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就活のお部屋

就活について現実を語り合いましょう

320 COMMENTS

ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第35回
第1部体験編
第4章_エージェント_その5_エージェントR
(2)_Rの企業文化

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9728

■担当からの電話

利用者にとって人材エージェントの機能は2つあります。求人票を集める営業機能と、求職者の相談に乗るカウンセリング機能です。この2つはエージェントによって同じ人がやっていたり分業になっていたりします。

求職者に接するのは、分業制の会社だとカウンセリング担当の人になります。一方、担当者が営業とカウンセラーを兼ねているエージェントもあります。その場合でも、担当者が求職者と接する際にはカウンセラーモードになります。

例えば前述したヘッドハンター氏は営業とカウンセラーを兼ねていました。あの方は営業もカウンセリングもこなしていました。それでも、私に接する際はカウンセラーモードでした。

ところがRに関しては、社員の方が営業モードで連絡してきました。つまり担当営業が直接連絡してきた様子でした。その社員は電話で

「このような求人票を確保できたのですが、ご応募なさいますか」

と伝えてきました。

この電話は出先から携帯でかけてきているような感じでした。そして完全に推測なのですが「営業車の中から」という印象もありました。いや、分かりませんが。

担当は男性の方でした。声に勢いがあって、いかにも戦う営業マンです。「いい案件とれました!(ドヤァ)」みたいな電話でした。

しかし、私は伝えて頂いた企業に対して既に他のエージェントから応募済でした。それを言うと

「分かりました、ブルーさんが応募されている企業のリストを教えて頂けませんでしょうか?重複してしまうと良くないので」

と電話越しに仰いました。そこで私も応募企業群を営業の方にお伝えしました。

思えばこの時の対応も「営業マンがお客様に合わせて機転を利かせた」感が満載でした。「お客様にどんな厳しいことを言われてもへこたれないぞ」「死ぬまで戦うのダー」みたいな。なんというか電話のトーン全体に、気迫がこもっているのです。

営業会社だなあと思いました。そして「紛れもなくRだなあ」とも。

■Rの企業文化

今回のエピソードに限らず、Rの体質は営業会社だという感じがします。

Rは長年の経験によって営業ノウハウが確立している様子です。そのノウハウを実践するのもデキる人材です。Rで営業をしていた人というのはどこでも働けている印象があります。

また営業でなくても、Rの卒業生=元Rといえばビジネス界では一つのブランドです。私の勤務先にも元Rが多くいます。皆さん例外なく情報感度が高くて仕事ができます。

ここでは詳しく述べませんが、Rは創業者のEさん以来、本業よりも採用に命をかけているのだそうです。元Rの人々はその採用を突破したわけですから、ポテンシャルが高いことに関してビジネス界では保証書がついた扱いになります。

Rはこのように、様々な側面で市場競争力のある企業文化を持つことでビジネス界では有名です。私は若い頃に売れない営業だったので、ある程度様々な企業に訪問した経験があります。それでもRのような文化を持つ企業にはまずお目にかかれません。

Rはビジネス界でも名高いその企業文化を、障害者採用の世界においても強みとして発揮している印象でした。例え障害者を扱ってもRは紛れもなくRでした。それは接してみて強く体感しました。

■結果

結果としてなのですが、私はRを通じて転職をすることがありませんでした。なぜなら他に求人票を豊富に持つエージェントがあって、そこで事足りてしまったからです。はっきりいえば、この先に登場するPです。

ただしRが持つ求人票の量と質はそれ程悪くはありませんでした。口コミサイトopen workで評点3.0以上の企業群にきちんとアプローチできていました。

それはそうですね。Rという金看板、そして磨き抜いた営業ノウハウと、ビジネス戦闘力の高い営業パーソンが揃っています。企業に営業(おそらく、障害者雇用のコンサルティングも含む)をかけること自体はガシガシやれるでしょう。そしてガシガシやれば、まあ一定数の求人票は取れるでしょう。数は一般枠の求人より相対的に少なくとも。

ひょっとしてRの営業パーソンは、障害者求人の開拓でも伝説の「ビル倒し」をやっているのでしょうか(汗)。

(つづく)

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浅見淳子

ブルーさん

私が今、注力している「知的障害全くないMARCH卒で完全に身辺自立している利用者排泄介助を加算している事業所追及」の件ですが、福祉法人作った母体は土建屋です。だから建物はとても立派です。ただ、人間相手の仕事は苦手そうです。色々材料足していって請求する商売の仕方をそのまんま障害者福祉事業に適用しています。皆母体の質が出るのですね。そしてRはあの広告宣伝の営業力で障害者を商品としてそれを雇用枠埋めたいところとマッチングさせるとなると、それは強力でしょうね。利用者に対しても、企業に対しても、広告宣伝するようなノリだと思われます。それと、土建屋より人間を人間扱いすると思います。じゃないとRの仕事はやっていけないからです。

ただし私はRの出身者はあまり好きではありません。データを駆使して紋切型の結論を出し勝ちなのと、在庫商売とは感覚が違うから参考にならないのと、コロナ禍では情報源として活用させていただいたN江氏のように「言論は面白いけど本が面白くない」人が揃っているのが元Rの特徴です。基本的に本が面白くない人は「ん? 何か欠けているのかな?」と疑う癖がついています。今話題の見目麗しい国際政治学者設定の方も、本が面白くないのがすごくフシギだったんですよね。

続きも楽しみにしております!

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ブルー

浅見さん

>皆母体の質が出るのですね

→はい、エージェントでも母体の質は凄く出ます。後ほど登場するPもそうです。

>利用者に対しても、企業に対しても、広告宣伝するようなノリ

→はい、まったくもって営業会社です。障害者を扱っても。

ただ本編の記事でも書いたように、当事者はエージェントに2つの機能を期待しています。営業機能とカウンセリング機能です。

少し先々の予告も入ってしまうのですが、Rの障害者エージェントは営業機能に特化しすぎた文化なので、カウンセリング機能がPに比べると相対的にお粗末でした。しかしPは営業機能もカウンセリング機能も両方バランス良く強力でした。この話はもう少し先にて。

>私はRの出身者はあまり好きではありません
>データを駆使して紋切型の結論を出し勝ち
>在庫商売とは感覚が違うから参考にならない
>言論は面白いけど本が面白くない

私自身はRの出身者とは比較的話が合うように思います。多分「言論は面白いけど」を支える、社会に対する情報量の多さを私が楽しんでいるからでしょうね。

もちろん元Rにもいろいろな人がいて、私は営業バリバリの人には相手にされません。先方からはバカだと思われているはずです。向こうの方が絶対にアタマの回転や反応が速いです。

私の場合、あんまりバリバリしていない元R、特に営業以外の出身者となら比較的話が合います。営業でなくても先方はコミュ力が高いので、そもそも向こうが私に合わせているというのが実態ともいえますが。

それと最後の「本が面白くない」は凄いご指摘ですね。出版の方からするとそうなのですね。

思い返すと、Rの出身者の本はどのような分野であれ「カタログ」「パンフレット」「マニュアル」「提案書」という印象があります。言い換えるとその時代やその分野の「攻略本」です。アタマがトレンドを追うようにできているのかも知れませんね。情報産業ですからね。

つまり元Rの人々が書いた本は(私の個人的基準では、厳密に言うと)本ではありません。これは非難ではありません。あくまでも私の個人的分類です。だから浅見さんみたいな方からすると「つまらない」となるのも分かります。

特にRの出身者はロングセラーはなかなか書けないと思いますし、ロングセラーが書ける適性のある人はおそらくRの採用は突破できないようにも思います。また、そもそもRを受験しないとも思います。

>基本的に本が面白くない人は「ん?何か欠けているのかな?」と疑う癖

逆に本は面白いが人間的には何か欠けている、みたいな人もいるし、ここは掘り下げるといろいろな事が考察できそうですね。

Rの話はもう少しだけ続きます。よろしくお願い致します。

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yasu

本がおもしろくない、というのはなかなか興味深いですね。私は買った本は面白くなくても一応最後まで読む(見る)タイプですけど、紙でもKindleでも必ず前書きと目次を見てから買うので、あまりハズレにあたったことはありません(笑)。前書きや目次を見ても内容がイマイチ把握できない本というのが中にはあって、そういうのはハズレ率が多いように思います。

いわゆる「支援者」系の本は、決めつけや捻じ曲げがあるのでおもしろくないというよりは腹立たしいという表現の方が的確ですww

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ブルー

to yasuさん

勤怠の安定はオンラインワークでは逆にリアルで出勤するよりも問われるように思います。一見、強制力がなくなったように感じるからです。自分で勤怠を安定させないといけません。オンラインだろうと、仕事することに変わりはないのですが。

私は仕事と部署の性質上、出勤してもしなくても良いのですが、それでも週に何日か出社することがあります。その方が仕事がはかどるからです。

to 浅見さん

勤怠の安定はこの後のエピソードでも登場します。そして大手エージェントではこの件を必ず言われます。それだけ重要な事であり、掘り下げるといろいろな話が出てきます。その時にまた。

この先も宜しくお願い致します。

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yasu

ブルーさん

勤務の安定ですが、オンラインだけでなく外回りや出張でも必要ですね。直行直帰の仕事(外回り営業やクライアントのところに出向いて機器を設置したり修理したりとか)だと、自己管理できないと仕事にならないですからね。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第34回
第1部体験編
第4章_エージェント_その5_エージェントR
(1)_初回登録会_③欲しい人材

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9715

今回の内容は基本であって、障害者雇用の書籍やyou tubeなどでも繰り返し解説されているのではないでしょうか。だからクラスタ内でもご存知の方が多いと思います。成人当事者に至っては体得している人も多そうです。そういうわけで当初は省略する予定でした。

しかし、エージェントでも基本が解説されるということを描写するため、あえて書き残すことにしました。

■障害者雇用の基本:企業が欲しがる人材

年収相場の話の後、企業はどのような障害者人材が欲しいかという説明に入りました。Rの担当者は、以下の3つの輪が重なるベン図を、ホワイトボードに書きました。

・勤労意欲
・障害受容
・勤怠の安定

そして3つの輪が重なる中心の場所を塗りつぶしました。つまり上記の3つを兼ね備えた人を企業は欲しがるという話です。特に大前提の「勤怠の安定」について、Rの担当者は

「体調に配慮はしますので、職場に毎日出勤できる方が欲しいです」

と説明しました。この話はコロナ前の時代です。

■基本動作:欲しい配慮を伝える

またRの担当者は

「欲しい配慮を伝える経験のない方が多いです。真面目な方は特に『体調は安定しているので、配慮はいりません』と言ってしまいがちです」

と説明しました。

欲しい配慮を伝えることは障害者採用の基本動作です。しかしその基本動作をやったことがない人も多い様子でした。特に、一般雇用で働いていたが諸事情で手帳を取った人はそうかも知れないと推測します。

発達障害の人はここに特性が加わります。よって面接の場面で「特性と欲しい配慮」を伝えることが就職活動の基本動作になります。

発達障害の人は身体障害の人と違い、どのような配慮が必要なのか外見から分かりません。さらに特性と欲しい配慮が当事者により違います。だから面接の際に当事者自身が、定型の人に分かる言葉で伝えなくてはなりません。

これは私も入念に内容の整理をし、練習して準備をしました。本番の面接で緊張していても、自動的に使えるようにきちんと体得しなくてはなりません。

■登録作業

概要の説明が終わると、Rに登録を希望する人を対象に「登録手続き会」が行われました。希望する人は、Rの人材データベースに自分の履歴書や職務経歴書を登録します。

私もここに登録してみることにしていたので、担当の女性が控えているテーブルに行きました。担当女性の前に座り、女性から型通りのヒアリングを受けます。そして、このエージェントが用意している「人物データ票」に担当の女性と私で記載をしていきます。

型通りのヒアリングというのは、以下のようなことです。障害者雇用に臨む当事者が一般的に準備しておく内容です。

・名前や住所といった基本的な個人情報。職務経歴の確認。
・手帳の区分。障害等級、診断名等。
・特性と欲しい配慮。
・強みや希望の職種、他。

この作業は、ヒアリングを含めても30分くらいだったでしょうか。あれから数年経過するので正確な時間はよく覚えていませんが、1時間はかかりませんでした。事務作業ですね。

この局面の雰囲気としては、企業の合同面接会をだいぶライトにした感じでしょうか。たくさんブースがあって、いろいろな人が自分のことを伝えている・・・という雰囲気です。

ただ、これは面接ではなく事務作業なので、雰囲気はずっとカジュアルでした。いうなれば「合同登録会」です。そしてこのステップを持ってこの日は終了でした。

(つづく)

