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仕事のお部屋

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仕事にまつわること、なんでも話しましょう。

69 COMMENTS

ブルー

<当事者コミュニティ>

現状の私は、当事者コミュニティにはそれ程足を踏み入れなくなっています。別に当事者コミュニティを嫌っているわけでもなくて、もうそれ程必要性を感じていないからです。

ただ、かつては、いくつかの当事者コミュニティに足を踏み入れていた時代もありました。それは良くも悪くも、当事者と交流するためとか、救いを得るためではありませんでした。

私が当事者コミュニティに足を踏み入れていた理由は、時代の空気感を掴むためです。それさえ掴んでしまえば、必要な情報やソリューションはもう自分でなんとかしようと思っていました。

ちなみに、「自閉マインド」炸裂で、他の当事者との交流には興味がありませんでした。いや、会話を拒んでいるわけでもないのです。話かけられたら応じていました。話しかけるなオーラも出していません。

単に他人に興味がないだけです。いうなれば人畜無害な「一匹羊」です。

そんな中の思い出話。

<発達障害Bar>

固有名詞は書きませんが、日本にはいくつか「発達障害Bar」という、オーナーも店員も客も、みんな成人当事者、というBarがあります。NHKとかで取り上げていますね。雑誌等のメディアにも時折登場します。

ここにも、私は数回だけ足を踏み入れたことがあります。

発達障害Barというのは、当事者会の次世代版です。また、私が訪れたBarはターゲットが明確に決まっていて、就労できている成人当事者向けです。

これは一部の人だけが気が付いていることですが、就労ができている発達障害の成人当事者というのが、最も支援やセイフティーネットから漏れているという時代認識があります。

つまり、就労できている当事者は「働けているんだからいいでしょ」となっている。確かにそれはそうなんだけれども、働けている成人当事者は、メンタルが折れないまでも、やっぱり少ししんどい思いをしていたりとか、上手くいっていたとしても、孤独感を抱えていたりする人もいる。

例えばマイクロソフトのアメリカ本社みたいに、企業内に自閉の人の互助会コミュニティがある会社などというのは、多分日本にはまずない。まだ時代がそこまで来ていない。

そういうわけで、少なくとも私が当事者コミュニティに出入りしていた数年前は、当事者の就労において最も先進的な課題が「就労ができている人へのケア、及び交流の場やコミュニティの整備」となっていました。

この話は数年前の話ですが、今でも似たような感じだと思います。意外にこの話は社会の盲点なので。

私が訪れた「発達障害Bar」も、そのようなコンセプトで運営されていました。そして、Barのオーナーと少しその件で話をしました。

オーナー(若手起業家/当事者)
「働いている成人には、こういう場が少ないので、交流の場として作ってみました」

ブルー:
「とてもいい場ですね。凄く居心地のいい空間です」

オーナー(若手起業家/当事者)
「いわゆる、マイノリティ・バー(ゲイバー等)をモデルに、ハッタツが安心して過ごせる空間というコンセプトにしてあります。ただ、定型をお断りにはしない。この間も、障害者雇用に関わる人事の人が、勉強のため訪れてくれました。ハッタツと定型が、気兼ねなく交流できる場になれば」

ブルー:
「賛成です。ゲイバーでも、ゲイ・オンリーの日もあれば、ノンケOKの日もあったりしますね。ここも基本は『ハッタツ50%、定型50%』という顧客構成を目指すのが、最も長続きするのではないでしょうか。ハッタツ・オンリーの日もあっていいけど、そればかりではコミュニティが閉塞する。先細りになるでしょう」

オーナー(若手起業家/当事者)
「私もそう思います」

そして、一番印象に残ったのはこの話。

オーナー(若手起業家/当事者)
「このBarって、こういう都会の真ん中で、こういう価格設定じゃないですか」

ブルー:
「ハイ」

オーナー(若手起業家/当事者)
「この空間が居心地がいいのは、やっぱりこの価格設定で客質が担保されている、というのが現実としてあるんです。以前は、福祉系の当事者カフェの中にこのBarを隣接させるような感じにしていて、料金がもっと安かったんです」

ブルー:
「なるほど」

オーナー(若手起業家/当事者)
「その頃はですね・・・。ちょっといろいろトラブルもあったんです。出入り禁止とか」

ブルー:
「はいはい」

★いわゆる、迷惑当事者ですね。ハッタツ・コミュニティでは、出入り禁止を喰らう迷惑当事者というのが登場します。当事者にとっても、迷惑当事者は困るわけです。

オーナー(若手起業家/当事者)
「で、こっちの都市部に移ってきて、この料金設定に値上げしたら、やっぱり働けている人じゃないと払えない料金設定だったらしくて、場が安定したんです。こっちでも出入り禁止騒ぎが少しあったことは事実なのですが、でも前より場がぐっと良くなったんです」

ブルー:
「あ~なるほど」

確かに、この「ハッタツBar」の客層を見ていると、どれだけ宇宙人ぽい人(失礼)がいても、どれだけ個性的な「自閉炸裂」の人がいても、やはり常識的な一線が守られていました。そして見た感じ、7割の客はビジネスマンぽい雰囲気でした。

もちろん、バイト勤務の若い人もいたのですが、やはり店のコンセプトが見事に当たっていて、企業に勤務していそうな雰囲気の客が多かったように思います。

店の中は確かに快適でした。「ハッタツBar」に集う人々は、日本社会の同調圧力に苦しみ続けた人ばかりですし、正直自閉系と一目で分かる人もいて、店の中に妙な同調圧力がない。

見た目は普通のBarなのですが、ここが微妙に、でも決定的に普通の飲み屋とは違う雰囲気を醸し出していました。

なんというか、「独特かつ快適なバラバラ感」といいますか。いや、カウンターやフロアでは会話が盛り上がっているのですが。「どんな薬は自分の体質にあっていたか」とか。「定型には面白いらしいが、ハッタツにはつまらなく感じること」とか。「手帳を使った転職において、どの人材紹介会社が使えたか」とか。

私も、他の当事者と情報交換をしたり、思う所を楽しく語り合ったりしました。

例えば、私と同じ人材紹介会社を使って、障害者採用から就職した人がいました。「採用面接にはジョブコーチがついてきたこともあるけど、正直いらなかったよねぇ」と、仰っていました。

