As described below, the moderate self-determination score observed in this study may reflect thecaregiver’s strong belief that they are providing opportunities for self-determination rather than the YA-ASD’s self-determination skills or the combination of both opportunity and capacity.
引用文献では2008年のHelt, M. Kelley et al.の論文(Helt, M, Kelley, E, Kinsbourne, M. Can children with autism recover? If so, how? Neuropsychol Rev. 2008;18(4):339?366) が引用されていることから、OO群を意識して実施された研究であると思われます。診断基準から外れるかどうかを論じるのは、専門家同士であれば意味はありますし研究は進めてほしいですが、当事者や保護者の観点からは全体的なQOLというか、診断基準うんぬんというnarrowな点だけでなく、我々にとって直接役に立つ内容を是非ともお願いしたいと考えますね。(この論文にそういう考察があるのかどうかはわかりませんが)
2020年2月15日に行われた、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)主催の市民公開講座 「発達障害の最新の知見」の続編です。
演題1:「学習障害」
精神保健研究所 知的・発達障害研究部 稲垣真澄先生
学習障害は、1.読字 2.書字 3.綴り 4.計算 5.算数技能に分類、「日常生活が損なわれているか否か」が重要で、本人や周りの人が困り感を持った時に初めて定義されることを認識する必要がある。これは、具体的にどのような困難があるのかを把握しないと支援ができないという事情にもつながる。
学業不振の場合、勉強する意欲はある、言葉は問題無いが、書く/読むことに著しい困難が生じていることで発見されることが多い。ちなみに「読む」ことに困難が生じているか否かをチェックするには初見の本を用いる必要があり、学校で使用中の教科書は不適切(何度も見ていて慣れが生じているから)。お勧めは道徳の教科書や読書感想文を書くための課題図書(→読みに慣れが生じていないから、読みの障害を正確に判断できる)
読めないわけではないか、スピードが遅いのは文字から音への変換に遅延(デコーディングの障害)があるから。脳の責任部位は角回。演者はディスレクシアの専門家であると思われ、読字障害を支援するための評価法および支援法(アプリの活用を含む)についての具体的な手法の紹介があった。語彙指導により約20%の小児で音読検査の音読時間が正常範囲になるデータも出ているとのこと。
学習障害が何故問題かというと、不登校およびメンタルヘルスの低下に結びつくから。鳥取県のデータでは、LD児の不登校の割合は小学校低学年で15-20%、高学年で45%、中学生で55%となっている。またうつ、不安によるメンタルヘルス低下が年齢が上がると共に増えるデータもある。
最近のトピックスとして、「顕在化しにくい4つの発達障害」について紹介された。これは、チック、吃音、不器用、読み書き障害のことを指しており、厚労省も注目しているとのこと。読み書きに関しては、未就学児で既に読みの機能は獲得されていると考えられており、年中児の50%、年長児の85%で40字以上が読めるとのこと。このことから読字障害は就学後の問題というわけではなく、もっと早い段階で認知機能が上手く働かなくなっている可能性があると推察される。
————————————————
この後に続く演題もそうですが、「最新の知見」の中には特定の機能障害と脳の責任部位を結びつける努力が含まれています。現時点では心理検査などで捉えている障害を脳の機能や器質的な異常に結びつける段階ですが、一通りの知見が得られたら、今度は訓練や投薬により何らかの機能が正常範囲に入った場合、それを脳画像や器質的な変化で捉えるようにする必要があると思いました。心理検査だけで改善や治ることを判断せず、物理的なパラメータをきちんと測定して判断できるようにする必要がありますね。