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yasu

ブルーさん

「職場に毎日出勤できる方」・・・

はるか昔、入社した際にその当時の上司に同じこと言われました。社会人は病気になっちゃいけないみたいな感じで(笑)これは業務内容問わず広く普遍的に当てはまりますね。

社会人(バイト含む)と学生の違いのようなものを、以前友人と話した際、社会人の厳しさ(?)の一例として、「前日の飲み会で帰宅が遅くなっても、翌日に絶対遅刻しないのが社会人、そうでもないのが学生」みたいな話は出ました。

今は職種によってはリモートワークが可能で、場合によっては通勤ゼロでの仕事も可能ですが、かと言って突然休んでよいことにはならないんで、「毎日出勤」の前提は今でも活きていると思います。昔は9時-17時で仕事終えられてたのが、今はリモートツールの充実で勤務時間の枠に自由度が出た半面、「規則正しく」というのが崩れつつあるように思います。例えば海外とのやりとりがある場合、自分自身が直接やりとりしなくてもそれを支援する部署で働くことはあり得るわけで、そうなると早朝や深夜に対応せざるを得ないことも出てきますからね。

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浅見淳子

5時まで飲んで10時から出勤、というのを普通にやっていた20代、それができない人がいるのが不思議でした。根性がないんだと思っていました。でも今思うと体力がなかったんだと思います。今は私もできませんから。

ともかくたちのいい方の自閉症者の人たちに出会い、年齢がそれほどいかず根性があっても体力がない人の存在を知りました。そこから自閉っ子シリーズが始まりました。

愛甲さんとかはもともと弱いところとかあっても、今はコロナ等にもかすりもしない自信が初めからあったようで、そのとおりになっていますが、それは特性を踏まえての構造化の賜物という面もあります。会のあとの飲み会とかもほとんど参加されませんが、それは一週間の体調管理のためだったりもします。

人はそれぞれ様々なやりかたで社会人としての務めを果たしています。発達障害の人にもそれが求められるということでしょう。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第33回
第1部体験編
第4章_エージェント_その5_エージェントR
(1)_初回登録会_②精神の手帳を持つ人へ

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9704

前回、手帳別に年収データの解説があった話をしました。それに加えて精神の手帳を持つ人に対しては追加説明がありました。私の個人的印象ですが、ここは精神の手帳を持つ人に注力している様子でした。

■手帳分類が精神の方について

発達障害の人に手帳が発行される場合は精神の手帳となります。当時の私も精神の手帳を持っていました。

エージェントRいわく、障害者白書における精神の人の就労は短時間の方も多いとのことでした。つまり白書に示された年収の平均数値はフルタイム就労を必ずしも前提としないとのことでした。

しかし、白書に示されている精神の人の時間単価の平均からして、フルタイムであっても国民給与の平均に届くかといったら「否」ということを明確に言われました。

ではエージェントRが持つ求人票はどうなのか。そして就職実績はどうなのか。以下がそのデータです。黒塗りでご容赦ください。

—————————————————
<精神の手帳を持つ人>

年収平均 ●●●万
※▲▲▲万~★★★万あたりの求人票が多い
————————————————————-

黒塗り部分についてですが、

・年収の平均●●●万は、先ほど提示された障害者白書の平均数値よりはだいぶ高い。経済的自立にギリギリ手が届くか否かくらい。いや、少し厳しいか・・・。

・求人票の提示年収の下限▲▲▲万だと、経済的自立には厳しそう
・求人票の提示年収の上限★★★万は一般枠と変わりがない

といった感じでした。

それでもRにおける精神の人の就労実績における平均年収や、その前提となる求人票の給与水準のレベルは、全体として障害者白書の平均を大幅に上回るものでした。そこはさすがに大手エージェントだと思いました。

しかし裏を返せば、エージェントRにおいてはその水準で働ける障害者を扱うことが前提であるということでもあります。

■求人票の補足:紹介予定派遣

求人票に関しては、さらにもう一つ補足説明がありました。それは、割合は少ないながらも紹介予定派遣の求人票があることです。

この企業はそもそも「Rグループの人材派遣会社」です。しかし障害者に対してだけ人材紹介業をメインにしています。つまり紹介予定派遣の求人票を扱うことこそが、この企業の本来業務というわけです。

考えてみると、障害者雇用において紹介予定派遣は一定の合理性があるように思えます。初期段階では派遣社員として様子見ができるからです。

ただし様子見の段階で、「採用は厳しい」という判断になるかもしれません。また紹介予定派遣は直接雇用を前提としますから、そもそも派遣をしようとする段階で障害者を厳選するであろうということは容易に想像がつきます。

実際にRの場合、紹介予定派遣の障害者のうち●割はめでたく直接雇用となるそうでした。これは極めて高い割合でした。やはり厳選の上で人材を派遣しているのだろうと推測します。「障害はあっても直接雇用できそうな人だが、最初は派遣から」というわけです。

なお、「直接雇用」が契約社員なのか正社員なのかは、当時のノートを見ても情報がありません。私の記憶にもありませんから、詳しく説明されなかったのだと思います。あるいは私が聞いていなかっただけかも知れません。参考情報という扱いだったからです。ここのメイン業務は紹介予定派遣ではなく、あくまで人材紹介業です。

(つづく)

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浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。レス遅れましたが、その間に大事なことを思い出しました。2011年3月11日の数日前、私は障害者雇用関係のパーティに出てたこと。お気楽なにぎやかなパーティだったこと。311のあとそのパーティの写真を見て、別の世界の出来事のように感じたことです。つまりあの頃私は、数年に一度やってくる「障害者雇用ブーム」だったのだと思います。

そしてそのころ方々に顔を出して知ったのは、もう身体障碍者が開発されつくしたというか、取り合いになっていたということ。そっちにリソースがないので各エージェントがブルーオーシャンとして発達障害者(知的障害なし)に手を出し始め、中でも上澄みをすくおうという動きが始まっていたこと。あのことを思い出すと、このブルーさんの記事は色々合点がいきますね。

続きも楽しみにしております。

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ブルー

浅見さん

お忙しいところありがとうございます。

はい、仰る通りです。
この件、社会統計でもはっきりと出ておりまして。

この歴史に関しては
連載がもう少し進んで、エージェントPの章に入ったら
正式に記事として書こうかなと思っております。

今、やりとりさせて頂いても思ったのですが
この連載に関しては浅見さんが新規に知る話というのは
あまりないと思います。

浅見さんは障害者雇用の世界を取材によって
外から一通り御覧になっていたと思うのですが、
この連載は、浅見さんがご覧になったであろう世界を
中から書きます。

よって、このようにコメント欄のやりとりで
中と外から照合をかけることができるというわけですね。

今後とも宜しくお願い致します。

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座波 淳

ブルーさん

いつもありがとうございます。
ちょっとズレるかもしれませんが、こんな連想が浮かんできました。

現場にいて感じることは、「雇用されたら給料がもらえる」という誤学習が存在することです。
これは、手帳の有無、一般枠か障害者枠かに限らずですが、雇用さえされたら自動的に給料が入ってくる、といった認識になっている場合が少なくありません。
仕事上の嫌なことはすべてハラスメント、合理的配慮がなされていないといった不満にもなります。

給料はあくまで対価ですから、言うまでもなく、サービスや商品を買ってくれる人がいなければ給料は出ないのは当たり前のはずですが、解雇規制や合理的配慮の悪影響がこの誤学習を助長させている印象を持っています。

なお、これは専門家と言われる人たちも同じで、資格があるだけで尊敬され、高収入が確保されるという誤学習があることも、うすうす知ってはいましたが、コロナ過で明らかになったと考えています。
収入は公金からということにすると、この原理原則をぼやかしてしまったり、意図的にぼやかそうとすることもあるのだろうと思うようになりました。

まずは誤学習を解き、原理原則を理解するところから日々の仕事に取り組んでいます。企業はそこに対価を支払ってくれています。

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ブルー

座波さん

コメントをありがとうございました。

>サービスや商品を買ってくれる人がいなければ給料は出ない
>収入は公金から

このサイトで浅見さんや私が時折書くことなのですが、お金の流れを意識すればここを外すことはないはずです。でも、なかなかそうはならないみたいです。

民間企業なら、給与の出どころは仰る通り顧客です。専門職の場合はいろいろですが、例えば医療系ならば公金(社会保障等)が混ざっています。

お金の流れを意識することは資本主義への適応の第一歩です。座波さんが仰る「原理原則の理解」には、資本主義の理解も含まれると考えます。

でも日本の人たちの多くは資本主義が嫌いです。そのせいなのか分かりませんが、大きな政府を好みます。それもまた正しい学習を阻害し、誤学習を加速させていると思います。

今後とも宜しくお願い致します。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第32回
第1部体験編
第4章_エージェント_その5_エージェントR
(1)_初回登録会_①給与の相場(日本全体)

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9665

今回から、人材業界のトップ企業「R」が登場します。

お時間のある方は、「人材業界 ランキング」で検索なさってみてください。2位以下の企業に売上高で圧倒的大差をつけて、Rグループが業界トップです。

そこで私はRグループの企業が運営するエージェントを利用してみることにしました。ここは扱う障害種別に関して区別を設けていないものの、精神の手帳を持つ人に注力している印象がありました。

■障害者雇用の給与相場

エージェントの利用者説明会はRの本社ビルの会議室を使って行われました。会場となる会議室には、40名くらいの参加者がいたでしょうか。

説明会は、パワポのスライドを投影する「企業説明会」方式でした。就活を経験した人なら雰囲気が分かると思います。

そもそもこの企業は就活という文化を日本に造った企業です。だいたいにして社名がそうです。だから障害者エージェントの説明会も雰囲気が「就活風」になります。

説明会は、手帳種別に応じた平均年収のデータの説明から入っていきました。私のノートには当時の数値が今でも残っています。ここでは黒塗りで失礼致します。

<データの内容>

正社員の求人=●割

◎給料(障害者白書より)/手帳別

平均(健常者含む) ●●●万
身体 ●●●万
知的 ●●●万
精神 ●●●万

ここでいう「正社員の求人」の分母が何であったか、もはや記憶があいまいです。このエージェントの求人票だったか、それともハローワークに流通しているものなのか。いずれにせよ、障害者雇用における正社員の求人は割合が少ないです。

また日本国民の健常者を含む給料平均が、この時代においてもだいぶ下り坂の数値になっていました。よって障害者雇用はそこに輪をかけて苦しい数値でした。

しかしこれもご存知の方が多いと思いますが、障害者雇用でかろうじて水準を保てるのは手帳分類が身体の人です。これは国民平均と比較してもそう苦しい数値ではなかったです。苦しいのは知的と精神で、経済的自立までは少し距離のある数値でした。

ただし、これらの給与統計はあくまで障害者白書という公的機関が算出した数値です。つまり日本全体の相場です。ではエージェントRの求人票の場合はどうか。それは次回に。

(つづく)

返信する
浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。
身体の人の給与水準が高いのは、どういう合理的配慮が必要かがすでにかなりわかっていて障碍者雇用を行う会社の中ではインフラになっているからですね。それと優秀な身体の人は引っ張りだこのようですね。

全国の聾学校のよりすぐりのエリートが某世界企業に就職している、なんていう話も聴いたことがあります。

また身体の人同士のカップルが共働きでタワマンを買った話も聴いたことがあります。

何か楽しみにお金が回せる賃金が出るといいですよね。

返信する
ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございます。

はい、身体の人は配慮が分かりやすく、こう言ってはなんですが人事がとっつきやすいです。だから「身体」というだけでひっぱりだこです。

実はこの件はもっといろいろな話がありますので、どこかのタイミングで深掘りした原稿を出そうと思います。

宜しくお願い致します。

返信する
ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第31回
第1部体験編
第4章_エージェント_その4_エージェントG
話題⑤_トピック集

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9638

エージェントG体験記の最後はトピック集です。私がここに訪問した時は、成人当事者同士の情報交換会といった趣になっていました。

■創業者とのやりとり

創業者は私の2度目の面談に同席しました。私は創業者に、エージェントGの理念に深く共感することを伝えました。だから互いに話も通じたように記憶しています。

試しに当時のノートを見返すと、私と創業者でギフテッド教育の話をしたらしき記録があります。

ブルー:
「最近は特別支援教育も拡充されてきた様子でホッとしています。現代の凸凹の子どもたちは、もう私達の世代のような人生を歩まずに済みます」

私は当時、特別支援教育の理念だけを知っていて、詳しい実態を知りませんでした。なんとも呑気なセリフなのはそのためです。

エージェントG創業者:
「ギフテッド教育は、米国の場合は各家庭の経済力の有無により格差が大きいです。今後の日本がモデルとするならば北欧かなと思います」

これは当時の創業者のセリフですので、今どう思っているかは分かりません。

ともあれ2回目の面談が終わった後、帰り際には創業者と握手をして別れたことをよく覚えています。ビジネスマンで握手を習慣にする人もいますが、この時の創業者との握手はビジネス以前に、お互いに「同志」という感覚であったように思います。