また、凸凹のお子様向けの支援職についている当事者の方はこう仰っていました。「僕らは親御さんからの厳しい目線にさらされる。『当事者だから凸凹の子供のことは身を持って分かるのだろうけど、その上で仕事はきちんとできるのかどうか』と」

また、その方とはこんな話もしました。

ブルー:
「この時代に生きる成人のハッタツは『新時代へのパイオニア』という側面もある、とポジティブに捉えています」

支援職/当事者の方
「ブルーさんのいう事は分かるけれども、同時に僕らは『社会の実験台』ではないと思います。」

ちなみにこの支援職/当事者の方は、仕事中に「写真記憶」の能力を有効に使っておられました。きちんと働ける実務能力が土台にあるから、こういう特性を現場で使いこなせるわけです。

時が経ち、店は満席になり、みんな時には真面目に、時にはテキトーに、時には熱くしゃべっていました。

ただ、この快適な空間が成立するのも、冒頭のオーナーとの会話にあったように、料金設定によって客質の担保がなされているからなのです。

当事者は極めて多様です。その為、当事者同士は正直トラブりやすい。この当事者Barがこれほど上手くコミュニティ化されたのは、客を選んだからです。

そう、当事者も当事者を選ぶのです。

就労に関連した、当事者コミュニティの現実でした。

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浅見淳子

ブルーさん

興味深い情報をありがとうございます。
そういえば、発達Barとかありますよね最近(NHKは見ていない)。
ぐぐったら飲み放題3500円。私なら十分元が取れます笑笑。

私が感心したのは「健全な分断はもう進んでいるんだな」ということです。
ドリンクの値段設定で健全に分断している。なるほど。
このどっとこむは参加費無料ですが、「他人の自慢」に喜べるかどうかでボーダーを引く、というのが最初からのもくろみでした。
そしてそれが当たっています。
他人の自慢を嫉妬するような卑屈な人は入ってこられませんから。

でも正直、発達Barなるところに行く気はしないですね。
なぜだろう、と考えると
「当事者が集まっている」というだけで、ルサンチマン系(と私たちは迷惑当事者を呼んできました)がたくさんいて気が淀んでいるという予測をしてしまうからです。
私なんかが行ったら喧嘩売られそうだし。
でもそれは偏見だというわけですね。
それも理解できます。
なぜなら花風社の会その他の場において、当事者の人にさほどいやな思いをしたことがないから。考えてみたら私が当事者の迷惑性を痛感するのは、リアルではないんですよね。未だに一回もリアルであったことのないあの事件の被告人同様、つねにネットがらみです。リアルで当事者にいやな思いをするとすれば、私に絡んでくるというより「めんどくさいな」方面で、それも圧倒的にめんどくさくない人の方が多いです。
そしてブルーさんたちのように、どこのエージェントが使えるとか使えないとか、一応就労は果たしているけどなかなか苦労しているとか、そういうことを安心して話せる場があるといいな、というのもよくわかりますし、貴重な場だろうな、と思います。

かつて当事者たちは集う場がなく、親の会とかに入ろうとしていました。
ところが親の会が入れないんですよね当事者を。自分たちだって当事者の親なのに。
なぜか。トラブルになるのが目に見えていたからです。
実際にトラブルはあったんです。
たとえば自分に有料で講演させろ、自分も当事者だからその権利があるはずだ、とか。
当事者様々に強く言えない親の会。
そしてコンフリクトを避けるために「当事者お断り」になる。
一方で社会には「この子たちを受け入れて!」と叫んで塔を青く染める。
自分たちが受け入れない当事者を社会には押しつけようとする茶番劇が繰り広げられていました。

それが当事者の置かれている境遇も実力によって分かれてきて「迷惑当事者は迷惑だ」ときちんと線引きできる人たちが出てきた。
とてもいいことだと思います。
時代はどんどん変わっていきますね。

ありがとうございました。

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ブルー

浅見さん

コメントありがとうございます。

そういえば、ルサンチマン系当事者の話も出ましたね。Barの中で。
この話書いておけば良かったですね。

ルサンチマン系の話題になったら、企業勤務している成人当事者の人が、
ぽろっとこういったんです。

「あ~まだその段階か・・・」

と。そう、安定就労している成人当事者にとって、
ルサンチマン系の当事者は「まだその段階」に見えるんです。

安定就労の状態、あるいは手帳返納や完治もそうでしょうが、
自分を平穏な状態まで持ってくることができた成人当事者は、
「一山超えた」雰囲気があります。
私がいたテーブルは全員そういう感じでした。

それは、いろいろなことがあっても、それぞれが
自分を再構築するプロセスを経ているからです。

診断で自分を知る。発達させる部分は、発達させる。
精神疾患の方は、なんとか働ける状態、完治or寛解まで持っていく。
再度、自分にあった職場に転職して、環境調整を行う。
言語以降のアプローチも使い、ある程度ロジックで自分をコントロールする。

みな、自分なりにいろいろなことをやってきています。
(あと、虐待サバイバーの人もいましたね)

安定就労している成人当事者も、悩みがないわけではもちろんないのですが
それを社会に無闇にぶつけたりはしないですね。

Barの中でルサンチマン系の話が出た時も、「社会の理解ガー」という
話の流れには、もちろんならなかったです。

あるいは「そういうのがいるから我々が誤解される」みたいな、
ルサンチマン系を非難する流れにもならない。

みな、自分にも他人にも迷惑をかけていた黒歴史を突破してきているからです。そして、社会にはいろいろな人がいることも苦労して学習してきている。

だから、ルサンチマン系の話題が出ても、

「まあ、そういう段階の人もいますから」

という雰囲気で終わりました。

自分もそうだったな、と思っている人もいたでしょうね。

そして、そういう「自分なりに一山超えている」人が多いので、自閉炸裂で癖の強い人もいたのですが、それでもトータルではBarの客質が担保されている、という状態でした。

追伸:

ちなみにもし、浅見さんがハッタツBarに行ったとしたら・・・
あ~どうなるかな(汗)