こんばんは。 花風社では、「右脳左脳」ではなく、「ラクになる・困り感がなくなる」と言う方向で考えてきたと思います。 脳の責任部位とか、その同定と言ったこともありますが、私がNCNPで受けた治験の多くは、機能が回復したことを試験の得点で確認し、心理テストでストレスが解消されたことを調べるものでした。 脳画像や動画のサンプリング・提供などにおいては、特定の疾患や障害の人のマッピングをすることが重視されていると思います。 プロ棋士は一般人とは将棋を指す時の脳の働きが違います。 筆算とそろばんの暗算も。 実際問題は特性云々ではなくその技能を何らかの形で習得して補うことだと思います。 共感覚や絶対音感を持つ人も、認知の仕方が違うようです。 個人で脳の働きはかなり違ってくる。 結果的に試験で技能が証明できて、心理テストでラクになったとわかれば克服できたと見なすと思います。 何かを見て、連想するものも価値観も人により違いますからね。
補足。 「気持ちいい」の身体アプローチも、人によって「気持ちいい」のポイントが違うでしょう。 人間だから相似でも、個人差があって、アプローチも「感覚スイッチ」でも証明されたように個性があります。 しかし、その人にとっての「気持ちいい」は社長が「それだ!」と仰るように確かなんです。 脳の働きとか、身体感覚の「気持ちいい」は人によって違いがありますね。 だからこその「脳みそらくらくセラピー」なんだろうと思いますよ。 浅見フラワーは海水浴。 画伯は足で砂浜にお絵かき。 愛甲さんは海辺の生き物の観察。 人間は脳の働きが違うから豊かなんです。
yasuさん、ありがとうございます。
責任部位の特定。
う~ん。そっちですかね~。
みたいな感想は正直わいてきます。
2020年2月15日に行われた、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)主催の市民公開講座 「発達障害の最新の知見」について、参加レポートを作成しましたのでご参考まで。長くなるので数回に分けてアップロードします。
全部で4つの演題があり、主催者側によると参加者は約150名くらいでした。保護者、当事者の他に学生さんらしき姿もありました。
https://www.ncnp.go.jp/hospital/news/2019/606.html
学習障害(主にディスレクシアの話)、ADHD、ASDに関する話と続いて、最後がASDへのロボットを用いた取り組みの話です。演者は全員医師で、小児科医が3名、精神科出身の児童精神科の医師が1名でした。小児をターゲットとしたものではありませんが、話の性質上やはり子供のことが多かったですね。
ここの演題について話す前座として、DSM-5の解釈と活用についてまとめておきます。DSM-5の話は花風社の新刊『知的障害は治りますか?』にも出てきますので、発達障害の治療や研究ににあたっているトップクラスの研究機関に属する医師がDSM-5をどのように捉えているのかを理解しておくことは重要です。
DSM-5において、「発達障害」が「神経発達症」と再定義され、「障害」という言葉は用いられなくなりました。この背景には発達の過程が初期の段階で何らかの原因で阻害され、機能の獲得が阻害されているという仮説があります。ここから「障害」という言葉ではなく、「特性」という言葉が使われるようになりました。
「障害」ではなくて、これを「特性」と理解しようという動きです。
(ちなみに、「個性」ではありません)
ここが重要ですが、「特性」なので「治す、治さない」という概念は当てはまらないという捉え方をします。どの発表でも「不具合があるから治す」といった発想で話されている先生はいませんで、サポートが必要なレンジに入っているのであればそこに然るべき働きかけをするという感じでした。
「特性」なのでその程度には強弱があり、スペクトラムになっているという捉え方をします。当事者にサポート(薬物投与も含みます)をするかどうかは、「その環境で当事者あるいは周りが困っているか否か」により決定されます。つまりは同じ人であっても、環境次第でサポートが必要だったり要らなかったりして、それは当然のことであるというわけです。