■成人当事者とお金

それと成人当事者に重要な内容として、お金の管理の話をしました。

これは創業者がいない時、AさんとBさんと私で話をしました。なぜお金の話が出てきたかというと、前回紹介したBさんのアドバイスで「適応障害を起こすと次の求人票が減る」という話があったからです。

つまり、そういう不測の事態に備えて貯金は大事という一般常識の話になったのです。しかしクラスタの成人当事者各位はご存知の通り、ハッタツといえばお金の失敗です。AさんとBさんの場合はこんな感じでした。

Aさん:
「私はお金の管理は細かい方です」

Bさん:
「やらかしました」(←内容はハッタツあるある、詳細は省略)

私もお金では過去にバカげた失敗をしています。そこでBさんと「金についての失敗談」に関して少し話をしました。

■保有していた求人票

この企業は、私に1枚の求人票を提示してくれました。

それは某・国内大手企業の求人票でした。その企業は国内企業としてはなかなか先進的な姿勢を持っていて、発達障害の人の雇用にも積極的なことで多少は知られていた企業でした。

この企業は新卒の就活でもホワイト業界とされる業界に属しています。業界も企業も安定しているので、障害者雇用をやれる余地があるという常識的な話です。試しに先ほどオープンワークでこの企業を検索したら、もちろん総合評点3.0を超えていました。

■情報交換先として

結果として私はここを情報交換先として使いました。企業社会に詳しい成人当事者達と情報交換ができるのは貴重な機会でした。それは転職活動というだけではなく、話が通じる当事者と会話できる楽しみを得た機会でもありました。

その中で、私からは都市部における障害者エージェントの現実を伝えました。ビジネス系の思考回路を持つAさんやBさんさえ、それを知りませんでした。しかし彼らは私の言葉で瞬時に現実を理解しました。

特に私から情報を得たBさんが、眼をしばし閉じて眉間に皺を寄せたのを今でもよく覚えています。私がBさんの心の声を翻訳しますと

「やっぱり(帰結として)そうなっちまうか~」

です。この件は第二部の分析編にて。エージェントGの話は以上です。

次回からは、人材業界最大手「R」が登場です。

返信する
浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。
愛甲さんの会のあと、昨日は多摩川越えライドの日だったので、お返事遅れまして申し訳ありません。

私は今回の記事を読んで、神保町あたりの飲み屋等で夜な夜な情報交換をしていた若き日を思い出しました。
ああいうやつは、役立ったかどうかわからないけど楽しかったのですが、結果役立っています。コスパはわかりませんが(笑)。
それと同じような場をブルーさんがエージェント関連の方と持っていたのだろうな、と思いました。

時代的業界的偏りがあるかもしれませんが、ちょっと興味持った人、楽しい時間を過ごしてみたい人には「今度ごはん行こうよ」と声をかける。それが習わしとなっている人が自閉の人に同じ声をかけるとあっちが混乱する、という赤本にのっけたエピソードを懐かしく思い出したりしました。
コロナで情報交換の場は変わったし、色々変わったのでしょうね。
相変わらず酒を介してやっているバブル世代です(笑)。

それとギフテッド。
アメリカでは家庭の経済格差があるという話は、よくわかります。
私は杉山先生たちのギフテッドの本とかを読んだとき「特別に天才とかじゃなくても、都市部のある程度裕福な層では自然に行われてきたことではないか」という感想を持ったことがありました。
これもまた地方ではオプションが少ない&官依存が強い ので、公教育でそっち方面を用意しなくてはならないような気になっている人が多いのだと思うのですが、ギフテッドはどこの家庭でも取り組めますよね。ギョーカイが、というより、ギョーカイメンタルが邪魔ですが。
もちろんアインシュタインみたいになる人は少数でも、「困らない発達の人」になるためにギフテッド的視点は大事です。

今後も楽しみにしております。

返信する
ブルー

浅見さん

いつもお忙しいところありがとうございます。

「管理人からのメッセージ」で浅見さんが述べられていた通り、こういう情報交換会も含めて、障害者エージェントで就活をしているときの感覚は、一般枠の時と同一です。これは「同じですよ」と書くよりは、物語を読んだ結果として感じて頂ければと思っていました。そして今後もその意図で話は続いていきます。

一般就労の経験の後、手帳を取った当事者も多いですから、一般のビジネス感覚を持っている当事者も多く、そういう人とは普通に情報交換できますね。

ただしそういう人は私を含めてあまりSNSや当事者会には出てきません。でもけっこういます。そういう発達障害を前面には出さずしてビジネス界で頑張る当事者の姿を描写するのも、この連載の重要な意図です。私にとっては、例え交流がなくとも彼らこそが同志だからです。

それからギフテッドなのですが、

>私は杉山先生たちのギフテッドの本とかを読んだとき「特別に天才とかじゃなくても、都市部のある程度裕福な層では自然に行われてきたことではないか」という感想を持った

こちらは私も浅見さんのgooブログで記事を読ませて頂いたことがあります。いずれこの連載でも少し触れますが、私は都市部で中学受験をしていますので体験的に良く分かります。

でも

>ギフテッドはどこの家庭でも取り組めます

これもそうですね。成人の場合は自分でやれます。というか、私は20代後半から30代半ばにかけて、そればっかりやっていました。

だからボンクラであったとしても、MENSAに入れないIQであったとしても、ギフトそれ自体は誰にでもあると思います。

そういえば、心理系の恩師はこんな事を言っていましたね。

「人は必ず何かに有用だと信じています」

と。

その一方で、「おい、何もできないから困っているゾ、30社クビになった」という発達の人も多数おられることも知っています。しかしそういう人でも、困り事を(身体/末梢側から)少しずつ解消していくと、その人なりのギフトは見つかるのではないかと個人的に信じる立場です。

以上宜しくお願い致します。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第30回
第1部体験編
第4章_エージェント_その4_エージェントG
話題④_成人当事者Bさんのアドバイス_その2

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9623

今回は成人当事者Bさんからのアドバイス、その2です。

■企業規模と分業

Bさん:
「あまり小さいところはオススメしないです」
「ある程度分業が進んでいる規模の企業に行きたいところです」
「分業が進んでいない企業だと(往々にして自閉の苦手な)営業に回されたりとか」

情報を検索すると、当事者に適した企業規模というのはいろいろなことが言われている模様です。しかし今回は分業という一点に絞って話をします。

そもそも、いつものようにこの話も最後は個別の問題になるとは思います。その人に適した規模が良い規模です。

例えば私自身はずっと小さい会社に勤めてきました。勤務先はいくつか経験しましたが、大手企業は一つもありません。

そして今の勤務先ですが、お陰様で事業成長してきました。大手とはいわないまでもそこそこの規模になってきました。分業もそれなりに進んでいます。

これらの個人的経験から言うと、私もBさんに賛同します。私が体験的に思う分業のメリットは以下の3つです。

1.極端に苦手なことをしないで済む
2.分野エキスパートの力を借りる事ができる
3.仕事の上達に関して、スモールステップを踏む余地がある

それでは一つ一つみてみましょう。

■1.極端に苦手なことをやらなくて済む

これは自分の凹が露呈しにくい環境を配属やジョブアサインによって作れる余地があるということです。

ご承知の通り、分業が進んでいる企業の場合は部署が細分化され、部署の中の仕事も細分化されています。

これは定型に混じって働ける部類の当事者には大変ありがたいことです。実務的にいうと、配属先や仕事に関してある程度自分の特性や適性に合ったものをやれる余地があるということです。

私で言えば営業に対して適性がありませんから、それをしないタイプの部署や仕事を選べるか否かでだいぶ状況が変わります。

また、そもそもこういう企業は求人票の段階でいくつかのポストが用意されています。そこからも分業が進んでいるかどうかが推し量れます。

■2.分野エキスパートの力を借りることができる

これは実際働いてみて感じたのですが、分業が進んでいると社内で同僚の職業上の凸の力を借りることができます。

逆に分業があまり進んでいない企業だと、一人がいろいろな事をやらなくてはなりません。これは当事者にはしんどいことが多いと思います。

分業が進んでいる会社は、一つの仕事に対してチームで当たります。よってその仕事に関する分野エキスパートに協力を依頼できることも多いです。

また、自分も分業体制の一部なので、時には分野エキスパートになる場合があります。自分の職業上の凸の発揮です。

例えば私は社内でいくつかの種類の仕事をしていますが、ただ一つだけ職業上の凸が目立って発揮される仕事を行っています。これに関して(だけ)はエキスパートです。

また、例えば自分が会社から借りている仕事用のパソコンの調子が悪い時は、システム部に問い合わせるとなんとかしてくれます。社内のインフラが整っていると言えばそれまでですが、これも分業のありがたみです。

■3.仕事を広げるにあたり、スモールステップが踏める

当事者といえども仕事の範疇を広げていく努力は必要です。しかし企業体力があり分業が進んでいると、自分の仕事の範疇を広げていくにあたりスモールステップが踏めます。これは特に入社当初にあてはまります。

実際に私は今の職場で、やれる仕事を少しずつ広げてきました。そもそも配属によって極端に苦手なこと(=営業)をしない条件設定がなされていました。

他方その対極として

なんか知らんがいきなり現場に放り込まれて
あれもこれも最初から全部やらなくてはならなくて、
それでもなんとなく身体で慣れていき、
やっと慣れたと思ったら
組織や事業の大変更⇒振り出しに戻る
(以下無限ループ)

というような、スタートアップベンチャーにありがちな仕事環境がありますね。さしづめ「洗濯機にぶちこまれて、ぐるんぐるん」というものです。

これは定型の人でもだいぶ向き不向きがあると思いますが、(そして大多数は向かない)当事者はなおさらだと思います。

対して分業がある程度進んで組織がある程度落ち着いてくると、いきなり多様な仕事をしないで済むように思います。

当事者は往々にして実地で実践的に学ぶ、言い換えると身体で学ぶことを往々にして苦手とします。首から下で学ぶのが苦手です。いくら仕事の現場で揉まれても、何も「身」につかずにリリースというのはハッタツあるあるです。

実務というのは首から下の世界です。それはホワイトカラーも同じです。スーツ着てデスク上でパソコンを叩いていても、実務である限り首から下が主役です。つまり分業が進んでいると、首から下を少しずつ現場にならしていく余地があるように感じます。

■顧客基盤

こういうことも踏まえてBさんは

「顧客基盤がしっかりしているところがいいです」

というアドバイスをくれました。そもそも潰れないし、だから規模を大きくして分業化をすすめていけるということです。

そして包括的な見方ですが、分業が進んでいない企業はそもそも障害者雇用を行うことは厳しいと思います。

障害者雇用にて切り出される仕事は事務サポートや軽作業が特に多いです。それらはいわば

1.分業が進んだ組織の中で
2.分業された仕事の
3さらにそのまた一部の業務

だからです。よって今回取り上げた

・顧客基盤がしっかりしている
・ある程度の規模である
・分業が進んでいる
・障害のある人にも業務を切り出せる余地がある

企業となると、やはりそれなりのレベル感の企業となります。

以前に私は、障害者雇用をやれる企業のレベル感はオープンワークで口コミ総合評点が最低でも3.0以上の企業からではないかという偏見を書きました。

裏を返すとそういうレベル感の企業に就労できるチャンスがあるのが都市部の障害者雇用であり、私が手帳を取得した目的の一つもそれです。

しかしそういう企業には応募も多いし、先方も入念に選抜をしてくるためそう簡単に入社できないのはクラスタ各位が既にご承知の通りです。

(つづく)

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浅見淳子

ブルーさん

またまた大事な視点をありがとうございます。なるほどたしかに、ある程度の企業規模があると分業する余地ができますね。

先に管理人メッセージに書いてしまったのですが、実は零細企業である我々が分業していないかというとそうではなく、アウトソーシングできる金があればアウトソーシングしているわけです。たとえば書店に送る本をいちいち梱包して送らなくてもそういうことをやってくれる業者さんがいて、私はノータッチです。そもそも梱包人材の採用にすら関わらなくてよいのですからラクチンです。

こういうのは金銭が生じる分業ですが、そうではなくても、たとえば花風社が療育整体を話題にすると療育整体の受講者が増えたり、そういうかたちで業者間で分業をしています。松島さんの技術meets花風社のマーケティングですね。

花風社の場合にはニーズを読み取るのが得意なので、たとえば小田原の大先生が花風社講座で講師をする時には必ず「大先生が何をやりたいか」ではなく「読者が今どういう情報を必要としていて大先生には何が提供できるか」という視点で講座を組み立てていました。それは別に他の講師でも変わりません。というわけで花風社主催の大先生講座はいつも参加者でにぎわっていました。

