら大成功するかも。。という気持ちを抱きがちです。確かに大成功するかもしれませんが、その前に仕事や社会の仕組みを知っておこうよというメッセージでもありますので、最初から個人業を目指す方にも有用です。ちなみに、個人業で仕事の質が高くてもお客さんの獲得は必要ですし、クレーム対応なんかもあるので営業要素必須です。会社人だって顧客に満足してもらわないといけないし、自分の企画を社内通すためにも営業要素は必要です。

以上、読感を述べさせて頂きました。今後は東京だけでなく大阪でも、そしておそらく他の地域でも座波さんの講演会が開催されると思いますが、そのような機会があれば是非足を運ぶことをお勧めいたします。

yasuさんは長年企業勤務してきた立場から、この本の内容に納得しこの本の誕生を喜んでくださっている。そうなのです。社会保障費にあぐらをかいている人たちにはわからないシビアさを民間人は知っているし、その中での競争原理を楽しんでもいます。私はそうです。そして多くの保護者がある意味、社会保障費を食んでいる人たちよりはずっと「社会人」なのです。だから就労支援が物足りなく見えてしまう。

そしてyasuさんのお仕事は、私から見ると「大資本がないとできない」種類のお仕事。だから長年企業勤務されている。私が目指した道は資本が少なくて成り立つ職種であるがゆえに、七年の企業勤務の後独立して二十三年経ちます。
またyasuさんは研究者というお立場で、でもマーケットは必ず意識しなければいけないことをご存じ。どんな仕事も営業要素から免れないことをよくご存じです。これも無責任に「アスペルガーだから研究者に向いている」と言ってしまう人たちには見えていない現実です。

座波さんは肝が据わっている人ですから、このような現実的な内容の本を出せば反発が出てくることは織り込み済みでこの企画を実行してくださったのですが、我々が最初から言ってたこと「おそらく社会人である保護者には支援者より仕事の現実が見えている」が真実だと確かめられたお二人のレビューでした。

みならい怪獣さん、yasuさん、ありがとうございました。

そしてyasuさんもお勧めくださっている座波さん大阪講座
集まりがさすがに早いようです。
詳細・お申し込みはこちらにお願いいたします。

https://karadamental.com/free/20200113

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