でも、乱闘(汗)にはならないと思いますよ。
そこはみんなそれなりに社会人なので。

でも、身体側に注目している当事者はまだ少ないはずなので、
そこに喰いつく人と出会えるか、というのがポイントのような気もします。

例の「治る治らない」の話なんかよりも「身体」「末梢」「神経発達障害」の話の方が、喰いつく人は喰いつくような気がします。

私がそうであるように。

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はづき

横から失礼いたします。

虐待サバイバーの方も来るのは当然だと思います。
会社の女子の中には、虐待サバイバーを嗅ぎつけて嫌がらせなどしてくる人がいるので。
しかも周りに分からないように。

なかなか虐待された経験や、それを活かす道などを話せる場もないですから。

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ブルー

はづきさん

私が少し接したサバイバーの方は、男性の方でした。

元気ハツラツ、そして自閉炸裂(失礼)の方でした。
もう見るからにハッタツ(重ねて失礼・汗)。

あんまり虐待のことは語られてなかったですね。
話の流れでさらっと仰っただけです。

お金を稼ぐことに対してポジティブな方でした。

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シア

組織で働く人と、独立して働く人は、相いれない仕事観があります。
働いた時間が時給になる人もいます。
しかし、与えた価値を、お金で測ると言う人もいます。
さらに、与えられる価値を、お金だけで受け取らない場合もあります。
私は、市場に出た商品が、価値も分からない人の手に行くより、価値のわかる人の手に届いてほしい。
ある時、黄色い模型と、緑の模型を作りました。
黄色い模型は、たくさんあって、大した値打ちもありません。
みどりの模型は、希少なオリジナルであって、プレミアムと言うか、オンリーワンの価値がある。
それで、黄色い模型が、市場によくあるので、相場を見たらしく、高値で買う人がいます。
でも、緑の模型が、珍しい!いい!と言って、黄色い模型よりずっと安い値段だけど、私にはこれしか出せないから、貴重なものかもしれないけど、譲ってほしいと言う方がいました。
私は、その根切に応じたのですよ。
と言うのは、黄色い模型をたくさん作って、お金になった。
だったら、価値のわかるこの人に、安い値段でお譲りしてもばちは当たらないはずだと思ったんです。
時間で、労働力を切り売りしていた頃、残業をわざと増やして、しかもダラダラ仕事をする人がいました。
時間がお金になってる人に、ありがちです。
また、先ほどの、私のような判断を、したがらない人もいるかもしれません。
価値の低いものは、安くて当然。
価値の高いものは、高くて当然。
そうと考えない人もいますよ。
高いものを、安く売ろうとしたら、反対し、安いモノを、高く売ることにも、反対しますかね?
だって、価値のわかる人の元に届いてほしいっても、思いますよ。
相場を見て買うバイヤーと、目利きのバイヤーとは違います。
目利きのバイヤーは、彼の目利きに相応の報酬があっていいはずです。

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シア

お得意様と、一見さんで差別するの???
そういう人もいます。
しかし、常連さんは、今まで育ててくれた方です。
同じように仕事をするわけではありません。
また、無理な要求にも、多少は応じるのは常連さんの方です。
次にも仕事をほしいじゃないですか。
そのために、サービスするのは当然です。

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シア

人それぞれ、いろいろあると思いました。
価値を提供したい!
役に立ちたい。
それが根本だと思うんですね。
私の師匠は、ほとんど自己満足の人です。
でもね、あの人の自己満足は、他人から褒められて満足する水準じゃないんです。
師匠は、自分の作ったものを、「作品」と言わず、いつも「製作物」って言ってます。
ある時、師匠が私の作ったものでも、「作品」と呼ぶのに、自分のものは作品と呼ばず、頑なに「製作物」って言ってることに気付きました。
理由は、師匠は自分の「製作物」を「作品」とは認めてないからだそうです。
褒められても、却って腹が立つ!って、そう言う時が、私もあるんですよ。
自分で満足してないにもかかわらず、他人に持ち上げられるのが、不本意なんです。
母もそうですが、自分で物を作っていると、絶対に自分では粗が見えます。
他人が見るより、自分が見る方が厳しい人が出てくるのですね。
座波さんの本を読んだときに、組織の中で評価される水準は最低限大事。
だけど、リーダーとかトップ・上に立つ人は、他人に認められたくらいで、己をよしとしないんですよね。
自分の仕事に対する自分の要求水準が高い。
いい仕事をするには、高すぎるくらいがいいのかもしれないです。

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モクモク

こんばんは。新しく仕事のお部屋ができたんですね。承認欲求がどうとかのスクショ見て思ったことが。
僕は、昔仕事を変わる時に自分の周りの自営業の人達に話を聞きに行ったことがあります。1から自分で切り開いていった人たちの話聞くと、「常にまず相手にとって得かを考える」と口を揃えたように言ってました。皆何十年も続いてる人です。
お金を出す方の気持ちになれば当たり前のことだけど、自分が損するとわかってるものにお金は出しませんよね。だから経営する方はまず相手の得を考える。
承認欲求は自己満足の世界、それで何年も会社が続くと本気で思ってる人間がいるとしたらただの世間知らずですねー。そもそも承認欲求の意味をちゃんとわかってるのかも微妙だな。理由があって事実周りから認められている人に承認欲求…理解に苦しむ。
この人たちの生きづらさの一部でもどうにかしてあげられないか?という相手目線の原点があって積み上げてこられたのが花風社ですね。僕はそう理解してます。

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シア

就活編
この仕事は、フリーランスですが、やっぱり初めから何もなく始められることはなかったです。
最初は、模型を作っていて、ジュニアのコンペとかに出してました。
コンペとは、コンテストですね。
そこで努力賞とか取れたら、自信が付きます。
しかし、所詮努力賞は努力賞です。
やがて、プロがどんな作品を作っているかが知りたくなり、実際に観に行きました。
展示会とか、ホビーショーとかもそうだし、タミヤさんとかの直営店の展示ブースです。
また、通信教育で、師匠を知り、そこで勉強しました。
作品を作って、提出すると、弟子として認定されるようになり、いろいろ接点ができます。
模型道場で勉強を勧める傍ら、もちろん製作物はできるので、フリマで売れることを確認すると、オークションで出品するようになりました。
だんだん、値段が高くなっていくのが、嬉しかったです。
また、他人の作品を買い、いろいろ分析するなどと言ったことも、大事。
フリーランスでなんて、働けない!…難しいんじゃないの?って言う人は、まず動いてみたらいいと思います。
もし、組織で働けない事情があっても、何もできないと最初から考えることはないでしょう。