この「特性」の考え方で行くと、「困っていなければ診断する必要が無い」、「一回付いた診断が一生付いて回るわけではない」ことに結びつきます。DSM-5では、いくつかの基準を満たして、かつ当人や周りが明確に困っていることが診断の条件になっています。つまり診断の基準は何らかの値を測ってその数値の絶対数で決めるような固定的なものではない、ということです。
「特性」も本人の成長や周りからの働きかけで変化しますので、評価基準も評価値もどちらも変動するわけであり、小さいときに付いた診断が一生ついて回るのはあり得ないというわけです。演者の先生方はどなたも「程度問題だね」という捉え方をしていたように思いました。成長と共に変わるのが前提であるが、困りが残る部分については対処を考えないといけないといった話もありました。
次回に続きます。
yasuさんご報告ありがとうございます。
続きも楽しみにしております。
yasuさんの投稿を読んで、やはりと思うことがありました。
NCNPの考えでは、「発達障害とは、その特性によって困ることを言います。」
と資料にありました。
その考え方で言うと、発達障害が「治る」と言うのもおぼろげながら見えてきます。
少なくとも、「本邦の障害観」では、日本ではそうなんですよね。
ブルーさん
拝見しました、とても良い内容ですね。
この樺沢先生という人は初めて知りましたが、とてもわかりやすくクリアカットにお話しされています。本来はこういうところを専門家は協調しなければいけないと思いますし、患者や保護者に対してもちゃんと伝えなければならないですね。
yasuさん
コメントありがとうございます。
実務上は、診断結果を伝えることに重きがおかれ、プロセス(この場合は方法ではなく、その人の何をどう見て判断したか)を伝えることはおそらくそれぞれの医師の裁量によるのではないかと予想します。実態の全てを知っているわけでもないのですが。
この動画は改めて考えてもyou tube的だと思います。内容的に。
テレビではここまで突っ込めない。ネットの文字情報では煩雑に見えてしまう。臨床では、おそらくここまで時間を取りにくいかもしれない。
その意味でyou tubeならではの発信だったのではないかという気がするし、だから樺沢先生は「医師you tuber」としてこの動画を撮ったのではないかと思います。
ブルーさん
当人と周りが非常に困っているか否かが重要で、基準を満たしていたとしても実生活で困っていなければ診断は付けないのがDSM-5の考え方のようです。ここら辺が血圧や血糖値とは決定的に異なりますね。
まあ医療機関を訪れる時点で何か困っていることがあるのでしょうけど、このケースの場合はそれは余計なお世話だってことですね(笑)
yasuさん
よく言われる「困り感の有無」ですね。
少なくとも、ネットで芸能人や見ず知らずの方に向かって「あいつはアスペだ」と言っている人は、何も困っていないわけだから、そこを樺沢先生はたしなめた、ということですね。
チュートリアル徳井義実はADHDか?【精神科医・樺沢紫苑】
https://www.youtube.com/watch?v=lLP_rIfIO_A
樺沢先生はどこかで語っておられたのですが、
情報発信そのものに、人生の意義を見出しておられるようです。
臨床ではなく、you tubeがライフワークになっているあたり、
現代的な感覚の先生だと思います。
欲を言えば、
寛解パラダイム=発達障害は治らないパラダイム=から脱出なさると、
もっとイノベーティブな先生になれるのに、と思うのですが、
まあこれ以上突っ込まないことにしましょう。
ですので発達障害系の動画も、極力絶望的なトーンにならないよう、
希望のある前向きな論調で語るようになさっておられるようです。
この動画は、タイトルだけを見ると、芸能ネタに見えてしまうのですが、
実は「診断プロセス」の解説動画です。
DSM-Vの日本語版を用いて、発達障害の診断をどのように出すのか、
その判定プロセスを樺沢先生が解説をします。
これは意外と貴重な動画かなと思います。
発達障害は固定的状態像ではありません。
ですので診断も絶対的なものではありません。外れる人もいる。
