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すらちまいあがれぃ 鹿児島講演ご報告 その2

さて、「口座にあるお金を回して意義のある講座を実行しよう」という意図で、ねこ母さんに案を出してもらいました。
そうしたらねこ母さんが、出してくれた計画がこれ。
鹿児島の由緒ある地にある「かごしま県民交流センター」の大きなホールが空いている。
ここを午前中から夕方まで取って、イベントをやりたい、と。

呼びたい人は四人
廣木道心さん。
南雲明彦さん。
愛甲修子さん。
そして浅見淳子。この四人。

その頃はコロナがこれほど長引くとは思っていませんでしたが、四人とも普段よりは時間がありそうな気配はすでにしていました。
けれども四人ともスケジュールは早く抑えなければ。
ということでまず四人のスケジュールを確保。

この時点で私はねこ母さんの企画意図がよくわかっていませんでした。
とりあえず場所と人を抑えた、という感じ。

ねこ母さんは廣木さんのご子息、おーちゃん画伯にポスターを依頼。

「発達障害を超える」。はてどういう意味だろう。
そして第一部が廣木さんと南雲さんの講演。私も参加。お題は「支援とソーシャルディスタンス」。
「ソーシャルディスタンス」という言葉はそのうち廃れていくでしょうけど、このコロナ禍をきっかけに「やっぱり支援とは距離を取らないと」という学びを私たちが深めたのは確かです。

第二部は現地のみの実践講座。
廣木さんの実技。これを鹿児島で初めて行うのはとても貴重なこと。

そして第三部は愛甲さんによる「親ばかの勧め」。
神田橋先生、愛甲さんは「親ばかこそ最高の子育て」とおっしゃっているので、そのことをしゃべってもらいたいんだろうなあ。それを私は理解しました。
ただこのときは、ねこ母さんの深い思い、企画意図に気づいていませんでした。
ようやくはっきりと意識しはじめたのは、ねこ母さん、廣木さん、南雲さんと私四人でzoomプレミーティングをしたときです。

今ギョーカイがどのような動きをしているか知りませんが、ギョーカイは長らく行政の予算に依存したビジネスモデルを採用してきました。
就労支援なら就労支援、構造化なら構造化、視覚支援なら視覚支援、と何年も同じテーマで研修をする。配られるレジュメはかすれたひ孫コピー。
こんなふざけた真似を平気でしてきました。

それに引き換え花風社はその時の問題意識、社会情勢に合わせて本を出してきたし、講演会のテーマも毎年変えてきました。
当たり前です。
発達凸凹の人は社会の中に生きることを目標にしているのですから、その時々の社会情勢を組み入れるのは当たり前なのです。

発達障害者支援法施行前後には啓発予算がたくさん組まれました。
ギョーカイの先生たちが全国を飛び回って講演していました。花風社関係も行政のお仕事をかなり受けていました。
けれども発達障害者支援法施行から時間が経ち、行政の予算がそれほど出なくなったとき、民の人がリスクを覚悟でも呼びたいと思えるプレイヤーはほぼ花風社周辺に限られてきましたね。

けれども南の果てには時々「都落ち」(てらっこ塾大久保さん命名)のギョーカイ関係の人たちが来るそうです。
そして「もっと支援を」と訴える。
彼らの「もっと支援を」は「自分たちが苦労して覚えちゃったこの手法(必ずしも一生使えるわけではない支援)に予算つけてくれませんかね」っていうことなんですけど、これまで「何も支援のない田舎」だと自覚し必死に子育てしてきた親御さんたちが惑わされるのです。
自分たちより専門家と名乗る都会から来た人たちの方がこの子をよりよく育てられるのではないかと。

ところが現地で凸凹キッズの支援をしているねこ母さんにしてみると
「親御さんの方がその子に何がいいか知っているのになあ」と思うことも多い。
親御さんの本能で子育てをしていた方が結果がよいことが多いのに、不要な支援者の無駄なドサ回りがそれを妨げる。
親御さんが無力であるかのように喧伝し、さらに支援(支援者の食い扶持)を増やすことこそ発達障害者にとっての幸せであるというギョーカイ洗脳部隊の都落ちが南の果てまで及んでいるようでした。
だから親や本人の主体性こそ大事だと訴えたい。

この企画意図がようやくわかったとき私は
「あ~だから廣木さん、南雲さんから愛甲さんなんだ」と理解しました(遅い)。
そして廣木さんにどうせ鹿児島に来てもらうのなら、実技も教えてもらいたいと思うのは当然ですね。

それにこれは金がかかるわ。
赤字出てもおかしくない。
何しろ立派な会場を抑えた上に講師四人を関東と新潟と関西から南の端まで呼ぶのだから。

ねこ母さんはおーちゃん画伯の絵が載ったチラシを方々に配ったそうです。
その訪問先の一つが伊敷病院でした。
そう、伊敷病院は今、外来患者さんを鹿児島県内に限定しています。
皆さん「いつかは鹿児島で神田橋先生にみていただこう」と思っていたかもしれませんが、今は神田橋先生ともソーシャルディスタンスな状態になりました。
けれどもねこ母さんは地元ですから、伊敷病院の受付に行って「こういうことをやることになりましたので先生にお知らせしたく持ってきました。先生にお渡しください」と言ったそうです。

そうしたら受付の人が「せっかくだから先生を呼んで来ましょう」とおっしゃってくださり
神田橋先生ご自身が出てきてくださり、とても喜ばれたそうです。
愛甲さんの名前を指さして、「これが僕の弟子」と言い
そして「ほら、ここに場所作って」とチラシを置かせてくださったそうです。

離ればなれになっている神田橋先生と花風社はやっぱりまだつながっているんだな
と思わせてくれるエピソードですね。

そしてこのお金のかかる講座がいよいよ実現することになったわけですが
企画したときには思ってもみなかったGoToキャンペーンというものが始まり
講師四人も他県から現地に来る人たちも、旅費が安く上がり、しかも「地域共通クーポン」というお小遣いまでもらえることに。

どこまでも強運な花風社周りです。

続く

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