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ブルー

<労働観>

1.何の為に働くのか

これは私が考えたというより、就職活動や転職活動で、そういう専門家から指導されることなのですが。

どこの会社で働くか、とか、どんな職種に就くかというのは、結局「手段」の問題であって、「何の為に働くか」という「目的」の所を繰り返し考えなさいと。

例えば自分が就きたい仕事の目的と、自分の働く目的が、どのくらいマッチしているかが、仕事と自分のマッチングの出発点になる、ということも、ずっと昔、ある実業家の方から教わりました。

で、現状の私の「働く目的」は、同時に「仕事の夢」でもあります。

・次の人類が使う、知的基盤の整備に関わること

これは私が「何のために働くのか」という目的であると同時に、「こういう仕事がしたい」「こうやって世の中に貢献したい」という仕事の夢でもあります。自分が死んだ後にも残る仕事ができるといいな、と思っています。知的な分野で。

2.労働は無色透明

若い方、特に就労前の方の中には「労働」に関して強烈な嫌悪感のある人がいることを聞くことがあります。というか、成人でも、できれば働きたくない人も多いでしょうね。

私は特に労働に対する嫌悪感の強い若い方に思うのですが、恐らく若い方が嫌っているのは、労働そのものではないように思っています。

若い方が嫌うのは、ブラック会社とか、日本の硬直的労働市場とか、働かないおじさんもそうですが、「機能不全化した昭和の労働慣習」だと思います。機能不全を起こしているので、腐敗臭が漂う。

例えば、近年の東大生の就職人気ランキングは、もう外資系コンサル会社ばっかりです。「腐敗臭」が少なそうな外資系に逃げたがる。

私は、労働それ自体は、「無色透明」だと思っています。味付けをするのは、常に人間側だと思います。価値があるかないか、面白いかつまらないか、といったことを色付けしているのは、常に人間の方だと思います。

つまり、究極、仕事の側に「面白い」「つまらない」「価値がある」「価値がない」というラベリングはされていない。

労働が無色透明なら、自分の側であれこれと考えて「味付け」する余地もあるでしょうし。労働はただ、そこに無色透明にあるだけ。

私には労働はそんな風に見えています。

3.できれば、一生働きたい

私はバリバリの仕事人間でもないですが、できれば生涯現役で働きたいと思っています。そんなわけで日頃はあまり無理をしません。その代わり80歳を過ぎても、なんらかの形で知的生産をするのが夢です。

こんな感じの労働観です。

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はづき

はじめまして。
> 労働に対する嫌悪感
私の両親、特に母親にありました。
母親は土建職人の娘で、土建職人は
カースト的には下の方です。
どうやら近所の製菓店のパティシエにも
差別されていたよう。

母親は結婚前は都内で大手商社に勤務していて、親の職業を隠していましたが、バレてから退職勧奨を受け、生活のための結婚で寿退社で退社しています。
それ以降、地方に転居してパートで探しても
「転入者差別」でなかなか決まらず、決まっても身体を痛めて退職し、もう働きたくないと言って
週末だけパン屋を家で始めました。
もちろん、私の資格を使って。
(後に支援担当に注意されて、食品衛生管理者の資格を取りましたが、営業許可は更新できなかったそうです。)

私が新卒で大手企業に勤務するのを反対したのも、資金面の他に、そんな理由だったのかもしれません。

父は、父親(私から見たら祖父)が仕事が出来なくて無職=ヒモ で祖母の家からの仕送りでの生活だったのを気にしていて、勤務先から昇進の話が来たとき、昇進を断ったそうです。

また、会社の倒産に伴うリストラで、会社に依存傾向だったためか少し精神的におかしくなってしまいました。

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はづき

続きです。
私の両親も、虐待されて育ってきています。

私自身も私以外の家族から虐待されて育ってきて、話もできないため家に来られて虐待されないよう住民票の閲覧制限をかけています。
勤務先に提出した住民票にも本籍=実家の住所は載せていません。

土台があり、愛されてきた方々に仕事でも
(恋愛でも)敵わないのを分かっているため

FictionJunction YUUKA の 荒野流転 という歌の歌詞ではありませんが、

自由を重く掲げて
道なき道を選んで



生き抜くことに戸惑い
死に行く事に怯えて
僕等の呼吸には哀しみが宿る

叫びは孤独に失せて
涙の滴を啜り
誰もが一人きり荒野を流離う

もんかなぁと思い、困ったときは福祉サービス利用も辞さずと思っています。

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シア

>はづきさん
私は仕事が好きなんですよ。 仕事をすることが好きです。 やりたいとか、楽しいとかじゃなくて、働くことが好きなんですよ。 我が家は基本的にそうなんです。 家事も、育児も、仕事も、好きなんですよ。 だから、そうじゃない家庭はよくわからないんです。 御両親はわからないけど、はづきさんは仕事が好きになれるんじゃないですか。

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ブルー

はづきさん

コメント拝読しました。
それから、はづきさんの自己紹介も拝読しました。

過酷な過去があっても、今はづきさんは働くことができているわけですよね。そのこと自体は素晴らしいと私自身は思いました。

それから、歌の歌詞なんですが

>誰もが一人きり荒野を流離う

確かに、成人当事者は時折強烈な孤独感がやってくることがあるように思います。というか、そこをくぐる時期もないと、治らない/発達させられないというか。取り組みに完全個別化が必要なので。

でも時おりこういう空間で交流するひと時もあるので、それはそれで良いように感じました。

今後とも宜しくお願い致します。

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金田 隆佳(かねた たかよし)