ところがよその地方に行くと集客で苦労していることもあり、フシギになって募集要項などを見てみと「それって大先生がしゃべりたいことであって皆が今知りたいことじゃないよね」というテーマ設定が多く、集まらないには集まらない理由があるなあ、などと思ったことです。これは主催者が分業を意識せずに大先生本位制になるからお客がついてこないだけなのです。

だから大先生もマーケティング力を磨く必要があり、そのためには発信しなきゃ、と言ったので嫌われて返事も返ってこなくなったのですが、無礼な去り方をしてくれたので思い切りオワコン扱いできてよかったな、とこれも禍転じて福となった感じです。

営業は多くの人が苦手だと思うのですが、実は営業にもいろいろな形があって、自閉の人にできる営業もあります。大先生のような口下手な職人にもできる営業があります。組織の中ではそれが見えないだけです。先にその会社の営業のかたちが決まってしまっていて、それがなかなか自閉の人にはハードルが高いのでしょう。でも営業できない人というのはいない、と私は思っています。

私はどこかの会社に就職して営業を振られても別に困らないと思います。実際営業部の名刺をもって歩いていた時代もあります。

一方で、私が一番苦手とする働き方は公務員のように「一つの部署で仕事に励んでいたら人事で別の部署に送られる」みたいな形態です。学校の先生たちも職員室ポリティクスがあるようですが、彼らは仕事内容も一緒に働く人も選べないので、鬱屈するに決まっています。

でも彼らは安定と引き換えに不自由を耐えているのであり、安定よりも自由が大事な私としては本当に別人種だと思います。

そして安定を選ぶ人と自由を選ぶ人、どっちの人が発達障害を治すかと言うと、私は個人事業主であろうと思います。だから松島さんや大久保さんを応援するし、かつては小田原の大先生も応援していたわけです。

安定のために不自由を耐えている人は、「発達障害を治す」ということを被害的にとらえがちだと思います。そもそも彼らが社会適応にコストを払っているからです。

医療従事者や公的機関に発達障害が治せないのは、これだと私は思っています。

ちょっとずれましたが、零細なりの視点で書いてみました。

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ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございました。

今回の連載では障害者雇用に限定して「企業に勤める」というワークスタイルを前提に話が進みますが、浅見さんの仰っていることも体験的によく分かります。

●個人事業の分業体制

かつての私のメンターだった経営者に、NHK大河ドラマで市川海老蔵が演じた織田信長にそっくりだった人がいます。このサイトでも連載した「海老蔵信長」氏です。

彼もまた、個人事業主で分業体制を組み、チームマネジメントをするのが得意な人でした。やはり

・営業/マーケが得意な人
・コンサルが得意な人
・事務/経理が得意な人
・全体管理(マネジメント)が得意な人

みたいな感じで個人事業主のネットワーク組織を作っていました。ポジショニングには当然彼が長年研究してきた「強み」に関する知見も使っていました。というか、こういう「マネジメントにおける適材適所」のために強みを研究した人でした。

で、私はサラリーマンのくせしてその分業体制に参加していました。個人事業の皆様にとっては「外注先」です。契約書を交わして、収益が発生していました。私にとっては副業ですね。

そして私のポジションなんですけど「特殊な分野の分析をする人(爆)」でした。ちなみにアンチ考察は、この時代の分析経験も大いに使っています。

ですので、私はサラリーマンの経験しかないですが個人事業の方の分業体制も経験的に良く分かります。一人一人が独立できるだけの能力があり、かつネットワークがフレキシブルなので凄く強力だと思います。

●自閉と営業

営業の件も全て同意です。特に

>先にその会社の営業のかたちが決まってしまっていて、それがなかなか自閉の人にはハードルが高い

これが経験的に大変痛感するところです。

一方で

>自閉の人にできる営業もあります。
>大先生のような口下手な職人にもできる営業があります
>営業できない人というのはいない

⇒私は営業マン時代に、予算を達成できたことはありません。「君は不向きだ」とも言われました。

しかし、私しかできない営業というのがありました。他の営業マンではできない方法で仕事を取ってきたり、モノを売ったりしていました。あるいは上司に「あのお客さんに限れば、ブルー君しか受注できない」といわれたケースもありました。紆余曲折の末、そのお客から受注し売上を立てました。

自閉が営業するときには、企業の要求する形態にこだわらずに自分の得意なことで誰かを動かし、モノを売れば良いと思っています。

ただし、今の勤務先に来るときは「営業できません」と言って入社しました。私が営業をやっていると、周りが私の扱いに困ってきて「やっぱ向いてない」となるからです。

●発達障害と自由

>そして安定を選ぶ人と自由を選ぶ人、どっちの人が発達障害を治すか

⇒仰る通り自由を選ぶ人だと思います。

この件はノウハウ的な問題もあるとは思います。パラダイムや手段を自由に選んだり、常識にとらわれずに強みや資質を観れるかといった事は、そもそも既存の概念から自由であることが必要です。

ただ、そういうノウハウ的な問題以前に、発達障害は「障害」である限り不自由です。だからそこをなんとかしたいと思うか否かだと思います。

私は根本にして最大の価値基準が「自由」です。この自由を侵害するものに対してはもはや無意識のレベルでなんとかしようとします。凸凹を抱えながらここまでこれたのも、これが原動力だと思っています。

それと最後に・・・。
お世話になった「海老蔵信長」氏なんですが、こんなことを言っていましたね。

海老蔵信長氏:
「自由については様々な定義や解釈があるが、僕は『離れることができる』だと思う」

これは私の座右の銘の一つでもあり、禅の公案のように生きている限り考え続けるテーマにもなっています。

宜しくお願い致します。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第29回
第1部体験編
第4章_エージェント
その4_エージェントG
話題③_成人当事者Bさんのアドバイス、その1

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9600

今回は、成人当事者Bさんのアドバイス、その1です。

■年齢

Bさん:
「ブルーさんはもう30代後半ですから、『若手』ではありません」
「『若手』というのは(高く見積もっても)35までです」

⇒私は確かに当時いい年齢に達していました。障害者採用というのは中途採用と似たようなフィールドで、やはり年齢は重要ファクターです。

■適応障害

Bさん:
「適応障害を起こしてしまうと次の(職場の)求人票が減ります」
「なかなか就職できなくて、コンビニのバイトを転々としている当事者の方も」

⇒この件はおそらくBさんの経験からです。Bさんは最初に就職した企業で激務の結果、躁鬱になり休職中です。だから文脈として「転職するならできる限りフィットした職場に」という話の流れでこのアドバイスが出てきました。

■職務経歴書の書き方

Bさん:
「ブルーさんの職務経歴書ですが、定量情報が薄いです」

⇒これは障害者枠も一般枠も関係ないですね。実績はできる限り数値化したいところです。私は御覧の通りそのまま書面を作ると文字ばかりになります。後はこのサイトには上げてないですが図を使う事もあります。よって数値がヌケる傾向は確かにあります。

■職業修行

Bさん:
「できれば、

・5~10年は安定して働けて実務経験を積むことができ
・かつ自主的な勉強、例えば休日に自発的にスクールに通うなりしてスキルアップ

できる勤務先がいいですよね。手に職をつけるというか」

⇒これも一般枠、障害者枠関係ない話です。社会人ならこういう職場がいいに決まっています。会社員生活を早めに切り上げて起業する人もいるとは思いますが、私はBさんに賛同しました。

■面接の通過予想

Bさんには面接アドバイスも頂きました。もう少し正確にいうと面接の通過予想です。

ちょうどその時に選考が進んでいる企業があって、面接で少し冷や汗をかいた場面がありました。そこでいろいろと予想を立てたですが、最終的にBさんはこう見立てました。

Bさん:
「面接通ってますね」
「あとは、現場の業務の切り出しができるかどうか。つまりブルーさん向けに仕事を切り出せるかどうかです」

ブルー:
「それはこの瞬間の職場の状況にもよりますから、運も作用すると思います。日頃の行いだ(汗)。祈るしかない」

こんなやりとりをしたのを覚えています。結果としてBさんの見立ては見事に的中し、私はその面接を通過しました。

(つづく)

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浅見淳子

ブルーさん

ありがとうございます。
ブルーさんの年齢が謎ですが、私が受けた印象より年上なのかな、と思いました。
30代後半からでも巻き返せるのはいいですね。

それと安定して就業しながらスキルアップの件。
これができるといいですね。
そういう意味でも体力と実行機能は大事です。

実はバブル期というのは、遊んでいたばかりではなく、皆が自己投資してスキルアップに励んだ時代ではなかったかと今になると思います。
会社員の実入りもよく、そういう自己投資の余裕と、なんとなくよくなるという楽観的な気分も手伝って、意外と色々なスクールにみんな通っていたような気がします。

続きも楽しみにしております。

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ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございました。

ハッタツの成人は年齢不詳になることがよくありますよね。
実際に私も言われたことがあります。
いや、私は立派にオジサンですが「年齢不詳オジサン」というわけです。

それと、バブル期の人、特にバブル期に入社した人というと
使えない人の代名詞みたいに言われていますが
一方で自己投資の余裕もあったのもよく分かります。

ともあれ
この転職活動は本当に人生の転機でして、
数年前からそれを感じとって準備したのが
効を奏したと思います。

個人的には30代後半は人生の路線というか、
方向性が確定してくるような年代だとも思います。

宜しくお願い致します。

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yasu

今と比べて、バブル期は何が違ったかというと、支出トリアージをやらなくてよかったということでしょうかね。実入りはそこそこ良かったのと、右肩上がりが続くと皆が思い込んでいたので、財布の紐は緩かったのでしょう。個人にとっても企業にとっても。

だから、とりあえず買う、とりあえず申し込んで出席してみるのが気軽にできて、その中でためになるものや将来の糧となるものをゲットするチャンスは今よりは多かった。単に確率の問題です。企業側も、新人をゲットするために高額の給与はもちろん、争って福利厚生の充実を謳ったりしてましたからね。色々美味しい体験ができた、というよりは当初はそれが当たり前だったんで、俺達は幸せだとは誰も思っていなかったでしょう。人間は相対比較で物事を捉えますからね(笑)。

バブル入社組が使えねぇと言われるのは、自分たちがいい思いをした社会が接続可能でなかったから。バブル期の後で就職氷河期が来ましたが、就職に苦労した世代から見ると食い逃げしているように見えるんでしょう。そう言われても仕方ない面は確かにありますね(笑)。

改めて考えると、金が自由に使える、将来右肩上がりだと信じられるってのはものすごく大きいと思いますね。限られたリソースを最大限活用するという考え方は間違ってはいませんが、試行錯誤無くしてチャンスは得られないんで、仕上がりはどうしても小粒になってしまいますからね。

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浅見淳子

yasuさん

なるほど、試行錯誤が沢山できた時代だったのは確かです。その中で身になったものもあった。そして景気が悪くなり、世の中が悲観的になるとそもそも試行錯誤が少なくなるし縮小再生産が始まりますね。

私も無駄なことたくさんやりました。ドイツ語とか(笑)。ただドイツ語を学んでその教科書の構成に触れたことは自閉症を異文化として見る時の役に立ちました。それはまた場を改めて書きたいと思います。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第28回
第1部体験編
第4章_エージェント
その4_エージェントG
話題②_成人当事者Aさんのアドバイス

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9576

私はこのエージェントで、2名の成人当事者からアドバイスをもらいました。今回は外資系IT企業勤務であったAさんのアドバイス内容です。

■外資系企業における障害者雇用の年収相場

Aさん:
「外資系企業の場合でも、障害者雇用は契約社員スタートです。年収ですが、●●●万円スタートです。日系に比べると外資は給料が高い傾向にあります」

⇒この年収額は、国内企業の障害者雇用ではまず考えられない高水準です。そもそも、定型の人でも達成できたら御の字です。しかもそれがスタートです。根本的に国内企業とは世界が違う印象を受けました。

■外資系と英語

Aさん:
「外資系は入社にあたり、必ずしも英語力が必須ではありません。英語を使わない部署もあります」
「もちろん英語ができた方がベターです」

⇒これは一般枠、障害者枠関係なく、外資系就職のノウハウらしいです。私は外資に勤めたことがないので、「ほうほう」と頷くだけでしたが。

■外資の首切り

一番気になるのがこれでした。そこでAさんに訊いてみると・・・

Aさん:
「会社が上向きである限りは、そうそうないと思います」

⇒何度も書いていますが私は外資に勤めたことがないので、外資の首切りの件は勤務経験のある人にご確認ください。

■自分トリセツ※

Aさんには、職場で周囲の社員に開示している「自分トリセツ」すなわち「自分の取り扱い説明書」を見せて頂きました。これは特性を説明し、欲しい配慮を周囲の方々に伝える書面です。A4で1~2枚くらいだったでしょうか。自己紹介書とは別に用意してある書類です。