だから診断を絶対視・・・いわば診断書を神棚のご本尊にする必要はありません。
ただ、診断プロセスに関しては知っておいても良いとは思います。
この動画の診断プロセスの解説はとても分かりやすく、かつ結構貴重なので、
ここに共有します。
そして、樺沢先生の「グレーゾーン」に対する見解のくだりや、
「素人のなんちゃって診断をたしなめる」くだりにも注目です。
基本ポジティブな先生ですね。
そういうわけで、コメント欄を見ると分かりますが、
視聴者も好意的に受け止めている人が多い動画です。
ツイッターで、ADHDの非薬物療法に関するメタ分析の論文を紹介しました。ニューロフィードバック、CBT、認知トレーニング、身体エクササイズを分析しており、身体エクササイズの効果が最も大きそうですが、他の方法でもそこそこ効果があるとされています。
https://twitter.com/yasufurosan/status/1223574687298379777
具体的にどのようなデータがメタ分析の対象になったのかは詳しく見ていませんが、これってADHDの症状を「改善」するのは(ASD症状に比べて)比較的容易ってことなんじゃないですかね。神経刺激薬は有難くない副作用があって、支援者もそれを認識しているにも関わらずにまず服薬を勧めるっていうのは、支援側の不勉強・怠慢だと非難されても反論できないでしょうねえ。きちんとした学術雑誌にEvidence-based practiceの論文が掲載されていて、そのメタ分析の対象になっている「データ」も論文の形で発表されているわけですからね。薬の使用前に非薬物治療の話があって然るべきだし、百歩譲って利用者側からそれを申し出るとしても、この論文に書かれているような知識は当然持っていて然るべきですね、「専門家」であれば。
まあ、一般人から見ると先生は専門家なんですから、当然のことながら最先端の知識や技術を身につけていると思われるわけで、まさか先生が不勉強で知らないなんて露ほども思わないんですよ。だから製薬企業と裏で結託していてわざと高い薬を出して儲けてるんじゃないかなんて話が出てくるわけですね。
今、『高知能者のコミュニケーショントラブル2』という電子書籍を読んでいますが。この番外編として、(自閉症の)原因の特定と治療可能性という章がウェブで公開されています。
https://wildinvestors.blogspot.com/2019/12/2_19.html
将来的には治せるようにあるかもしれないと書かれていますが、この本の著者がなぜそう思ったかは、オール・アバウト・サイエンス・ジャパン(AASJ)の西川先生のサイト「自閉症の科学」に紹介されている研究成果を見たからだとのこと。AASJの記事は私も時々ツイッターで紹介していますが、このウェブによくまとまっているのでリンクを貼っておきます。ASDに関連する論文を取り上げて詳細に解説してくれており、まっとうなサイエンスで真正面からASDについて論じたものばかりです。大変参考になります。
https://wildinvestors.blogspot.com/2019/12/blog-post.html
診察室で聞けないような医療情報だとは思います…。
医長先生に、病院の見分け方とかを教わりました。
「完全予約制。」「飛び入りは基本厳禁。」「紹介状が場合によっては必要。」
これくらいがいいみたいです。
よく考えたら、予約しなきゃいけないくらい、患者に選ばれている。
当日の予約・飛び入りが難しい位繁盛している・選ばれている。
紹介状が必要なくらい、選ばれている。
市場の原理。
それから、患者が治す!
そのためには、パターナリズム・医者がああせいこうせい!指示していたらダメらしい。
そうじゃなくて、患者が自分で養生しよう!と言う気にさせないといけない。
だから、指示も少ない位でも、それはそれのようです。
リハビリテーションとか、その気にさせるのが良医で、あまり手出しをするばかりでもない。
私が体験した良医。
病院に行くと、ついに、「薬何かいる?」「薬要らないね。」って言ってくれる。
冷たいようでもなく、一緒に治して来たって言う信頼感があるから、言えるんですね。
診察室に入って、あそこが良くなった、ここが良くなった。
そう言うことが出来て、握手して帰れる感じ。
アンチ連載のコメント欄にて、金田さんとの会話の続きで、
