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薬のお部屋

薬の功罪について、もっと率直に語っていい。
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82 COMMENTS

yasu

Am J Psychiatry誌の2019年9月号にちょっと面白い記事が出ましたので紹介します。ADHDに対して神経刺激薬を長期に服用する利益はあるか?と題する論文で、取り上げられている薬剤はメチルフェニデート(商品名コンサータ、リタリン)です。

https://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2019.19070681

フリーアクセス論文です。

2008年の600万人(対象国は記載ありません)を対象にした調査では、神経刺激薬の服薬率は6-12歳で4.6%、13-18歳で3.7%、19-24歳で1.6%となっています。これはADHDの有病率7%よりも低い数字となっています。神経刺激薬を1年以上にわたって使用した場合の調査データは今まで無かったと書かれています。

で、ADHD患者で少なくとも2年間メチルフェニデートを継続服薬していた人に、プラセボ対照のメチルフェニデートの断薬の二重盲検試験を実施。(プラセボ群デザイン:7週間のうち3週間かけて漸減、その後4週間はプラセボを処方)7週間経過時点での結果は、プラセボ群で悪化は40.4%、薬剤投与維持群で15.9%、そして若者(中央値で13.8歳以下のこと)ほど効きが良かった。薬剤投与群での悪化はノセボ効果によるものではないかと考察されています。

またプラセボ群で60%くらいが悪化しなかったという結果の解釈ですが、これはメチルフェニデートを2年間使っていれば断薬できると考察するには時期尚早。学校が始まってから最初の6週の評価期間後まで、子供の成績が下がって学校に呼び出されるまで薬を飲ませない親がいるのが一因と書かれているのですが、これは具体的にどういうことなのかはよくわかりませんでした。要は長期服用しているから断薬できると判断しないようにということですかね。

ADHD患者は服薬により、自動車運転の事故、トラウマ障害、犯罪への関与、自殺行動、薬物依存(麻薬ですかね)への関与が低いことが報告されているとのこと。

で、この論文の結論。“Is there long-term benefit from stimulant treatment for ADHD” is a definite “Yes!”

ADHDの薬物療法については今まであまり見ていなかったのですが、長期服用の有効性や安全性のきちんとしたデータが無いというのは意外です。手元にあるコンサータのインタビューフォームを確認すると(2013年6月改訂版)、<維持/長期療法>の部分に”7週間を超える長期投与時の有効性はプラセボ対照試験による系統的な評価は行われていない”と書かれていました。。。うーん、これも使用する場合にはきちんと認識した方がよいですね。

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浅見淳子

yasuさん、興味深いレポートをありがとうございます。
ADHD があっても服薬を選ばない人も多い。
断薬で60パーセントが悪化しない。
断薬しなくても16パーセントは悪化する。
7週間を超えたデータはない。
学校が権限を超えて服薬を勧めてきたとき話し合いの材料になりそうですね。

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うさこ

yasuさん、返信ありがとうございます。

副作用はやはりあり、リスパダールを飲み始めてから朝の眠気がひどいと話しています。登校後まで眠気が続く時もあるようです。
朝はコンサータも飲んでいるので、その副作用もあるのかもしれませんね。

本人は、コンサータは勉強に集中できるようにするために飲んでいると話しています。土日の休みや長期休業中は飲んでいません。
本人が主体的に考え、医師に自分の気持ちを伝えることができるよう支援していきたいです。

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yasu

うさこさん

リスパダールは副作用として傾眠が多いようですね。ASDに伴う易刺激性の改善を狙って服薬開始されたのかもしれませんが、眠気が出てしまったのでは学業にも影響が出てくることでしょう。ご本人が易刺激性の改善と副作用(傾眠)を両天秤にかけて、判断できるような支援がよいのかもしれません。コンサータは中枢神経刺激薬なので副作用としてむしろ不眠が出ますね。医師には副作用を含めて状態を伝えているのだと思いますが、薬剤師にも話を聞いておいた方がよいかもしれません。

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うさこ

通院する際は両親と一緒に行っているのですが、高校生になったためか、最近は本人のみ診察室に呼ばれるのだそうです。シャイで、なかなか自分から話をすることができない方なので、伝えたいことを私と一緒に整理してメモを取ったり、ご両親にも様子を伝えたりしています。

服薬は、「学校や誰かから勧められたから…」と簡単に考えることではないですね。その後の人生に深く関わることだな…と受け止めています。

コンサータについても、教えていただきありがとうございます。

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大久保 悠

「学校から服薬を勧められた」というお話は、私の仕事の相談の中でもよく見聞きすることです。
「普通級にいたいのなら」「本人も、みんなも困っていますし」などという脅しに近いような勧め方をしてくる場合もあれば、少しかじった情報から「発達障害は服薬がいいらしいよ」みたいな安易な勧め方をしてくる場合もあります。

服薬するかどうかは、医師と話し合うものであって、学校と話し合う必要も、学校が主導で決めることでもありません。
体内に入れるのは、先生ではなく、子ども自身。

現在、発達障害の原因となる脳や神経の部位を特定する手段、方法はありません。
つまり、特定できない原因に対し、ピンポイントで投薬することはできないということ。
ですから、当然、正常な部分に対しても、服薬の影響は出ます。
それが副作用と呼ばれるもの。