それは手書きでカラフルで、親しみやすい印象だったことを覚えています。今思えばそれも社風に合わせたフォーマットだったのですが。

※こちらですが、この記事のツリーに注意事項があります。自分トリセツを人事や上司の許可なく職場に撒くのはおやめください。まさかクラスタの当事者の方にはおられないと思うのですが。

■障害者雇用を始める企業規模(従業員数)

Aさん:
「企業は従業員数で●●●人~●●●人を超えると、障害者雇用を始める傾向があります」

⇒この件も目安の相場があるようでした。確かにそもそも障害者雇用をやれる企業というのは、ある程度の体力があります。

一方で厚生労働省は、法定雇用率も、そしてそれを要求する従業員数も徐々に要件を厳しくしてきています。しかし現実の社会を見渡せば、障害者雇用をやれる企業というのはある程度の規模以上なのが現実です。

ちなみに私が当時受験していた企業の中で、ちょうどこの●●●人に到達しつつある企業がありました。確かについ最近、障害者採用を始めたばかりでした。それが今の勤務先です。だから私は勤務先で初の「発達の人」となったのです。

Aさんのアドバイスは以上です。次回からはBさんのアドバイスです。

(つづく)

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ブルー

※追記:クラスタの成人当事者の方へ、念の為の確認

まさかクラスタの成人当事者の方にはおられないと思うのですが、自分トリセツを上司や人事の許可なく勝手に職場に撒くのはおやめください。

これを撒くかどうかは個別事例によります。私は撒いていません。あくまでもこの当事者Aさんの就労における文脈で撒いていますのでご注意ください。

現実として、Aさんの勤務先はオープンワーク評点で4.0をはるかに超える外資系トップIT企業であって、障害者雇用における意識及び待遇が大半の国内企業と全く違います。そのような環境も自分トリセツを撒ける前提になっています。

そしてそのような企業でさえ、本編に記載したように当事者の方と合理的配慮をめぐって訴訟になっています。この件は広く報道されているのでご存知の方も多いと思います。別に理想郷ではないということです。

本来、世間において自分トリセツを言い出す人は「厄介な奴だから触るな」のフラグです。定型の常識ではそんなことを言い出さないのが基本です。もちろん例外的状況や関係性は多々あるのでしょうが。

自分トリセツの配布は、障害者雇用という文脈で合理的配慮を求めることが許可される状況下に限り、特別に許されるというものです。Aさんの企業ではそれが特別に許される環境だからオープンワークで評点が高いのです。

我々はそもそもハッタツという時点で職場では本質的に厄介です。そこに輪をかけないようにしなくてはなりません。

以上のことはクラスタの成人当事者各位には釈迦に説法とは思うのですが、念のため明記しました。

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yasu

ブルーさん

外資系の内情については、下記の書籍が参考になります(業界は金融機関です)
ずんずん著「外資系はつらいよーOLずんずんが見た資本主義帝国の全貌」、中経出版(2012)

「会社が上向きである限り」というのは注意が必要で、「日本支社」が上向きであっても、「グローバル本社」の方針に左右されます。例えば、現在新型コロナワクチンでブイブイ言わせているファイザー社(笑)。以前は名古屋に研究所を持っていて、そこは結構良い成果を出していたのですが、グローバル本社の方針で研究所は閉鎖されました。※トラセトラピブという高脂血症薬の第三相試験が上手く行かなかったことが原因であると言われています。
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=34739

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浅見淳子

ブルーさん
そしてyasuさん

今後外資系企業で要注意なのは、日本の相対的地位の低下でしょうね。アジアの拠点がトーキョーからよそに移ることもおおいでしょうから、そうしたら列島土着民は洋ナシになります🍐。

まあ国際語たる英語はこれから必須になるのではないでしょうかね。

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ブルー

to yasuさん

書籍の情報をありがとうございます。

私は外資に勤務したことがないので慎重な書き方をしていますが、かつて取引先に外資の日本代理店がありまして。

それは香港系の企業でした。グローバルとまではいきませんが、東アジアに一大勢力を誇ります。日本法人はそこの販売代理店という位置づけでした。

確かに本社(本国)の方針で社長が挿げ替えられていましたね。そして、言ってはなんですが、挿げ替えられた後釜の社長も仕事ができなそうでした(爆)。

他にも業務上、どうしても本国の影響は無視できない様子でした。特に予算です。大きなお金を使うときにはどうしても本国の制約の範囲内で使うことになる様子でした。まあ、国内企業の国内支店も同じでしょうけど。つまりどこまで行っても「日本支店」なんですよね。

さらに無駄話で恐縮ですが。

さっき改めてその会社を調べてみたら、日本法人の現在の社長が、当時総務課長として先方の窓口を務めておられた方でした。私もお世話になった方です。

いつもニコニコ、コミュ力抜群、機転が利いて仕事ができて、とても好印象だったのを覚えています。日本法人の社長になられたことは納得です。この人は余程でない限り挿げ替えられないような気もしています。この人を超える人材を引っ張ってくるのはだいぶ高くつきます。

to 浅見さん

英語は必須になりますね。
大変残念ながら、アングロサクソンや中国人にとっての使える家畜になるためにも。

Tokyoを含む首都圏は世界最大級のメガシティですから、まだある程度踏ん張ると思います。しかしながら日本全体は衰退国家ですので、確かに相対的地位は低下していくと思います。

この話はまた詳しくどこかで。

よろしくお願い致します。

返信する
yasu

ブルーさん、浅見さん

日本の相対的地位の低下ですが、製薬業界では既に進行中です。

かっては医薬品市場は日米欧の三極で分け合っていましたが、日本は脱落気味ですね。原因は日本の薬事規制(そもそも薬価が安い、定期的な薬価改定(事実上の価格引き下げ)、日本独自の承認申請ルール)にあります。アジア領域の拠点はシンガポールや香港といったところへ移っています。

新薬が必ずしも良い薬であるとは限らないので、国民にとって必ずしも不幸なこととは言い切れませんが、世界の中で日本市場の優先順位が低下しているという事実は日本人にとってあまり面白くはありませんね。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第27回
第1部体験編
第4章_エージェント
その4_エージェントG
話題①_概要

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9513

■創業者

この章で紹介するエージェントGの創業者は、若い成人当事者です。エンジニア出身の起業家です。十代の頃から、いくつもの企業を興していたそうです。最近では経営を同志の後継社長に任せているようです。

最近この人を改めて検索してみたら、得度していました。かつ、欧州で宗教を興していました。しかもその宗教の神(というか、ご神体?)は「ブロックチェーン」なのだそうです。エンジニア出身らしいですね。

話がそれますが、この時代にヨーロッパで宗教を興すのは時代感覚が鋭い現れです。マーケティング的にも的確だと思います。

近未来の人類においては、宗教や哲学・思想、スピリチュアル方面が非常に流行ると私は推測しています。スピリチュアリティ分野の隆盛です。

言い変えると、かつての鎌倉仏教が勃興期だった頃のような状況が、地球規模で起こるのではないかと予想しています。もちろん実際どうなるかはその時代にならないと分かりませんが。

話を戻して。

もうこの創業者は誰のことかお分かりになりますね。そしてどこの企業かもお分かりだと思います。

■この企業の現在

検索するとすぐ分かりますが、この企業グループそのものは今でもあります。ただし、この創業者の名前は表面的には見つかりません。

現在は志を同じくする女性(身体障害の方です)が社長を引き継がれています。外から観る限りはこの方がトップです。創業者は会長になられているみたいです。

現在の事業はIT系の職業訓練事業や放課後デイ/フリースクールなど、私が訪問した当時から今に至るまで継続されている事業の他、様々な発達障害関連の事業を多面展開しています。企業グループそのものは発展している様子です。

しかし、かつて私が利用した人材紹介事業がHPから見当たりません。ひょっとすると撤退してしまったのかも知れません。そもそもベンチャー企業なので時代と企業の状況に応じて姿を変えていくことは当然の事なのですが。

■当時の訪問の様子

この企業が人材紹介事業を行っていた当時は、転職相談を創業者も含めた当事者が担当していました。私は3人の成人当事者に相談に乗ってもらいました。

1. 創業者(当事者)

⇒創業者本人も面談に登場しました。ただし2回目の訪問時でした。

2. 成人当事者Aさん(ADHD/外資系勤務)

⇒一応、私の担当はこの方ということになっていました。外資系IT企業に勤務し高収入を得ていました。土日にこのエージェントで当事者の求職相談に応じていました。

この方が当時勤務していた企業を「OPEN WORK」で検索すると、評点4.0をはるかに超えています。健常者も障害者も関係なく、働きやすい企業風土のようです。

でも最近になって、入社した発達障害の人から合理的配慮に関して訴えられてしまいました。上司と上手くいかなくなり、人事とも対話を重ねたものの上手く合意形成できなかったとのことでした。これでどこの企業だか完全にバレますがまあいいでしょう。

そして私の相談相手として登場したこの方も、安定した状況を達成するまでに15社以上を転々としていました。成人当事者の場合それは決して珍しいことではありません。

3. 成人当事者Bさん (躁鬱/休職中)

⇒この方は私よりも一回り以上若い方でとても賢い方でした。新卒で国内IT企業に入社するものの激務で躁鬱症になり休職中です。この企業にはリハビリ的に無理のない範囲で参加しておられました。

この方と会話をさせて頂く限りは違和感がありませんでした。むしろ相談にのって頂いてとても助かりました。ご自分なりにコンディションを維持できる少なめの仕事量だけをボランティアとしてなさっていたご様子でした。

(つづく)

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浅見淳子

ブルーさん

ありがとうございます。

すみません。Gがどこだかかの人物がどなただかさっぱりわかりません。Kがようやくわかったくらいです。結局私はこの方面全然目配りしていなかったのだと思います。

でも勇気づけられるのは、ヨーロッパで教祖になっちゃうくらいキャリアパスが柔軟な人がいたということです。管理人メッセージにも書きましたが、PTが量産されているという話などをきくとそういうあほな安定志向が色々悪循環をもたらしていると思うからです。

とくに発達方面の人の資格志向はださすぎるし実践的でなさすぎます。ブルーさんが取り上げた特定アンチの人もなんだか資格に時間と金を使ったようですが、社会性がバグっている人は選択がそもそもダサいんだとよくわかりました。

私は33歳で独立したとき、当初版元になるお金も実績もなかったですけど、本質つかんでそれを文章で表現するという力があればくいっぱぐれはないと思って楽観的でした。そして還暦までそれでたどりついたので、楽観的で正しかったわけです。

それくらい柔軟にものを考えても、今は我々の時代よりももっと許させるわけです。市場がグローバルですし。

そういう視点でキャリアを考えてほしいのですよね。

という意味で続きも楽しみにしております。

返信する
ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございます。

浅見さんがご存知ないということは、この人はやはりソーシャルベンチャーや起業といった世界で紹介されてばかりで、そもそも発達障害の世界に紹介されていないのだと思います。推測にすぎませんが。

以前、ベンチャーキャピタリストの方とランチに行ったことがあるのですが、その方も当然この創業者を知っていました。「彼は天才すぎる」と。

つまり発達障害の世界であれほど「エジソンガ―」「ギフテッドガー」というならば、この人こそはまさにお手本です。彼はけっこうエジソン型の天才というか、時代の風を読んで次々と新しいものを創り出すことができます。

でもどうやら、発達障害の世界の人はこういう人のことが嫌いなんでしょうね。もしくは嫌い以前に、もはや理解不能で認知できないのかも知れません。そもそも視野に入っても気がつけないというか。

キャリアを考える際に、柔軟に考えられるか、資格(この場合は特に業務独占や名称独占系)方面に行くかは、やっぱりさんざん書いてますが市場を肯定するか否かですよね。

職業資格の発祥そのものが、職人のギルドです。市場から身を護るためのものです。現代でも職業資格を取る人は、市場から身をかわしたいから取る人が大多数でしょうね。市場で武器になるから取るという発想の人は、職業資格系の場合は多分少ないでしょう。というか、市場を認識している人がそもそも少数でしょう。

他方、TOEICなどの検定試験は市場価値向上が目的です。私の相談にのってくれた高年収の当事者は、これを上手いこと使って外資系ITに潜り込んでいました。

「『英語を勉強』するな、あくまでもTOEICのスコアを上げることが優先だ」と言っていました。ここまで来ると、是非はともかくサバイバル的です。だから年収を上げられるわけですが。その後、仕事でも定型をなぎ倒す活躍をして社内で表彰されていました。

話を戻して。

G創業者はもちろん市場の人です。「発達障害の経済圏をつくりたい」とも言ってましたね。今でいうR天経済圏みたいなのを発達の分野で構想していたのです。現状、彼が創業した企業が少しそれに着手しているみたいですが。