この場所に一つ動画を載せます。
金田さんとの会話で、NBM(ナラティブ・ベイスト・メディスン)が登場し、「花風社の『自閉っ子サーガ』はそれ自体が資産」みたいな話をしました。
個人的には、発達障害は経験で治すものだと考えています。
この件に関して掘り下げて書くヒマが今はないので、
参考に以下をリンクします。
皆様御存知の通り、経験で治すのは東洋医学ですね。
Web玉塾:解剖生理学:医療基礎化学12話「西洋医学と東洋医学」
https://www.youtube.com/watch?v=WjzIgUOaXKA&feature=youtu.be
クラスタの方は、この動画を見ると、いろいろと思い当たる節が
あると思います。
そして、私が良く「西洋医学は発達障害とパラダイムがあっていない」という理由の一つ(一つに過ぎない)がこれです。
今ふと思ったのですが、
栄養療法でタンパク質と鉄分を補給した上で
(酸素を運ぶ赤血球を造ってもらう+反応に働く体内の酵素の量も十分な形に増やしてもらう)
神経に作用しやすいビタミン群を体内に補充し、
更に金魚体操や五本指いい子で身体を緩めたり、気を抜いたりして、リラックスしやすい状態にしておくと、
条件が満たされて神経が回復?発達?して、ぐぐっと全体的に発達が伸びていくのではないでしょうか。
以上のことを、日常で、継続的に行わないと伸びにくいのも特徴です。
栄養療法と身体的アプローチの組み合わせだと、まるで、神経が伸びる?要素が全部揃ったから、発達が遅れていた分野が回復し始めたような、そんな感じの爆発的な息子の発達の進歩だったので、そう推測しています。
ブルーさん
見ました。
ありがとうございます。
座波さんが、ただださえマイノリティの人への対応の標準化に血道を上げてどうする的なことを仰っていた気がします。
また、私はまだギョーカイと喧嘩してなかった頃、海老踊り方面の先生から「支援者一人一人が優れた職人なら実はエビデンスはいらない」と言われてびっくりしたことがあります。
案外この辺が本音のギョーカイ人もいると思っています。
動画拝見しました。
西洋医学の治療薬の究極の姿が分子標的薬ですね。その標的だけをピンポイントアタックする、スマート兵器のようなものです。まあ、そこさえ叩けば後は生体の自然回復能に任せるというのが背景にありますけどね。
発達障害はバスケットネームで、理由(原因)から見ると色々と異なるものが含まれています。表現型として同じようなものを集めて十把一絡げにしているところがあり、これが西洋医学でのアプローチを難しくしている理由ですね。表現型としては同じ、あるいは似ていても原因が様々だとすると、それを全部区分けしないと薬はできないので、現代の学問レベルで扱うのは難しいということなのだろうと思います。
ブルーさん、動画みました。
ありがとうございます!
医療の原型は巫術だという考え方があります。
巫術は「効果はあるけど“あやふや”」です。
なのでそこから
・病気だけを問題視し、迷信や思い込みなどの「あやふやさ」を極力排除して根拠を追及することで発達してきた西洋医学。
・人と自然の関係、臓器と季節の関係などをみながら、どうあるべきか?どうするべきか?という哲学的な観点から病気を考え、追及し体系化することで発達してきた東洋医学。
に別れていきました。
1970年代、アメリカでは西洋医学の行き詰まりが問題視され、当時のカウンターカルチャーでの東洋(東洋哲学)ブームと共に、ホリスティック医学が提唱されました。
その後アンドルーワイル博士によって、日本では渥美和彦医師によって統合医療が提唱されました。
この、伝統医療・代替医療が見直されてきた流れの中で、「科学では説明できないけど、実効性のある知恵(医療)」を有効活用する(できる)医師が増えてきました。
この「科学では証明できないけど実効性のある知恵(医療)」の中に、気功・Oリングがあります。
そして、「科学では説明できないけど、実効性のある知恵(医療)」を有効活用している(できている)医師の知見と、もともと東洋哲学(東洋医学・伝統医療・代替医療)を活用した施術を提供している施術家の知見が集まってきて「こっちのほうが治る」ことが分かってきました。
その知見を取り入れ家庭で試行錯誤してたら「治ったよ」という人たちが増えてきました。