ブルーさん、こんにちは。

やっとゆっくり読むことが出来ました。
為になる記事ありがとうございます。

「民度の高さ」納得です。

出張施術をしていたころ、民度の高い方々の施術をさせていただいていましたが、仕事は早くて正確だし、自己管理が素晴らしかったです。

今後も自分自身の民度を高めながら、もっといい仕事をしていきたいと思います。

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ブルー

金田先生

記事を読んで頂きありがとうございます。

私も「溝を超えた衝撃」を体験後、
自分自身の民度を省みるようになりました。
ただ、結局は日々の研鑽だと思っております。

今後ともよろしくお願い致します。

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シア

私の労働観。
最初は、学生の頃、働くのが辛そうだと思いました。
身体が弱かったからです。
それで、鍛えようとしていろいろしました。
肉体労働のバイトをしました。
昔から、趣味で模型をやっていましたが、仕事とはそう言うものではないと思ってました。
では、なぜ働くかと言えば、それは人間的に正しい行い・生きて行くなら、お金が要るだろうし、神様が見てると思ったんです。
就職して、仕事に打ち込む間、どうしたら気持ちよく仕事ができるか考えていました。
仕事に価値が欲しかったんです。
お金を右から左に流すような仕事に、正直落胆してもいました。
やがて、組織を理解するようになると、いかに仕事をして、成果を出して、評価されて、出世するかを考えるに至りました。
数年たち、私は働かなくても暮らせるようになりたいなぁ、、、疲れた!
そう思ってました。
それで、仕事そのものにやりがい、手段でなく、仕事が目的になるような転職が欲しかったんです。
私は、模型を小学生のころから、中学生では、一日のほとんどをそれに費やすようになってました。
忘れていたものを、取り戻す。
遊んでいる間に、ゲームよりも面白く、遊びを超えた、価値あるものつくりをしたいと思ったんです。
家庭がものを作っていたのもありますが、日用品の、大量生産で安価かもしれないけど、買ってみたらがっかりしたとか、過ぎに飽きてしまったと言うような、粗悪なものを本当の模型だと、思ってほしくなかったんです。
それで、今の仕事をすることにしました。
やってみると、いろいろあるけど、結構仕事って、想像もしていないことがありますし、他の人もそうかもしれないですね。

返信する
みる

みるです。この度はお世話になっております。早速本題に入らさせていただきます。

当方は支援学校在籍歴がある重度障害者です。しかし一生障害者として生きたいとは微辺も思っておりません。
将来は、「健常者」として働き、生活をしていきたいと伝えた所、自分のような経歴であっても働ける方法をいくつか提案してくださいました。今はその目標に向けて新たな勉強をしている所で、1年以内に就職活動をして、何らかの形で仕事をしていくことが今の目標です。
当方「個人の意見」としては、就労移行支援・福祉就労は仕事や訓練のうちに入りませんので、勿論、普通の人として仕事探しを行う次第です。

そのための訓練を今浅見さんのもとで修行をしております。

多忙につき取り急ぎとなりましたが現況を報告致した次第です。
コメントなされた皆様方、いつもありがとうございます。多忙につきお返事出来ておりませんが読ませて頂いております。

それでは失礼いたします。

返信する
みる

みるです。連続でのコメントになりましたが、取り急ぎ要件のみ失礼致します。

上のコメント、主語が抜けておりました。
「将来は健常者として生きていきたい」
と伝えたのは現在所属する学校です。

此の度はコメントに抜けが御座いまして大変失礼いたしました。以上の程、訂正とさせていただきます。

それでは失礼いたします。

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たにし

仕事のお部屋の開設、おめでとうございます。

この度、仕事で大きな成果が出ました。
我が組織の兼ねてからの懸案事項の解決。
2年かかりました。
現セクションに配置されたのは2年半前。
それから今までの期間は、花風社クラスタとしていろんな知見をいただく毎日とも重なります。
その知見が、自分の仕事にも生かせていることを実感しています。
社会正義を貫き、試行錯誤しながら結果に向けて日々努力する。
そのことを学ばせていただきました。
クラスタのみなさんと交流する中で、試行錯誤する行動が習慣づいてきたので、いろんなアイディアが頭に浮かびました。
どっとこむで知見をいただき、秘密の部屋で更に具体的に詳しく。
お世話になったみなさんに感謝です。
これからも、仕事を通じて社会に貢献したいです。

返信する
シア

おはようございます。
仕事では、こう言う事をしてます。

<プラモデル製作代行を行っております。>

まずは、お見積もりをご依頼ください。※お見積もりを頂いたからといって、必ず注文していただかないといけないということではございません。お気軽にご相談ください。

その他注意事項

価格は、改造の内容(エッチング、レジン、オリジナルデカール、リベット追加等)塗装の複雑さなどで若干変わりますので、まずはお見積もりをご依頼ください。

・原則的にキット代、エッチングパーツなどデティールアップパーツの使用はお客様負担とさせて頂きます。(別途、ディティールアップパーツの組み込み作業代金も頂きます。)
・製作前にご確認の方を依頼者様とご一緒に打ち合わせをしますが、製作期間に入ってしまうと基本的に部隊マークやディティールアップパーツ等のご変更はできません。  製作の進行具合によっては可能な場合もありますが、ご変更できない場合はご了承ください。 ・送発送につきましてもお客様負担とさせて頂きます。
・基本的に半金入金で製作開始いたします。残金と完成キットを引き換えという流れとさせて頂きます。
・納品期限につきましては、1機(予約の状況にもよりますが)30日~50日の間での完成の目処とさせて頂きます。
・モデルのみの受付です。

依頼開始から製作までの大よその流れ

・キットやエッチング、レジン等のデティールパーツを揃え、部隊や変更してほしい部分をキットの説明書に記入していただき、当方へ発送していただき、 製作開始。といった流れです。

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シア

今までやった仕事では、
・伊豆にある、熱帯テーマパークに納品。
・老人ホームの昔兵隊さんだった方に納品。
・九州の中学校の校長先生へ見積もり製作受注。
・船の科学館の模型修復。
・流体力学の研究所に、(教材として)ロシアの最新型潜水艦の3Dサンプルを提供。
・模型買い取り業者の買取模型サンプルの製作。
・雑誌の寄稿・製作記。
などがあります。
あとは、個人のコレクターさんが多いです。

返信する
シア

二番目の仕事。
~障碍者人事担当~
私は、端から障害枠ですが、身体以外の枠は、少なかったと存じてます。
それで、私が最初に会社を辞めて、次についた仕事。
これは、知的に加え、精神の人が働くような、「枠」ができて、しばらくした頃です。
法定雇用率に、精神障害が加わって、身体や精神やら知的やらあった私は、ダブルカウントとと言うもので、品川のハローワークで、日足障碍者を雇ったことになると言うことで、大きな会社に入りました。
そこで、障碍者の人事担当に回ったんです。
ここからは、割愛。
ちょっと、、、障碍者雇用の内部事情が分かると困るのですよ。(;^_^A
それで、人事としては口にチャックをするとして、まぁ、いろんなことがありました。
いろいろ事件があって、私もやめることになったんですが、ココにもいい思い出がたくさんあります。
障碍者雇用の人事担当の、Mお姉さんと呼んでいた方が、とても親切でした。
高級車をいろいろ見せてくれたり、マセラティとかフェラーリのハンドルも握れました。
まぁ、いろいろ、いろいろありました。
障碍者雇用のいろいろがあったけど、今は、お口にチャックで行こうと思います。
何故なら、そう言う現場で働いている方も見ているだろうし、人事考課とか、格付けとか、組織の仕組みとか、裏事情があるので。
大昔、システムの話をうっかり話してしまって、問題になったことがありました。
いろいろ。
今は守秘義務はないでしょうけど、大人にはわきまえねばならないこともあります。