だから浅見さんの仰るように

>それくらい柔軟にものを考えても、今は我々の時代よりももっと許されるわけです。市場がグローバルですし。

>そういう視点でキャリアを考えてほしいのですよね。

ここまで考えると、この連載のタイトルはやはり「人材市場サバイバル」で正しかったですね。

今後とも宜しくお願い致します。

返信する
ブルー

マイルドヤンキーの件にコメント頂いた皆様

コメントをありがとうございました。
それぞれ全部よく分かります。想像がつきます。
あるいは私の実体験を伴うものもありました。

これら全て分断の事例であって、重要です。
分断はこの先の連載でメインテーマとして扱う予定です。

分断はこの連載だけではなく、
そもそも次の時代における
文明の最重要な前提になると考えています。

だからずっと引っ張りました。
いつの間にか大晦日になってしまいました。

再びのご挨拶ですが、
皆様、本年もお世話になりました。
良い年をお迎えください。
来年もよろしくお願い致します。

返信する
ブルー

こじはるファンさん
(CC:浅見さん)

大変にお忙しい中、コメントをありがとうございました。

でも、そういう具合に忙しく過ごせるのも身体アプロ―チで神経系や身体が強くなってきたからですよね。

ツリーが長くなってきたので、新しく場所を移動しました。ちょっとひっぱりたいテーマがありまして、

「ハッタツ VS マイルドヤンキー」

ですね、なんといっても。ちょっと浅見さんに話しかけますね。

to 浅見さん

このテーマは重要な論点を内包しておりまして、

・分断
・サバイバル法の違い(共存か、脱出か)

の2つのテーマが隠れています。分断に関しては、都市部と地方の分断もあるし、はっきり申し上げれば偏差値の分断もあります。

また、共存か脱出かに関しては、環境移動という横移動に見えて、本質的には社会移動(階層移動)が含まれています。

重要なテーマですので、一つのコンテンツとして書いてみたいと思います。

to こじはるファンさん

そういうわけでもう少しだけひっぱりますね。お忙しいと思いますし、ご返信はあってもなくても構わないです。一つのコラムにしてしまいます。

>Kの社長ブログで、ハッタツVSマイルドヤンキーということが掲載されていたからです。そのため、ある程度この話は公でされている

⇒ブログを少し検索してみたのですが、見つけられませんでした。ただ、創業者がTwitterでこんな意味のことをつぶやいていたのを思い出しました。Twitterは確かに天下の往来で、それなりに公共空間ですね。

・公立中学時代は、自分もマイルドヤンキーとの戦いをしていたような気が
・当事者会は、自分と同族の中に混ぜてもらっているようでとても快適

2つ目の「自分と同族」は、マイノリティとしての生き方をしている人という意味かなと推測します。

重要なのは1つ目です。公立中学は人種のつるぼですから、ありとあらゆる属性の人がいますね。つまりKの創業者はマイルドヤンキーとは合わないタイプの人だったと分かります。お勉強できる系の頂点ですからね。

彼は公立中学からお勉強で脱出します。彼の経歴を観ると、高校は難関の県立進学校(偏差値70~)で、そこから某・頂点の大学へ・・・というキャリアです。つまり彼はマイルドヤンキーとは対立だけして、その後そういう世界から脱出して今に至ります。共存していません。

つまり彼は共存ではなく脱出を選んで、そのまま今に至るのです。そしてKを造ったら、利用者にマイルドヤンキー系の当事者もいて(例えば『白パーカーの彼』です)一時期は苦労させられてまた修行(笑)。

前にも書きましたが、社会的に移動できる人は限られます。学力だのカネだの行動力だの、何らかが必要です。だから当事者の中ではこじはるファンさんのようにマイルドヤンキーとの共存能力を発達させた人もいるでしょう。

ただし、私を含めてそうでない当事者もおそらく一定数いると思います。こじはるファンさんのお嫌いなタイプです。

・都市部出身
・高校が進学校(勉強できる系)
・中学が私立(都市部限定)

みたいなのは、確かにこじはるファンさんの言う通りマイルドヤンキーとは合わないでしょう。

こじはるファンさんは有名大学をご卒業されていますのでお勉強は苦手ではないと思うのですが、おそらく商業高校の時代にマイルドヤンキーとの共存能力や、彼らをある程度受容する力を特に発達させたようにお見受けします。

当事者に限らず、お勉強ができる系の人は多分マイルドヤンキーとは合いませんから、高校進学の段階でマイルドヤンキーとは交わらない難関高校に社会移動します。はっきりいえば、マイルドヤンキーから逃げたくて勉強する部分も大きいわけで。

私がマイルドヤンキーとの接点があったのは、大学時代くらいですかね。でもその段階ではもはや彼らとの共存能力を発達させるには手遅れでした。トラブルばかり起こして、結局は関係性が破綻しました。

20代の頃の私みたいなのは、彼らからするとムカツクしキモイんですよ。意味不明の人物が偉そうにしているし、そのくせ仕事はできないし。偉そうなくせに仕事できないって典型的なハッタツですよね。笑えるならまだ救いがありますが、それ以下でしたね。

ちなみに、ヤンキーの人って仕事できる人は仕事できますよね。学校の勉強をやってないだけで、アタマそのものは凄く賢くて、器もある人がいますよね。社会勉強と人間の勉強は身体でどっさりやってあるというか。

大学の頃に私が懐いた唯一の先輩がこのタイプでした。某地方の暴走族で副総長だった人でした。あちらに器があるので、私も懐けたのです。

また、社会人になってヘタクソ営業をしていた時も、魚市場のマイルドヤンキー系のお客さんがいて、お付き合いは楽しかったですね。これも私の共存能力ではありません。向こうに器があったからです。「ヘンな奴だなあ」って可愛がってもらえたのです。

俯瞰するに、私も浅見さんも、

・都市部出身
・中学から大学までずっと私立

です。確か浅見さんも中学からずっと私立です(違っていたらごめんなさい)。つまり2人とも地方のマイルドヤンキー文化を体感で分かっていません。

こじはるファンさんと私は、本質的にここで文化的な分断があります。

そして私は、マイルドヤンキーができる限りいない環境へと、長い時間をかけて社会移動してきました。社会移動できる所与の前提がある程度揃っていて、そこに少しだけ努力をかぶせました。

だから私もまた、Kの社長同様、マイルドヤンキーとは共存する道を選ばなかったのです。Kの社長も私も、そばにマイルドヤンキーがいると往々にして「VS」になってしまうからです。

この就活の連載は、前提編にも書いたように都市部の世界観です。ヤンキー系の登場人物は多分、「白パーカーの彼」だけだと思われます。

それと

>あまり語られることのない内容ですし、ブルーさんの連載のような本は見たことがありません

⇒はい、本に書いてあることは書かないようにしています。そういうわけでまた何か思うことがありましたら忌憚なく仰ってください。

最後になりますが
こじはるファンさんも、浅見さんも、クラスタ各位も、良い年をお迎えください。

返信する
浅見淳子

ブルーさん

たしかに「共存を選ばなかった」という記憶があるほどのマイルドヤンキーの人々とは接触がありませんでした。ただ私は一方で湘南地方に地縁があったりするので、通り一遍にマイルドヤンキーの本とかを読むと、「これって湘南の子たちじゃないの?」と思ったりします。地元命。大好き。東京って何それ食べれるの?みたいな感じです。でもきっと違うんでしょうね。

それでもおそらく、私はいざマイルドヤンキー系の人と対峙したとき、そんなに脱出とか対立とかを考えなくてよさそうな気がします。身体で学ぶのとか、そういうのはむしろ親和性があるからです。それと湘南経験が活きそうです。

むしろ私がやっていくのが難しかったのはイクラみたいな頭でっかちです。イクラよりマイルドヤンキーの方がかわいい気がします。まあ身近にいないのでなんとも言えませんが。

ブルーさんがアンチ考察で取り上げてくださった頭がよく恐怖心が強いイクラとか心理職とか、あの辺ほど私はマイルドヤンキーを苦手としない気がしますね。

返信する
ブルー

浅見さん

お返事を拝読して、思わず湘南の男の子を想像しました。茶髪で日焼けしてて、短パンはいてサーフィンやってるイメージです。多分間違ってますね。

マイルドヤンキーを深く体感していない人同士の会話なので実にトンチンカンです。都会出身の人なんてこんなものですね。

だからこそ地方出身で、マイルドヤンキーを人生経験と体感で深く理解されているこじはるファンさんとの間に認識の分断が生じています。

就活体験記の本論からは少しズレますが、それでも都会と地方の分断の一例だと思います。この分断をしっかりと認識することが一番大事だと思ったのでこの話を引っ張りました。

でも浅見さんは仰る通り、マイルドヤンキーや、(ガチ)ヤンキーの人に対して親和性を出せる人のような気がします。身体で彼らを受容できそうです。

逆に、恐怖心が強いタイプのイクラや心理系は、身体性は脆弱だし世界観や人間観は平べったいしで、浅見さんとは確かに相入れないですね。

返信する
浅見淳子

ブルーさん

たぶんマイルドヤンキーに関してはとんちんかんな会話を続けていると思いつつ、一つ気づきがありました。それはマイルドヤンキーとうまくいかなそうなハッタツの人は恐怖感の強い方面のイクラとは親和性が高いだろうということです。一生治らないにせよコロナ怖いにせよワクチンうたなきゃにせよ、彼らが医療の洗脳に弱いのはもともとあっちと親和性が高いからだというのが発見でしたね~私的には。

返信する
yasu

マイルドヤンキーのリアル実態?を知るには、テレビ東京の「アド街ック天国」という番組がお勧めです(笑)。オヤジ臭が比較的強いコンテンツですけど、かみさんと私は毎週観ています。
https://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/

それから、単なる推測ですけど、マイルドヤンキーとそこそこやっていく良い方法は、少なくとも小中は私立に通わず地元の学校に行くことだと思っています。

返信する
こじはるファン

yasuさん

>それから、単なる推測ですけど、マイルドヤンキーとそこそこやっていく良い方法は、少なくとも小中は私立に通わず地元の学校に行くことだと思っています。

おっしゃる通りです。ただ、公立の小中といっても荒れてる中学校、そうでない中学校があります。そうでない中学校に居た人は、荒れてる中学校から来たマイルドヤンキーとやっていくことが多少きついかもしれないです。
学生時代のバイトで、そういう人にあたる可能性はあると思いますので…。

返信する
yasu

こじはるファンさん

コメントありがとうございます。
確かに、中学校ではそのような差はありそうですね。さかなクンをモデルにした映画「さかなのこ」では、高校生活がこんな風に描かれているのを思い出しました。

バイトでしたらお金をもらうのが目的なので業務上のコミュニケーションが取れればよいんで、割り切るしかなさそうですが。。公立の小中に通うというのは、世の中一般の縮図の中に身を曝すことですので、マイルドヤンキーに限らず重要かな、と思っています。

返信する
こじはるファン

yasuさん

コメントありがとうございます。

>バイトでしたらお金をもらうのが目的なので業務上のコミュニケーションが取れればよいんで、割り切るしかなさそうですが。

これが、意外と当事者は分かっていない人多いのです。
何かと言ったら、年上の人(1学年上でも)タメ口で聞いてしまうことです。
こんなことをやったら、礼儀知らずでスルー、そしてクビならまだしも、職場によっては、殴られるもありえます。

返信する
yasu

こじはるファンさん

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

マイルドヤンキーの人付き合いルールはおそらくさほど複雑ではなくて、おそらく ①タメ口厳禁(年功序列?)②飲み会参加は必須(付き合いを大切にする)③返礼(お返し)を忘れない あたりはマストでしょうかね。②はコミュニケーションが不得手でも、とりあえずその場にいるのが大事なのでしょうから、なんとかこなせる(時間とお金がもったいないと思うかもしれませんが)ような気はします。

ABA的なアプローチでもなんとかなるように感じるんですけど、甘いですかね(笑)

返信する
こじはるファン

yasuさん

こちらこそ、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

①に関しては、年功序列ですね。
年下に対して敬語を使ったら舐められますが、年上には敬語を使わないとアウトですね。
②はそうだと思います。
③はちょっと分かりませんが…。

ABAを受けたことがないので、どんなものか分かっていませんが、
②③の中での言動は厳しそうだなと思いました。
①はなんとかなるかもしれませんが…。

返信する
yasu

こじはるファンさん

②に関しては、他人との距離感を適切に判断するのが大事ですね。ネット上ではしばしば見かけますけど、大して親しくない人に馴れ馴れしくアプローチして嫌がられるというのがそれです。子ども同士でも、大して親しくない相手に馴れ馴れしくすると奇異に思われるのと同じなので、小学校中~高学年でこのような行動がある場合は要注意かもしれません。