こういう流れを見ていくと分かるのが、治せる医師、治せる専門家、治った人たちに共通するのは、治すことを人任せにせず、「取り組む姿勢」「取り組むときの考え方」といった哲学をベースにしながら行動しているという点です。
ブルーさんがおっしゃる「発達障害は経験で治す=東洋医学」はそういうことなのではないかと思います。
長々と書いてしまいましたが、最後に、科学では説明できないあやふやな部分を、シュレティンガーの波動方程式などを持ち出し、あたかも量子力学と関係しているかのように見せたり、似非スピリチュアルで理屈をつけた怪しい民間療法も、それで壺売りをする人たちもたくさんでてきました。これが「トンデモ」です。
アンチは区別がつかないから、全てこれにみえるんでしょうね。
金田さん
コメントありがとうございます。
そういえばあの動画、内容的に金田さんの御専門と大きくかぶりますね。
釈迦に説法で恐縮ですが、金田さんがコメントして頂いた流れでいいますと
>治せる医師、治せる専門家、治った人たちに共通するのは、治すことを人任せにせず、「取り組む姿勢」「取り組むときの考え方」といった哲学をベースにしながら行動している
→ここの「哲学」で一番私が重視しているのが「人間観」です。治す、発達させるという観点でいうならばです。違う分野として、就労ですと「社会観」が重要になりますが。
治す・発達させるでいうと、専門職であれ当事者であれ、流派や背景理論は何でもいいので、その人なりの人間観があれば、必ず何か突破口が見いだせると思っています。
人間観はどんなものであっても、文字通り「観る」ものなので、常に全人的/全身的/全体的で、かつ健常/健全が基軸になりますよね。
それを持ってして凸凹の人や自閉の人を見ると、どこで発達が引っかかっているか(その専門職の分かる範疇で)分かりますから、後はそれぞれの専門職が持つツールを出しながら試行錯誤していけば、必ず希望がもたらされると思います。
つまりこれは「見立て」の問題なんですよね。治せる・発達させることができる専門職は、流派を問わず見立てが正しい。治してきた、あるいは発達させてきた当事者も、自分なりに、自分を見立てる精度を高めてきたのではないかと思います。「アナログなアセスメント」ですね。
私自身も、例えつたなくても、自分なりの人間観に従って取り組んできました。また、その人間観の精度を上げるような勉強をせざるを得なかったです。ハッタツは単に生きているだけだと、自分も含めた人間のことが分からないからです。
ちなみに、花風社の本が提案する人間観は、現場の結果をベースに、色々な知見が入っていますので、結果として現代~未来の人間観のトレンド(?)、及び、現代の学際的研究のトレンドにも合致しているかなと考えています。
そして、そのキーワードは根っこ本で登場する「進化」だと個人的には思います。
そして、人間観が妥当だから、凸凹キッズや自閉っ子に親御さんが妥当な見立てができるようになって、結果知見を活かせて、治したり発達させたりできる・・・というのが、花風社の本に対して私が感じていることです。
釈迦に説法で恐縮でした。今後とも宜しくお願い致します。
ブルーさん、コメントありがとうございます。
釈迦に説法なんてそんな、僕はただ、そういうところをちょこっと知ってるだけですから(笑)
「人間観」「見立て」ホントその通りですよね。
人間という場や空間のもつポテンシャルとでもいいますか、治せる・発達させることができる専門職や治してきた、あるいは発達させてきた当事者は、それがとても高いですよね。
進化も、人間という場や空間を、自然(環境)という場や空間に適応させていくことだと思うんです。
ハッタツもそうですよね。
花風社(本・浅見さん・著者の皆さん)という場や空間のもつ力が、読者という場や空間の進化と発達を促してくれたことで「治る」ことが明らかになり、クラスタさんたちが生まれ、どっとこむができた。
そして、この新たに生まれた場や空間のもつポテンシャルは計り知れず、ブルーさんの言葉をお借りするなら、「現代~未来の人間観のトレンド(?)、及び、現代の学際的研究のトレンド」にも合致してきた、のだと思います。
哲学的な話になると、どうしてもこんな感じの表現になっちゃいますが。
アンチ考察の続きを楽しみにしています!!