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シア

まぁ、結局、いろいろ話したいこともあるし、今はそこの社員ではないし。
ただ、命を張った同僚には済まんけど、彼も私も、そこまでして人の秘密を守ろうとした。
個人情報は命綱ですよ。
誰かが保全している。
同業者は、自衛隊の情報保全隊からの、転職組でした。

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シア

こんばんは。
私の最初の職場は、大きな商社でした。
私は、そこのゴム事業を、任されていました。
やがて、シンガポールや横浜の倉庫で、仲買人に電話をしたり、私情でセリをする仕事に移りました。
現在は、ザラ場取引と言って、全世界でコンピューターでお取引ができます。
しかし、当時はまだ人による、電話交換を使った競りでした。
商品取引や、穀物取引。
工業品取引。
証券取引。
日本橋には、取引所があって、そこの近くに商社がたくさんありました。
近くには、水天宮があって、私もよくお参りに行ったものです。
先輩が、焼き鳥を奢ってくれるなんてことも、ありました。
最初はフレッシュマンでよかったものの、やがて数字を扱う仕事で、コンピューターも使わない人の力による、コミュニケーションが必要な競りに参加することになったんです。
とにかく、忙しい!
朝五時に起床して、7時には会社に着く。
ミーティングを終えたら、会社に届いたFAXを、支店に送ります。
電光掲示板がばっと開き、見事に数字が並びます。
昨日の終値を、大体頭に入れておきます。
さらに、ミーティングをして、数字を再度確認。
取引が始まります。
電話の受話器を二つ抱えて、右耳で大手の顧客の話を聞き、左手の受話器で顧客に今の相場の値段を伝えます。
それをしながら、取引所の中心にいる人間に、いくら売るとか、いくら買うとか、手信号で伝えます。
…ちょっと考えればわかりますが、こんな器用な仕事・定型発達でも、できる人は少ないでしょうね。
それを終えたら、休憩時間に伝票記入。
それを集めて集計。
今はコンピューターですが、21世紀初頭はそうではなかったんです。
やがて、前場の取引が終わり。
その間に食事を終えて、横浜の関内へ行き、「10憶円単位」の為替手形を輸送します。
神経がおかしくなりそうです。
後場の取引まで、会社に戻ってさらに始まります。
やがて、私は仕事が変にできたと言うことで、シンガポールに行くことになりました。
正直言って、こんな激務に耐えられませんでした。
算数障害があって、聴覚からの情報選択が厳しい中、怒号飛び交う取引所で、相場の流れを耳と掲示板で見ながら、そのままお客様に流れを伝え、お客様もそれに応じていくら売るとか買うとか言います。
それを手信号で、取引所の遠方の人に通じるように、大きな声で伝えるのです。
でも、やがて慣れました。www
慣れてみると、生真面目な私は完璧を目指す。
そのうち、疲れだけはたまって行ったんです。
慣れてきて、よかった・楽しい!と思えた時、皆が有休をとっていても、私は休めなかったんです。
そのうち、上司に、シアさんが頑張っていると、皆おちおち休めないねぇ!って、言われました。
皮肉だとも、今になっては思えますが、上司が何を伝えたかったのかは、よくわかりませんでした。
私は、気が付いたら、ある日突然、会社に行く途中で動けなくなり、私が付かない会社は、皆が心配して、外に出て待っていてくれたんです。
シアが遅刻するなんてのは、普通の状態ではない。
「オーバーワークが来た。」そう、上司が言ったそうです。
私が、応接室で休んでいると、そこは、大手商社の社長や、銀行の頭取とかが据わる椅子で、そこに座らせられて、私は「シアさん、入院しなさい。」そう、産業医に言われてました。
そのころ、ちょうど真冬で、花風社の本を愛読していたので、メンタルクリニックに通いながら、ニキさんの翻訳本を読んでいた頃でした。
赤本が出て、私は成蹊大学の、吉祥寺キャンパスに、「有休」と言うものを取って、勉強に言ってました。
ギョーカイがそこで起こり、私は晴和病院でいろんな検査を受けて、成育歴も明らかになって。
まぁ、脱線しましたが、「シアさんがやる仕事は別にあるのではないか?」そう、言われて、でも、上司は、「ザラ場取引があったら、良かったのになぁ。。。日本は、ITとやらが、遅れてるんだよ。」って、言って、残念がりました。
止めるなと言われましたけど、しばらく晴和病院で、特性が明らかになって来るにしたがって、無理をしたら、身体が壊れると知り、最初の職場はそれで離れることになりました。

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シア

まぁ、仕事がどうこう言ったって、大きな会社では、私が一人いなくなっても、3か月すれば埋まるでしょう。
だから、それが分かっていたので、三か月は、少しずつフェードアウトすることにして、職場に迷惑が掛からないように配慮しました。
立つとび跡を濁さずで、円満でしたね。

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ブルー

<就労の個人的現実>

成人当事者は、状況が各人で千差万別で、一人一人が個別で例外的な経験を積みます。ですので、あくまで私の感じる個人的現実を書きます。

■働きやすい職場

私は今の職場に、障害者雇用で入社しました。このことは直属の上司や所属部門の最上位マネージャー階層、及び人事限定でオープンになっています。一方現場では、このことはクローズとなっています。それで安定的に就労がなされています。

幸いにして、職場は働きやすいです。それは定型の人もそうです。清潔でシステム化された職場は、人間関係も含めて過ごしやすい空間です。つまり「定型でもハッタツでも働きやすい」環境です。

私は今の職場で、初めての発達障害の人です。企業は、ある程度の大きさになってくると法定雇用率を達成する為、障害者雇用を開始します。私は今の職場が障害者採用をやり始めた時期に選抜に参加しました。そういうわけで、私の選抜プロセスと、会社の障害者雇用の体制整備は、同時進行でした。