対人関係の距離感は変化するので、ABAでの対応は難しいかもしれませんね。

こじはるファン

ブルーさん

>だからこそ地方出身で、マイルドヤンキーを人生経験と体感で深く理解されているこじはるファンさんとの間に認識の分断が生じています。

地方出身といえども、進学校と非進学校との間でも、かなり分断があると思います。
というのも、進学校に通っていた中学の同級生からは、そんなに高卒で就職したい奴がいるのか?とびっくりされました。
後は、進学校がセンター試験の真っ最中に、同級生は免許を取りに行ったりバイトをしているような状況でした。
試験前以外は勉強している人がほとんどいない学校でした。

ここで相当ずれるでしょうね。

返信する
ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第26回

第1部体験編
第4章_エージェント
その3_エージェントK
話題⑤_サービス内容(当時)

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-3/#comment-9501

エージェントK利用記の最終回です。当時のサービスの内容です。

■求人票

私は転職する1~2年前から、Kの保有している求人票を見ていました。待遇の相場としては、国内企業における一般的な障害者雇用程度であったと思います。自立した生活がギリギリできそうかなという感じのものから、アルバイト程度のものまでありました。

個人的な現実として、当時Kが保有していた求人票のレベルは、これから登場する「エージェントR(の子会社A)」や、「エージェントP」には明確に届きませんでした。企業の格も、年収も含めた待遇もです。

よって、私はKの保有する求人票に興味を惹かれることがありませんでした。

ただしあくまでも「当時は」です。Kの保有する求人票が現在どうなのかは、ご自分でお確かめください。

■情報発信

私自身は、Kを情報取集とアタマの整理に使いました。Kは情報の整理が上手く、就労に関しては民間企業の就労経験がある当事者が見ても違和感の少ない発信をしています。

なぜ違和感が少ないかというと、Kは本質的にベンチャー企業なので、発達障害を扱う際の基本思想の一つに資本主義が含まれるからです。もうこれが決定的です。

ここを否定するとクラスタ各位はご存知の通り「社会の理解ガー」、あるいはその文脈の現代版として「ダイバーシティガー」になります。

ダイバーシティそのものは一般的な概念だと思いますが、社会の理解ガー系の人がこの単語を使うと、帰結として「ダイバーシティガー」になります。

あるいは中高年のノイジーマイノリティとして「例の人々」になります。「生産性コノヤロー」も同様です。

ともあれKは現在に至るまで、良く整理された情報発信をしていると思います。創業者のブログも当時の私は良く読んでいました。

Kの事業所を訪れた事のある方は体感されていると思うのですが、Kはベンチャー企業と福祉系の雰囲気をブレンドしたような独特の雰囲気があります。

でも、Kの根本理念の一つに資本主義がある限り、例え公金を投入していたとしても本質はずっとベンチャー企業です。よってダイバーシティ概念も必ず資本主義の文脈で扱われることになります。

■成人当事者コミュニティ

私が転職活動をしていた時代はそうでもなかったですが、私が転職後しばらくして、Kは成人当事者コミュニティの整備を始めた様子でした。例えば飲み会イベントなどです。

ただし、私自身はもう成人当事者のコミュニティに足を踏み入れなくなっています。一般企業の就労が苦しくないからです。

エージェントKの話はこれにて終了です。次回からは別のエージェントが登場します。
(つづく)

返信する
ブルー

TO クラスタ各位
(CC 浅見さん)

この連載は、今年の更新分はちょうどキリがいいのでここまでです。
よって次回の更新は、年が明けてからになります。

次回からまた、別のエージェントが登場します。

返信する
浅見淳子

ブルーさん

ありがとうございます。
エージェントKは資本主義の中にいる。彼らもまた競争原理の中にある以上それは実感を伴うものでしょうね。現にブルーさんは他のエージェントとKを比べて利用の仕方をカスタマイズしていらっしゃいます。つまり彼らも比べられる存在、選ばれたり選ばれなかったりする存在ですものね。それは残酷でもなんでもないということです。

続きも楽しみにしております。

返信する
ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございました。

>選ばれたり選ばれなかったり

⇒これは市場における(自由)選択ですから、中に「自由」が入っています。
自由が嫌いな人も多いようですので、必然的に市場原理も多くの人に嫌われますね。
選ばれる人と選ばれない人の間に差も生じます。その差も嫌がられます。

しかし、だからこそ、この連載を書いているとも言えます。

>残酷でもなんでもない

⇒はい、静かに現実としてそこにあるものだと思います。

この先も宜しくお願い致します。

返信する
こじはるファン

ブルーさん

>当時Kが保有していた求人票のレベルは、これから登場する「エージェントR(の子会社A)」や、「エージェントP」には明確に届きませんでした。企業の格も、年収も含めた待遇もです。

Kの就労移行支援の卒業生ですが、その通りです。ハローワークよりはいいですが…。
配慮はハローワーク、エージェントRやPよりもいいでしょうが、
将来(特に結婚したい男性)を考えると、エージェントRやPに行けるぐらいに磨いておいたほうがいいですね。
特に感覚過敏は治しておいたほうがいいです。(大卒なら、大学2年までに)

返信する
ブルー

こじはるファンさん

ご無沙汰してます。その後お元気ですか。

仰っている事全て同意します。

>配慮はハローワーク、エージェントRやPよりもいいでしょうが

⇒つまり配慮を優先して求人票を集めていると推測されますよね。

配慮コストは求職者もその分かぶることに(結果として)なって
給与レベルは下がるということになりますね。

エージェントを複数出入りすると
エージェントの相場感、
つまりは障害者人材マーケットの相場感が分かるようになりますよね。

でもこれは当事者・関係者以外にはなかなか分からないので
このサイトにアーカイブしています。

今後も宜しくお願い致します。

★これから活動をする成人当事者の方へ

こじはるファンさんも私も、
既に障害者採用のフィールドにおける就活を終えています。
この会話はあくまで思い出話です。

現在、各エージェントで求人票の相場がどうなっているかは
必ずご自分で足を運んでご確認ください。

返信する
ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第25回
第1部体験編
第4章_エージェント
その3_エージェントK
話題④_「ハッタツ・コーチングという名の雑談」

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-2/#comment-9474

■2回目の面談

Kの創業者と数年ぶりに2回目の面談をしたのは、今の職場に来て1年程度経過した時期でしょうか。

私はエージェントKの紹介を受けて転職したわけではありません。ただ、創業者が試験的に「安定就労ができている成人当事者のコーチングサービス」のテスト募集をしたのです。いわば「ハッタツ・コーチング」です。

当時、安定就労している成人当事者への支援なり、そういう人達が交流するコミュニティが足りませんでした。「安定就労できているのでとりあえずOK」扱いになるからです。

しかし、この時代から

「就労はできているが、時にはしんどい時もある」
「クリニックや心理士、あるいはジョブコーチ以外に相談できる先が欲しい」
「同じような立場の当事者同士で交流したい」

みたいなニーズもあることが認識されはじめました。

つまり、安定就労できている当事者に対する「サードプレイス」としてのサポートを行うサービスが生まれ始めた時代でした。例えば「ハッタツBar」などはまさにそのニーズを汲んで誕生したサービスでした。

もちろん創業者も時代の流れを感知し、試験的にクライアントを募集しました。ただ、このコーチングサービスは(多分)実用化されなかった様子でした。しかしテストサービスとはいえ、この創業者とゆっくり面談できたことは貴重な機会でした。

以下、創業者との話の抜粋です。

■面談抜粋

◎コミュニケーションのズレ

私は創業者に、念のためコミュニケーションのズレに関して確認をしました。よく創業者はSNS他で、当事者におけるコミュニケーションのズレに関して分析をしたコンテンツを発信していたからです。

ブルー:
「こうして会話をしていて、私のコミュニケーションにズレを感じますか?」

創業者:
「ズレは感じません。品のいい人と会話をしているような印象です。でも裏をかえすと、少しですがある種のカタさを感じる部分もあります」

他にはこんな話を。

◎人生の新たなベクトルは特性が生み出す

ブルー:
「つまり自分の特性に気がついていないと、自分が歩みたい人生の方向性があったとしても、いつの間にか特性に足を引っ張られるわけです。

つまりベクトルで考えると

・自分が進みたい人生の方向
・特性により引き摺られる人生の方向

という2本の方向性が違うベクトルが、当事者の人生で合成されて、

・実人生

という新たな3本目のベクトルが結果として発生します。

でも新たなベクトルは、自分が歩みたい方向性とは違います。だから特性に気がついていないと自分の人生に違和感が出るわけです。なぜ新たなベクトルが発生しているか分からないからです。

つまりここで特性を自己認識できないと、生きづらさにつながっていきます」

創業者:
「へぇ~~~」(←心底納得した顔で)

◎勤務先

創業者:
「ブルーさんの勤務先で、ベンチャー関連の仕事をしている方、○○さんと▲▲さんとは、お話をさせて頂きました」

ブルー:
「はい、その方々とは同じ部署です。面識があります」

創業者:
「ブルーさんの勤務先からは悪い噂を聞かないし、いい会社だと思うのですが、何せホームぺージが、新しくなってからどこに何があるか全く分からなくて・・・(汗)」

ブルー:
「すみません、広報部のホームページ担当者に伝えておきます(汗)」

また、創業者には私がどのような形態で働いているかも伝えました。現場クローズ/人事&管理職オープンというやり方であること。

全体としてしっかりした人が揃っている環境で、配慮以前に職場の高い民度に救われていることが多々あること。

私はいろいろと自分の勤務状況や待遇を創業者に伝えました。障害者雇用の一つの事例を、発達障害の世界に影響力のある創業者の脳内データべースに提供しておきたかったからです。

それからこんな話も。

◎ハッタツVSマイルドヤンキー

創業者:
「先日、成人当事者の方を集めて飲み会をしたんですよ。その会では『わちゃわちゃ』(←発言ママ)しちゃった当事者の方が・・・」(苦笑)

ブルー:
「ハイ、想像がつきます(笑)」

創業者:
「ちょっとあの、よそでは受け入れられないかな・・・という状態に(汗)」

ブルー:
「はいはい(笑)」

創業者:
「でもまあ、そのうちみんな馴染んでいって、楽しい飲み会でした。その中で、ある当事者の方が熱弁を始めまして」

ブルー:
「ほう」

創業者:
「『ハッタツVSマイルドヤンキー』というテーマで大演説を(笑)」

ブルー:
「あ~良く分かります(笑)。ハッタツの人は究極の個人ですからね。でも、日本は、地方(特に郡部)を中心として、おおかたはムラ社会ですから。マイルドヤンキーはその象徴です。」

「ハッタツとマイルドヤンキーは、資本主義と社会主義みたいなもんで、根本的に相容れない文化を生きていますから、その対立はずっと続くと思いますよ(笑)」

他にもいくつか雑談をしました。というより、この日は雑談だけをして終わった感じです。謳われていたコーチングとはちょっと違った趣でしたが、それでも私にとっては有益な時間でした。

なぜなら、当時、発達障害の文脈で会話ができる人というのは私にとって貴重な存在だったからです。そのことも、創業者には伝えました。

また、第一回目の面談でこの創業者から感じたある種の冷たさは、2回目の時は全く感じませんでした。初回はアセスメントという特殊な局面でしたが、2回目は事実上雑談で終わったからも知れません。

面談は大きな窓のある明るい部屋で、晴れた日に行われました。雰囲気は終始和やかでした。私も今の勤務先にようやく馴染んできた時期で、これから先の人生に希望が持てている状態だったということも面談の雰囲気に大きく影響しました。

そして創業者はやはり、常識的で優秀なビジネスエリートという感じでした。優秀な経営者にありがちなサイコパスでもなかったと思います。人間の心は持っていて、それは事業にもきちんと反映されている印象でした。

(つづく)

返信する
浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。

創業者氏とのインタビューエピソード、いい経験でしたしシェアしていただいて私たちにも貴重な情報となりました。ありがとうございます。いくつか個別的にコメントさせていただきます。

=====ブルーさん引用

創業者:
「ズレは感じません。品のいい人と会話をしているような印象です。でも裏をかえすと、少しですがある種のカタさを感じる部分もあります」

=====

これはブルーさんの文章や実際にお会いした印象とぴたり重なりますね。カタさはたしかにあるかもしれませんが個性の範囲内です。

=====ブルーさん引用

つまりベクトルで考えると

・自分が進みたい人生の方向
・特性により引き摺られる人生の方向

という2本の方向性が違うベクトルが、当事者の人生で合成されて、

・実人生

という新たな3本目のベクトルが結果として発生します。

=====

ここに私は反応しました。っていうかこれ、私も同じだし多くの人がそうじゃないかと思います。そこで元々あったはずの人生への未練というか、そっちに引きずられるかどうかの問題じゃないかな。