今後とも、宜しくお願いいたします。
精神疾患と食事の関係
サイエンスニュースの記事はこちら
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-01/econ-hda010320.php
オリジナル論文はこちら。全文無料です。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0924977X19317237
栄養精神医学(Nutritional psychiatry)という表現は初めて見ましたが、2015年には既に提案されていたようですね。この論文は栄養(食事)と精神状態の関連を調べた報告のオーバービューになっています。私や他の方がぽつぽつと報告していたASDやADHDと栄養、腸内細菌についての報告も網羅されていますね。精製された砂糖が多く含まれている食事はADHDや過敏症のリスクを上昇させ、果物や野菜はprotectiveに働く報告も引用されています。
RCTはほとんど行われておらず、今後の調査を待たなければならないとされていますけれど、食べ物と精神疾患の関係はきちんと研究が進んでいます。食べ物なんか関係が無いと断言する人がいたらそれは勉強不足です。
ASDの若者の自己決定能力の支援について、支援者が提供するサポートが機能しているとは言い難いようです(米国の話)
たーとうるぃずの記事リンクはこちら
https://www.turtlewiz.jp/archives/25090
米国ミズーリ大学のニュースサイトはこちら
https://news.missouri.edu/2019/adulthood-with-autism/
Autism誌の論文はこちら(全文無料でアクセス可能)
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1362361319877329
論文のDiscussionに下記のような記載があって、支援者側は自己決定の機会を与えているが、支援を受ける側にとってそれが有効に働いていないことが窺われます。まあ、これは支援者側の課題であり責任なので、支援者には努力していただきたいですね。
As described below, the moderate self-determination score observed in this study may reflect thecaregiver’s strong belief that they are providing opportunities for self-determination rather than the YA-ASD’s self-determination skills or the combination of both opportunity and capacity.
マウスと人間の脳は全く異なる可能性 脳研究の正確性に影響か
https://forbesjapan.com/articles/detail/31593/1/1/1
小脳の話ですが、端的にマウスの実験結果をそのままヒトに外挿するのは慎重にならないといけないってことですね。何を調べるかによりますが、「動物実験ではこうなっているからヒトでもそうだ」みたいに決めつけて話をする人がいたらそれは要注意であると思われます。
浅見さん
コメントありがとうございます。
この動画はいろいろな教訓を含んでいますが、浅見さんの文脈でいくと、やはり当事者に対しては経験で個別化しないとなんともならない、という所だと思います。
個別性と例外性が強い人々ですから、時として「理由」は永遠のナゾだったりしますよね。
後、私は多くの優れた専門職に世話になりましたが、現場でエビデンスという単語を聞いたことはありませんね。
一卵性双生児(ZM-twin)間でASDの重症度が異なるという報告は、ASDの遺伝素因や予後を考える上で大変示唆に富んだものです。
たーとるうぃずの解説はこちら↓
https://www.turtlewiz.jp/archives/25084
オリジナル論文はこちら。全文無料で読めます
https://link.springer.com/article/10.1007/s10519-019-09987-2
論文の著者らは、96%という非常に高い頻度で双子の片方がASDを持っている場合にはもう片方もASDであることをまず示した(これは、今までの知見と整合性がある内容です)上で、ASDの重症度について双子間の解析を実施しています。論文のFig.2にある3つのScatter plotsは衝撃的で、aが定型発達ZM-twin間のSRSスコア相関、bとcがASDのMZ-twin間のSRSスコアとADOSスコアです。SRSは親の報告により付けるスコア、ADOSは専門家が付けるスコアですが、どちらのスコアもMZ-twin間では相関はほとんど認められません。一方、SRSスコアは一般集団(非ASD)では非常に綺麗な相関が認められています。
考えられる要因として、それぞれのtwinの発生が進むにつれて生じた体細胞突然変異によるもの、子宮内あるいは子宮外の環境不一致(non-shared environment)によるものが挙げられていますが、具体的にこういうものがあるとの提示には至っていません。あくまで遺伝的な素因を追求するのであれば体細胞突然変異の可能性を追求することになりますが、もしこれが本当だとするとASDに抑制的に働くようなmutationが見つかる可能性も否定できないと思われます(あるいはASDの症状を増悪させるmutationが見出されるのかもしれません)。遺伝ではなくて突然変異なのでコントロールするのは非常にやっかいであろうことが予想されるでしょう。環境不一致については概念的な可能性を述べるに留まっています。確立されたバイオマーカーが無いだけにこのような現象の解析は非常に厄介であろうことは理解します。
子宮外の環境不一致の中に身体アプローチのことは一言も触れられていませんが、MZ-twinが個として独立しそれぞれの生活をしていく中で、社会(他者)との関わりで差が生じているとしたら、それはnon-shared environmentとなり得ますね。ただしこの研究グループが検証するのは難しいと思います。仮説を立てられないでしょうからね。
「生まれつきの、治らない」というのは、暗に遺伝的に決まってしまっているのだから治らないという意味を含んでいます。しかしながらこの研究が教えてくれたのは、「予め決まっていて動かせない」のではなくて、むしろかなり動きうるという可能性ですね。
早期診断と早期療育の効果についての報告は継続して出ていますが、Optimal Outcome群のことがわかってから、皆がOO群に入れるにはどうすればよいのかを知りたいわけです。一方でOO群というか、診断基準を外れれば定型発達(TD群)と完全に同じになるのかっていう疑問のあって、この論文は後者のことを調べたものですね。本文は有料です。
When an Early Diagnosis of Autism Spectrum Disorder Resolves, What Remains?