いうなれば「突貫工事」です。何しろ、発達障害の人の採用面接も、私が初めてだったそうです。つまり、配慮や理解は行き届いてないどころか、「工事中」という状態でした。

ただ、手帳を使用した転職活動の体験は、別の記事で書きます。ここでは結論に急ぎます。

■働きやすさの理由

私は入社後、落ち着いてから回りを見まわしました。そしてこう感じました。

「『現場クローズ』で入ったけど、働きやすい職場だな。これだけ働きやすければ、日常は特別な配慮や理解はそれ程いらないな。同時期に入社した定型の人も、働きやすい職場だと言っているし。それはなぜだろう」

確かに、職場の環境整備や、企業文化のもたらす影響、何より職場にきちんとした人材が揃っていることも、大きな要因ではあります。

また、私自身も、自己分析に基づき、「特性と欲しい配慮をきちんと伝える」という、当時の障害者面接の必須事項を確実に行ったこともあるでしょう。それに従い、適切な配属もなされました。職種も、私の資質とズレのないものでした。

このように転職活動における、様々な基本動作をきちんと行ったことが功を奏した部分もあります。

しかし私は、働きやすさの根本的理由について、身も蓋もない結論に到達しました。

・職場の民度が極めて高いから

これです。痛感しました。

それはなぜか。職場の選抜や昇進の要求水準がとんでもなく厳しいからです。そして、結果として集まる人々は相対的に高学歴な人が多くいました。残念な現実ですが、反面、ありきたりな話でもあります。

私の職場は、能力の極めて高い、「ハイスペの定型」が多くいます。仕事ができる人ばかりだから、そもそも儲かる。そして、儲かったお金を、社内環境整備や人材採用等、「いい会社」にするために使える。いい会社には当然、いい人が集まってくるので、快適な空間が出来上がってくる・・・。

こうして書くと、これもフツーの話ですね。あまり職場の情報を出すのもアレなのですが、少しだけ職場の雰囲気の片鱗を。

・例えば、私は入社以来、上司が何回か変わりましたが、全員が東京大学の卒業生でした。

・また、入社して一週間くらいたった頃でしょうか。お昼休みに、同じ部門の方が声をかけてくださいました。

「こんにちはブルーさん、職場には慣れましたか^^。ランチに行きませんか」

私に声をかけてくださった方は、ハーバード大学の大学院を修了した方でした。英語にも堪能で、大変な人格者の方です。

・また、部門の研修旅行にて。飲み会が2次会になり、同じ部門の方が、私の隣にやってきました。

「ブルーさん、隣いいですかね」

酒の飲めない私ですが、話したことがない方なので、会話してみることにしました。

私の隣に来たこの方は、京都大学で博士号を取得した方でした。外資系の有名企業を渡り歩いた後、独立されて、今は部署のアドバイザーのような感じで関わっている方でした。識見が広く深く、実務にもアカデミズムにも明るく、凄まじく話が面白い方でした。

きりがないので、もうこのくらいにしておきます。もちろん、全員が全員、ここまでハイスペではありません。この人達は職場の基幹社員です。普通のキャリアの人も多くいます。が、やはり全体的にしっかりした人で職場が構成されている。

このような環境で、その中にあまり偏差値の高くないそのへんの大学卒業で、ハッタツの私が何喰わぬ顔で同化しているという状態です。

俯瞰すると、なんか私はカメレオンみたいで、少しコミカルな感じもしますが。

■人事面談

最近、入社以来数年が経過したということで、人事と面談をしました。障害者雇用に関して人事にこう聞かれました。

「ブルーさんは遠くから見る限り、幸せそうに働いているし、大丈夫そうに見えます。職場にもすっかり馴染んで、なんか10年選手みたいに見える(笑)

何か改めて、欲しいサポートや、配慮等ございますか? 入社後数年経過して、改めて御意見や御要望をお聞かせください」

そう言われて私が人事に最初に伝えたのは、これです。

「社員の選抜や昇進の水準を下げないでください。要求水準がやたら厳しいので有名なこの会社ですが、もっと上げてもいいくらいです。社内の民度が下がると、私のような境遇の人間には致命的だからです」

「配慮や理解以前に、私はこの会社の人達の、極端な民度の高さに救われて今日まで来ています」

そう。私が最初に人事に伝えたことは

・配慮以前にまず民度

ということでした。細かい話もいろいろと伝えたのですが、前提がこれです。

そして、民度の高い空間は、要求水準が厳しくなります。能力開発の努力が要求されます。修行必須です。結果として、私の職場は修行好きの人が集まっている。

ちなみに、人事の方針も私と一致していて、「障害者雇用であっても、要求水準は下げない」で社内決定しています。実際、私の職場の人事評価は、定型の人も障害者雇用の人も、同一の基準で行われます。

その後、私の後に入社してきた若いハッタツ当事者の方も、水準をクリアしたきちんとした方でした。私は当事者ということでこの方の情報を特別に得ましたが、この若い方も「現場クローズ・管理職と人事のみオープン」で安定的に就労されています。

■溝を超えた衝撃

この「民度問題」を痛感した私は、しばらく社会階層や格差に関する本をずっと読んでいた時期があります。

参考に、私と似た経験をした方の書き込みを上げておきます。ネットで少し前に話題になったものです。

高学歴の世界と低学歴の世界の溝
https://anond.hatelabo.jp/20130809115823

この方は大学進学で「溝」を超えました。そして感じる衝撃。よくわかります。私も衝撃でした。偏差値の高くない、そのへんの大学を卒業した私は、「ハイスペ空間」に度肝を抜かれました。

はっきり明記しますが、私は手帳に助けられてこの「溝」を超えた感覚があります。手帳にはメリットデメリットあるので、取得はよく検討すべきです。ただ、私が感じた手帳の威力の一つはこの件です。

むろん、私の会社に限らず、障害者雇用だからこそ、企業はよくよく人を見てくるので、手帳があっても障害者採用選抜のスタートラインに立てるだけなのですが。

■おわりに

今回はこんな所で。「仕事のお部屋」に最初に書くのはこの件だと決めていました。これが前提だと思うからです。これを外して、理解や配慮や、あるいは障害者雇用や職種選びの話をしても始まらないと思いました。