副作用によって、眠気が出て、学校を休みがち、授業中も眠気で集中できず、という話は、よくある話です。

担任が対応できない
→服薬を勧める
→副作用の眠気
→勉強ができなくなる
→学習が遅れる
→知的障害の出来上がり

最初、自閉症やADHDのみの診断だったのに、服薬後、勉強が遅れ、「知的障害もついた」という子ども達もいます。
神経の発達障害なのですから、良い刺激によって発達が促され、診断基準を外れていく子もいます。
一方で、悪い刺激、または刺激が制限されたため、発達に滞りが生じ、結果的に知的障害や自閉症などの診断名を受ける子もいます。

「服薬したから万事解決」というようなことが起きないのが、神経発達障害だと思います。
薬の力を借りるにしても、同時に、「どうしたら未発達の部分、発達の抜けている部分を育てられるか」という視点が大事だと感じます。

『診察室であまり聴けない医療情報』に書いてしまったので、こちらに同じ文章を貼りましたm(._.)m

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ねてまて

ここ何日か、学校と服薬の話をツィッターでみていて思ったことをすこし。
こちらのどっとこむには、薬を飲みはじめること、減薬、断薬することをご本人や家族がきちんと考えて、医師に相談しているお話が紹介されていることが多いです。

一方、一般的なSNSの情報には、こんなに頭がクリアになるなんて!という主に成人の方の体験談がのっていることが多く、数種類の薬から、これは合う、これは合わない、みたいな話題だったりします。

これでは、学校や医師がすすめるなら、自分の子どもにもどれか合う薬があって、悩みが解決するような気になっても不思議ではない気がします。
もちろん、一時的に落ち着くまで、等必要な場合もあるかと思います。

ただ、うつ病のように、ハードルを下げたことによって、必要ない投与が、脳神経の発達途上の子どもに投与されるケースが増えているのでは?と危惧しています。

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yasu

まあ、コンサータなんて中枢神経系の刺激剤ですからね(^。^;) 嗜好性はともかく、傾眠とか食欲不振、逆に食欲増進など、生活の質を落とすあまり有り難くない副作用についてきちんと認識しないといけないのですが、言うは易く行うは難し状況は確かにあります。

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ねてまて

yasuさん、あがった副作用、ひとつでもあったら、私は無理!と言いそうです。
食欲不振は、育ち盛りの子どもに問題あり。
睡眠については薬でかえって悪化するような印象。
そして、実際に子ども達を大勢みている大久保さんの指摘、考えさせられました。

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どんぐり

ねてまてさんのコメントに書かれていた成人の方の薬いいよ!のアゲ記事は常々なんでだろう?と思っていたのですがこの記事で納得しました。

http://sakura4747.blog.fc2.com/blog-entry-1334.html

クラウドワークスさんの記事作成依頼で、発達障害や自閉症の記事作成で収入を得るという方がいる。と言うことは薬についても製薬メーカーによる薬アゲ記事が書かれていてもおかしくない。

ちなみにグーグル先生使って、クラウドワークス+発達障害 記事とするとたくさん出ます。

もしネット上でこれおかしいって思う記事があったら記事依頼かもって疑ってみた方が良さそうです。

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浅見淳子

どんぐりさん、ようこそ。
闇を見せていただきました。
もしかしてあのサイトとかでしょうかね?
それにしても単価安っ!

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yasu

いやあ、医療用医薬品の広告は非常に厳しく規制されているので、製薬企業がやることはあり得ないと思いますね(^。^;)。もしやったら一発でアウトですよ。

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浅見淳子

なるほど、そうですね。
薬に関しては規制が厳しそうです。
それにしてもこうやって記事集めてるところがあるとは驚きです。
「ライター」って誰でも名乗れますが、やはりそれで扶養枠を外れるくらいの収入がないとなんちゃってである、というのが私が持ってる基準です。

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うさこ

学校が服薬をすすめていることを実際に見聞きしたことはありませんが、病院については疑問を感じていることがあります。

自分の身体症状に悩んでいる生徒さんが定期通院の際にそのことを相談すると、リスパダールが3週間分処方されました。
次に通院した際に、病院の医師からは服用してみてどうか?ということは何も聞かれず、機械的にまた薬が出されました。

一度服薬を始めるとやめる選択肢がないような気がしています。本当に必要な薬なのか、とても疑問です。
コンディショニングで身体を整え、薬をやめることができればと思っています。

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yasu

うさこさん

高血圧でも、高血糖でもまずは生活習慣の改善、食生活の改善をしてみて、それでも不十分だったら薬を飲むという流れなんですけど、精神系の場合は相談するといきなり薬の処方に行ってしまう印象はありますね。そして何らかの副作用が8割超に認められたりするので、薬を処方された場合には基本的に自分でしっかりと調べてリスクを把握するのが最も確実かと思います。これは治療の一環なので、医師は応じるのが当たり前です。

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