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0883073819834428
3歳までに診断がつき、療育を実施して平均4年後にASDの診断基準を外れた子供38人について様々な評価指標で評価した結果、大部分の子供で感情や行動、学習上の問題は残っており、引き続き教育上のさポートが必要とされるという結果になっています。
引用文献では2008年のHelt, M. Kelley et al.の論文(Helt, M, Kelley, E, Kinsbourne, M. Can children with autism recover? If so, how? Neuropsychol Rev. 2008;18(4):339?366) が引用されていることから、OO群を意識して実施された研究であると思われます。診断基準から外れるかどうかを論じるのは、専門家同士であれば意味はありますし研究は進めてほしいですが、当事者や保護者の観点からは全体的なQOLというか、診断基準うんぬんというnarrowな点だけでなく、我々にとって直接役に立つ内容を是非ともお願いしたいと考えますね。(この論文にそういう考察があるのかどうかはわかりませんが)
センターに行くと、ナントカ評価機構と言う、いつものマークが見えます。
私は、大きくて名医のいる病院には、このマークがあることを知ってますが、何なのかよく調べてませんでした。
これです。↓
https://jcqhc.or.jp/
ここの、大きな認定病院だとか、評価された病院だとか、格付けだとかがあるらしいんですね。
医療事故を起こしたり、研究や経営がはかばかしくないと、もらえないようなのです。
ツイッターで紹介した、ASD児が発熱すると社会性関連の症状が一時的(発熱している期間)に改善するという、以前から観察されていた現象を論じた報告について、ヒトでの観察およびマウスモデルを使ってこの現象を分子レベルで解析した論文について、総合的に解説している素晴らしいサイトがありましたので紹介します。
http://aasj.jp/news/autism-science/11996
私はマウスの論文の方を先に読んで、マウスにASD様症状を誘発させるのに妊娠時の炎症惹起が使われていることと、このマウスに発熱物質であるLPS(Pyrogenとして汎用されるバクテリアの細胞膜成分)を投与してASD様症状を鎮めることとの関係がよく理解できていなかったんですが、これはマウスのASDモデルの歩留まりを上げるためなんですね。ASDの社会性関連の症状を動物で再現しているモデルが他にどのようなものがあるのかはわかりませんが、Pyrogen誘発モデル以外でも同様の効果があるのかは今後是非調べていただきたいですね。(だいたい三種類くらいの動物モデルで効果が認められれば本物だろうと感覚的には思います)
現象自体は昔から観察されていたようですが(私は知りませんでした)、これを動物モデル系で再現したのは、創薬研究の観点から非常に意義が大きいと思います。さらにASDの病態解明の観点からも。脳に器質的な異常(ある特定の機能モジュールの脱落など)が生じていて不可逆だとすると、一生治らないと言われても反論できないわけです。しかし発熱で一時的にせよ改善するということは、ハードウェアの欠落ではなさそうだし、外部からのアプローチで何とかなりそうな気がしますね。
IL-17aは炎症性サイトカインと呼ばれる物質ですが、これを逆に阻害するもの(抗IL-17抗体製剤、セクキヌマブ)は既に医薬品として実用化されています。この現象を治療に応用するとすると、脳の特定部位でIL-17aの濃度を逆に上げなければいけませんが、IL-17aを飲んだり注射したりしても恐らくそのままでは無理だと思われます。IL-17aのシグナル伝達に関わる経路のどこかを賦活するとかの手を考えないといけないと思いますが、結構ハードな仕事であることは間違いありませんが、世界のどこかではもう着手されているかもしれません。