私の場合には『自閉っ子と未来への希望』に書いたとおり、もともとが受け身の人なので、なんだか発達障害というテーマがやってきてニキさん藤家さんがやってきて(そして長い付き合いのあと去って行って)犯罪被害に遭いそれでギョーカイのダメさと発達障害者の有害さに気づき裁判やって治そうの意欲を高め栗本さんが来て(そして八年の付き合いのあと去って行って)大久保さんが来て松島さんが来て愛甲さんと神田橋先生がずっとメンター的存在である

みたいな動きをすんなり取り入れているわけですが、独立直後に業界内(こっちの)で指摘を受けたのは私が資本をどんどん取り込んで大きなビジネスをして派手な展開をするみたいなことだったようです。もともと結構派手な現場にいたので。

でも発達障害というテーマが偶然見つかったおかげで私は他人の資本を使わずにやれているわけです。あっちの世界に行ったらもっと交友関係をばんばん広げ派手な生活をしていたかもしれませんがまあきっと健康は害していただろうしとっくに潰れていて同級生が役職定年になったあともまだなんか仕事がある、という状況ではなかったかもしれません。ifはわかりませんからね。

でも私は自分に与えられた人生にすんなりと適応しました。
おそらくそこにハッタツの皆さんはもうひと手間要るんでしょうね、って思います。
だから進みたい人生の方向に必ずしもならないのはハッタツの人に限らないのです。
だからこそ私は天職ってcallingって呼ばれると思うのですよ。
仕事はあっちが呼んでくるのです。

次、

=====ブルーさん引用

「ハッタツとマイルドヤンキーは、資本主義と社会主義みたいなもんで、根本的に相容れない文化を生きていますから、その対立はずっと続くと思いますよ(笑)」

=====

マイルドヤンキーと言う言葉は何か、ということで私は割と初期のころから提唱者の人の新書など読みましたがまだわかっていません。イオンモールとかが好きとか、新宿とか池袋ではなく地元で遊ぶとか、そういうことらしいですが、だとしたら私もコロナ禍以降すっかり多摩川を超える機会が減りある意味(高齢化した)マイルドヤンキー化したかもしれません。イオンモールはありませんが。

最初の緊急事態宣言のとき、県境を越えるな、ということで、でもわが県は大都会も海も山も温泉も完備しているので、「県境を越えないゲーム」をして遊んでいたら、それが癖になってしまい、今では県境は越えないけどたまに越えると成田まで行って奄美まで飛ぶ、みたいな感じになってしまっています。色々な会議等がオンラインで済むようにもなりましたし。

そして晴れた日は自転車で遊んでいます。
すでに老後が始まっているのか、マイルドヤンキー化しているのかわかりませんが、毎日楽しいです。
そして前項とかぶりますがど派手な世界で大きく展開していたらアラカンにしてこういうのんびりした生活は無理でしたね。
夜な夜な六本木で飲んでいたかもしれませんが(そういう人種が今まだいるのかは不明。何しろ自分は20時に寝るので)アラカンでロードバイクは始めていなかったと思います。

=====ブルーさん引用

そして創業者はやはり、常識的で優秀なビジネスエリートという感じでした。優秀な経営者にありがちなサイコパスでもなかったと思います。人間の心は持っていて、それは事業にもきちんと反映されている印象でした。

=====

それは素晴らしいです。そしてあれだけの経歴がある方がその事業を手掛けられたのはやはりお子さんの障害がきっかけだと思うので、そういう意味で創業者氏も最初思い描いた人生と違うはずです。それでもそこに意義を見出されたわけですね。

続きも楽しみにしております。

返信する
ブルー

浅見さん

丁寧なコメントをありがとうございます。

そしてポイントはなんといってもこれでしょうね。
人生が自分の思いとは違った方向に行く件。

—————————————————————————

新たな3本目のベクトルが結果として発生します。

=====

>ここに私は反応しました。っていうかこれ、私も同じだし多くの人がそうじゃないかと思います。そこで元々あったはずの人生への未練というか、そっちに引きずられるかどうかの問題

>私は自分に与えられた人生にすんなりと適応しました。
>おそらくそこにハッタツの皆さんはもうひと手間要るんでしょうね

————————————————————————————————–

⇒「もうひと手間」に私は四半世紀を要しました。

ハッタツの人は「日本社会で『普通』とされてきた人生」と自分の人生のギャップをどう処理するかという課題を往々にして抱えるように思います。

そしてこのテーマはこの連載の最後の最後、第2部考察編の終わりの方に出てきます。ただ、それも所詮は私個人の話です。「所詮は私個人」というのは

>事業を手掛けられたのはやはりお子さんの障害がきっかけだと思うので、そういう意味で創業者氏も最初思い描いた人生と違うはず

⇒おそらく、障害のあるお子様を授かった全ての親御様がこうなるように思います。

私は所詮、自分だけをなんとかしています。でも親御様はそもそも自分以外の人間、それも自分よりも大切な人間を相手にしておられます。

そしてクラスタの親御様に至っては明るい結果を、場合によっては光り輝くような結果を出されます。よって私がクラスタの親御様に何か及ぶところはありません。私がこのサイトで「子育てそのもの」に直接言及することを禁忌にしているのはこれが理由です。

確かに発達障害は人生を大きく変えます。人生に作用する奇妙な謎のベクトルです。しかし謎は解けます。というか、もはや謎ではないです。花風社の本とか「自閉症革命」を読めばそこにヒントがあります。徒手の先生に身体と神経系を観てもらってもいいです。

そして正解は身体そのものが教えてくれます。当事者は発達もするし、結果として困り事は治るし、健康にもなれるし、そういう一連のプロセスで生きやすくもなれるし、幸せにもなれます。

考えてみたらこの就活体験記も、私が自分の人生を見いだしていくプロセスにおけるクライマックスであるといえますね。だからどうしてもこのサイトにアーカイブしておきたかったのです。

今後とも宜しくお願い致します。

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こじはるファン

ブルーさん

>ハッタツVSマイルドヤンキー
この発言は、エージェントKや当事者界隈では良くありますが、私はこの考えあまり好きではありません。
というのも、地方・郊外に行くとマイルドヤンキーは沢山いるのであり、
私の出身の北九州市(人口100万切りましたが…)ですら沢山います。
現に、私はマイルドヤンキーに囲まれて育ちました。
もし、地方や郊外で就職したければ、マイルドヤンキーと一緒に働かないといけないこと
(特にバイト)が多いのではないかと思います。

マイルドヤンキーは、治していない当事者(治りかけの当事者も)にとって苦手な聴覚過敏や
手先の器用さ、運動神経が優れていて、嫌う事情も分かります。

ですが、首都圏(というか、ほぼ東京23区+一部の市、川崎、横浜ぐらい?)に出てこれない
事情の人や勉強が苦手なタイプの当事者にとっては、職場を選べるわけがないです。
そんなことで、マイルドヤンキーとの対立をあおるような発言を公でされては、
余計に就職へのハードルが上がりいい迷惑です。
(エージェントKの社長に対してです。)

はっきりいって、お勉強(失礼)のできる当事者が2次障害を避けるために発言されているのではと言いたくなります。
お勉強(失礼)のできる当事者が職場を選べるわけがない当事者に対して生活費出せと言いたくなります。

マイルドヤンキーは結婚・出産が早く(私自身商業高校でしたので、同級生が22とか25で結婚しています。)、子供がそれなりにいることから、10数年後、マイルドヤンキーと渡っていかないといけない未来が来るのではないかと考えています。

エージェントK(というか就労移行支援のほうですが)にはお世話になりましたが、
このような発言には大変怒りを感じていることからコメントしました。

ちょっと感情的になってしまった面はありますが、このような発言による将来における当事者への就労の影響は大変心配しています。

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ブルー

こじはるファンさん

はい、実はこじはるファンさんが、「マイルドヤンキーを嫌う当事者が嫌い」な事は、Twitterを拝見していて知っていました。商業高校のご卒業であることも。

だからこの件を書くと、多分こじはるファンさんお怒りになるだろうなあと思いながら、でも申し訳ないですが書いたのです。

さらに、この話をこのサイトに持ってきたのは私です。お怒りの原因はKの社長ではなくて私にあります。

なぜかというと、ハッタツVSマイルドヤンキーの話が出たのはそもそもKの当事者飲み会で、そこそこクローズな空間での事です。それも創業者の発言ではなく、当事者の発言です。

そしてそれを、「こぼれ話」として教えてくれたのも、私とKの社長が二人きりの部屋で面談している空間です。

つまり、Kの社長は別に大大的にはこの話をしていないと思います。どっとこむという公共空間に「こぼれ話」である話を持ってきたのは私です。

そして、このサイトも発達障害の世界では「某界隈」です。ネット上と言う点では公共空間なのですが、発達障害の世界では一部界隈という状態と考えます。

しかも、私の連載を読んでいる人はさらにその一部です。ですので、これから就労しようとしている当事者への影響は良くも悪くもそれ程ないと(私自身は)思っています。ここはこじはるファンさんとお考えが違うと思うのですが。

ただ、「対○○」というのは当事者にとって必要な観点とも思います。対立ではなく同じ空間に住む人として。

こじはるファンさん仰るように、地方に住む当事者にとっては、マイルドヤンキー気質の人と一緒にやっていかなくてはいけないでしょう。そこを出て都市部に移動しない限りは。そして移動できる人は必ず一部ですよね。全員ではない。

だからVSマイルドヤンキーという対立図式ではなく、「対マイルドヤンキー」ということで相手を相対化し、対応法を確立していくことは、こじはるファンさん仰るようにサバイバルとして必須だと思います。地方で生活する当事者の現実としては共存しなくてはいけないわけですし。

それと・・・。ちょっと私には分かり切らないのですが、自閉系の男性と、マイルドヤンキー系の、それもギャル女性は相性がいいようにも思います。友人や恋愛というより、人間関係として。私の予想にすぎませんが。

他方、私は都市部にいるので「対定型」、職場においては「対ハイスペ」です。やっぱりVSではないです。あと「対日本人」「対マジョリティ」です。大きな話になりますが。

それとつくづく思いますが、こういう所にも都市部の人と地方の人の感覚の違いを感じます。話に出てきたKの飲み会は確かに東京23区、都心部でのことです。

以上、こじはるファンさんが仰っていること元々存じ上げておりますが、その上で申し訳ないですが書きました。就労しようとしている当事者への悪影響は、そもそも私の連載の影響力が微々たるものですので、大したことないと思います。

それと、今後も当事者にとって不愉快なことを書いていかざるを得ません。特に第二章分析編における、当事者にとっての不愉快さはこの比ではありません。

ですので今後も何かムカついたら遠慮なく仰ってください。そういうことを全て折り込み済みで連載をしております。

宜しくお願い致します。

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こじはるファン

ブルーさん

コメントが遅くなり申し訳ございません。
土曜にオフ会があり金曜も残業で睡眠時間5時間続きだったため、疲労しておりました。
とはいえ、花風社の体操のおかげで、このような生活をこなせるようになったのですが…。

さて、本題を。

>なぜかというと、ハッタツVSマイルドヤンキーの話が出たのはそもそもKの当事者飲>み会で、そこそこクローズな空間での事です。それも創業者の発言ではなく、当事者>の発言です。
>そしてそれを、「こぼれ話」として教えてくれたのも、私とKの社長が二人きりの部>屋で面談している空間です。
>つまり、Kの社長は別に大大的にはこの話をしていないと思います。どっとこむとい>う公共空間に「こぼれ話」である話を持ってきたのは私です。

これは、URLを失念しましたが、Kの社長ブログで、ハッタツVSマイルドヤンキーということが掲載されていたからです。
そのため、ある程度この話は公でされているかと思っています。
それで、むかつくということを書いた次第です。

>自閉系の男性と、マイルドヤンキー系の、それもギャル女性は相性がいいようにも思います。友人や恋愛というより、人間関係として。私の予想にすぎませんが。
確かに私の場合はそうですね。
ただ、お勉強ができる系の当事者には、合わないと感じています。

>だからVSマイルドヤンキーという対立図式ではなく、「対マイルドヤンキー」ということで相手を相対化し、対応法を確立していくことは、こじはるファンさん仰るようにサバイバルとして必須だと思います。

完全に同意です。

>それと、今後も当事者にとって不愉快なことを書いていかざるを得ません。特に第二>章分析編における、当事者にとっての不愉快さはこの比ではありません。

>ですので今後も何かムカついたら遠慮なく仰ってください。そういうことを全て折り>込み済みで連載をしております。

今後とも連載を楽しみにしておりますので、忌憚のない内容をお待ちしております。
こちらもコメントしますが…(笑)
あまり語られることのない内容ですし、ブルーさんの連載のような本は見たことがありませんので。

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