家を建てる時に、どこに建てるかみたいな話です。地盤はいいか。洪水はこないか。土砂崩れはないか。就労の「立地条件」にあたるのが、職場の民度ではないかと思いました。

その民度がきちんとしていることが前提になって、特性を活かすことや、周囲の配慮、あるいは向いている職種といった物事が始まるのではないかと考えています。これらは「どんな家を建てるか」に該当しますね。

以上、就労で私が最も感じる、ある種残念な、個人的現実でした。

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シア

こんばんは。
ブルーさんの投稿、毎日楽しく読ませてもらってます。
ハイブリッドですよね。
ブルーさんは、定型の良さと、自閉っ子の良さと、両方兼ね備えてるような方だと思います。
主治医も、「グレー」とか、「ブラック」と言う、言い方は嫌いなんです。
「青にもいろいろあります。」と言いますね。
東京タワーを染めるあの色は、ただ一色ですけど、本当は、あんなのはおかしいんです。
青にもいろいろあるんですから
群青色とか、コバルトブルーとか、藍色もあるし。
空の青・海の青、空にも海にもいろんな「青」がありますね。
でも、私たちは、いろいろあるにもかかわらず、「青」と認識できますよね。
自閉っ子みたい!
あの人は自閉症かな?
そう思うとき、青と言うたとえは、とても理に適ってます。
青二才だとか、青い…っていうのを、子供っぽいとか、未熟だとか言う人もいますけど、純粋さがあるとか、何かしら美しいものが見えると言う人がいます。

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シア

お疲れ様です。
コンプライアンスが、しっかりしてるんでしょうね。
社内に、ESセンターとかもあって、ガバナンスもしっかりしてそう。
そういう環境は、支えている人もいます。
昇進が難しいと言うのは、ある意味縁故だとかがなく、実力主義で、人事考課もしっかりしてると思う。
人事の方は、たぶん、いろいろそれなりに考えているところがあって、ファイリングとかを見ると、大体わかりますが、人事(システム)の更新が多いかどうかなのですよね。
オープンでも、クローズドでもいいんです。
とにかく、仕事ができればいいし、会社にとっては、仕事ができて、「なおかつ」法定雇用率がいただければ、納付金もいらないし、調整金も入ってきます。
まぁ、いろんなお金のこともありますが、障害のある人が、しっかり働ければ、それは全く素晴らしいことです。

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シア

世の中、ほとんど中小企業です。
そこには、法定雇用率の枠はやっと生じてきた段階ですよね。
かなり大きな会社に入るのには、障害のある人は選抜に近いこともあるかもしれません。
やっぱりね、思った通りです。
ですが、それだけに、ブルーさんのように、能力もあったほうがいいに決まってますよね。
ただ、大きな会社の、特例子会社でもなくて、本丸は、やっぱりハイスぺだろうと思います。
障碍者枠のお仕事には、隙間仕事も結構ありますが、オープンになってしまうと、やっぱい仕事が任せづらいから、そう言う仕事をやるような、雑用係になってしまうことも多くて、それが頭が痛かったりするんです。
たぶん、民度が高いのももちろんでしょうけど、ブルーさんがお仕事ができる方であるのと同時に、(同僚には)オープンにしていないから、仕事を頼むのに障壁がないのでしょう。
同僚にオープンにすると、雑用係が多いのです。
でもね、雑用を覚えたら最強だったりして、社内で業者に頼んでいた外注業務を一手に引き受けたりする、ザ・プロフェッショナル(しかもワンポジ)社員も、障碍者雇用の方だったりしますね。

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ブルー

シアさん

いくつかのコメントをありがとうございます。シアさんは人事もされていたとのことで、記事の背景を経験的に分かって頂けたのではないかなと勝手に思っております。

>(同僚には)オープンにしていないから、仕事を頼むのに障壁がないのでしょう。

⇒そうですね、おかげ様で職場に同化しています。私も色々あったので、仕事以前に、同化できている事そのものがありがたいことだと思っています。

今後とも宜しくお願い致します。

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yasu

最近流行のテレワーク(在宅やサテライトオフィスでの勤務)やフレックス勤務も、民度が高いことと自主管理ができることが前提となっていますね。自由な働き方は民度や個人の自主管理と必ずセットになっています。

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ブルー

yasuさん

コメントありがとうございます。
>自由な働き方は民度や個人の自主管理と必ずセット

⇒仰る通りです。確かに私の職場も、テレワークやフレックスが極度に進んでいます。必然的に、ワーキングマザーが多くいます。

当事者にとっても、働く際の自由度は非常に重要です。私はそういう意味でも救われています。

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ねてまて

とても納得の仕事のお部屋、第1号でした。

私自身はハイスペなところはなにもないですが、一緒に働く同僚、上司がハイスペな職場を経験したので、頷くばかりでした。

突貫工事で、ちゃんと道がつくれる環境、なのですよね。
押さえるところを押さえていて、問題点やミスの発見、修正もあっという間。
そして、こちらが要領を得ない説明をしたとしても、きちんとポイントを押さえてくれる。
そして皆さん丁寧で、勉強家でした。

万人が働きやすい環境には、支援がー!が必要ない、そして、その環境を得るためには、頑張りが必要。
ブルーさんの頑張りがこれまでのコメントからも、伝わってきていたので、環境についても配慮についても、改めて考える機会をいただきました。

そして、発案から仕事のお部屋ができるまで、あっという間で、これもさすがどっとこむと思いました。

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ブルー

ねてまてさん

コメントありがとうございます。

>突貫工事で、ちゃんと道がつくれる環境、なのですよね。押さえるところを押さえていて、問題点やミスの発見、修正もあっという間。そして、こちらが要領を得ない説明をしたとしても、きちんとポイントを押さえてくれる。そして皆さん丁寧で、勉強家でした。

⇒はい、ホントこれです。空間が快適極まりないんですよね。

>万人が働きやすい環境には、支援がー!が必要ない

⇒流行の単語だと、「インクルージョン」ですよね。つくづく痛感しました。大変残念ながら、ダイバーシティ&インクルージョンを単発でやろうとしてもなかなか厳しいと思っています。結局この記事の「前提」が響いてきてしまうように思うので。

>仕事のお部屋ができるまで、あっという間

⇒確かにそうですね。私も、もう少しかかるかな、と思っていたら、すぐできましたね。

今後とも宜しくお願い致します。

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