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就活のお部屋

就活について現実を語り合いましょう

299 COMMENTS

ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第70回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その8_縁のある企業はトントン拍子

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10806

前回まで、今の勤務先への内定プロセス、及び「理解」の話をしてきました。この章に関して、最後に経験則的な話をします。

■トントン拍子

結婚に関して「縁のある相手とは結婚までトントン拍子に進む」ということを聞くことがあります。私が転職の際にお世話になったヘッドハンターは、障害者採用に関してこれと同じことを仰っていました。

曰く、「縁のある企業の場合、選考がトントン拍子に進む。内定が出た会社はその人に見合っている」と。

私の勤務先の採用プロセスも確かにトントン拍子で進みました。途中の二次面接でヒヤリとして一瞬リズムが止まった瞬間があったものの、それ以外はトントン拍子でした。書類の応募から内定まで一か月くらいでした。週に1回くらいのペースで面接をしていきました。

前にも書きましたが、障害者雇用においてそれなりの配慮と待遇を用意できる企業の目安は、私の偏見では口コミサイト「Open Work」で評点が3.0以上の企業です。掲載約15万社のうち上位4割程度です。

この水準の企業は定型だろうが障害者枠だろうが、採用選抜に応募したら落ちるのが基本です。書類でも面接でもよく落ちます。こういうレベルの企業は多くの人が受験するからです。新卒の就活や一般枠の転職同様です。

そういう状況下でも、選考がトントン拍子に進む企業は確かに縁があると思います。結局私は今の勤務先にしか受かりませんでした。こういった縁に関することも定型の採用と同様です。

以上で第6章「内定プロセス」を終わります。

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ブルー

第一部体験編ですが、もう少しだけ続きます。

確かに私自身の採用選抜の体験に関しては、ここまでで9割書き切っています。
残るはおおむね以下の内容です。教訓やまとめ的な内容となります。
項目ごとに一つの章を構成する予定です。

・内定1年後に、エージェントPで行われたフォロー面談の体験記
(及び、Pで模擬面接を担当したマネージャーの過去について)

・友人の転職活動との共通点:転職成功の共通プロセス
 →なぜ友人を持ち出すかは、実際にお読みになってみてください。

・最後に、教訓的な内容をいくつか。

第一部体験編もあと少しです。よろしくお願い致します。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第69回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その7_理解について(2)

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10742

私は勤務先への内定プロセスを通じて、発達障害における「理解」には順番があるという考えに至りました。企業社会に対して当事者が適応する際の理解というのは

・自己を理解する
・他者を理解する
・企業社会を理解する

ということが土台にあると感じました。

もちろん障害者採用のプロセスでは、企業に障害内容を伝えるタイミングもあります。繰り返し述べた「特性と欲しい配慮」です。

しかし重要なことは自分が自分を理解することや、自分が社会を理解することを最初に行うことです。相手や社会から自分の発達障害を理解してもらえるか否かはその後です。

ここでは発達障害に対する「社会の理解」を要求することを否定していません。ただし、それは後からだと言っています。

障害者採用において、自己の理解と社会への理解をベースに、周囲に対して自分のことを伝える順番が以下になります。

—————————————————————————————
<理解のプロセス>

1.自己理解の精度を高めておく

→自己分析です。自分を詳細に言語化しておくことです。

2.自己理解の内容を、健常者に通じる言葉にしておく

→障害者採用では「特性と欲しい配慮」です。これは面接の基本動作ですから、必須の準備事項です。

3.健常者や社会を理解しておく

→私は以下の2種類で整理していました。

<健常者を理解しておく>

当事者からの健常者理解なのですが、面接に限定すれば相手の話を傾聴しようとする姿勢が基本です。これは相互理解への姿勢です。なぜ今さらこんな面接の基本動作の話をしているかというと、往々にして自閉は話をまくしたてる傾向があるからです。
(※成人当事者による「健常者研究」はここでは省略。必要ですが)

<社会を理解しておく>

ここでは就活の話をしています。だからここでいう「社会を理解しておく」というのは、受験した際の相手企業とその仕事を理解しておくことです。及び、ビジネス(特に「何かを売る」という作業)を理解しておくことです。また、企業社会の土台となる市場原理・資本主義を理解しておくことも指します。新卒を含めた一般枠の就活と同じです。

4.相手とコミュニケーションする

1から3までの準備を整えた上で、面接担当者と対話します。企業によりますが、少しは発達障害が理解されるかもしれません。

5.理解される保証がないことを理解する

健常者が発達障害の人の体験世界を「完全に」理解することはできません。専門家でも無理です。できる人ができる範疇までしかできません。それを理解しておくことです。

—————————————————————————-

この順番は最初から分かっていたわけではありません。転職活動で自然に行き着いた帰結です。しかしこうして並べると常識的なフツーの話です。きっとどこかの本に書いてあるでしょう。You tubeで解説している方もおられるでしょう。

しかしフツーが分からなくて苦しむのがハッタツです。前回描写した相談会の通りです。

■真逆の方向性

前回、「陰陽師の彼」が主催する発達障害の相談会に行った話をしました。

そこに出席していた成人当事者のうち、自分が社会を理解することを優先しているのが、Aさん、私、陰陽師の彼です。社会に自分を理解してもらうことを優先しているのがBさんとCさんです。

このように理解に対する方向性が真逆なことは、同じテーブルに着くとよく分かります。実際、私とBさん&Cさんは相談会にて一言も会話をしていません。

それは私が男性であったことも関係するかも知れません。

しかしそれ以上に当時の私は、転職準備中でした。だから相談会のテーブルでは法定雇用率の改定の話やエージェントKに行った話をしていました。BさんとCさんにとって、企業社会への適応を最優先していた私は、なおさら接点がないタイプの価値観を持つ人に感じたはずです。

■転職後

転職後、私は発達障害に対する「社会の理解」への関心がなくなっていきました。それは職場の高い民度に救われたからでした。この件は仕事のお部屋の創設当初、最初の投稿で書いたことです。その時は

・理解以前にまず民度

と書いたことをよく覚えています。

私は発達障害に関して現場クローズで入社しました。だから職場の方々から障害そのものを理解してもらったわけではありません。しかし職場の高い民度に日々救われていたし、人事やインクルージョン担当にもそう伝えました。

私の企業社会への適応は、勤務先において自然体で達成されました。なぜなら勤務先の企業文化と、私のカルチャーフィットの度合が高かったからです。だから内定が出たと言えます。

啓発に関しては連載第2部の分析編でも扱います。体験編ではここまでです。

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coco

どっとこむには3回目のコメント投稿になります、cocoです。
自分は、一般就労から婦人科系疾患と元々のメンタル不調でB型作業所に一時期通いました。
花風社本のおかげで心身回復し、年をとりましたが就職へ向け日々過ごしています。
私は障害者雇用についてよく知らないですが、アメブロに現在就活中の高機能自閉症の方のブログがあります。(高機能自閉症 ブログ でググると出てきます)
この方は就労支援に通っています。障害者雇用のリアルを知るにはよいかと思い、コメント投稿しました。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第68回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その6_理解について(1)

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10624

私は今の勤務先への内定プロセスを通じて、理解について考え直すことになりました。

採用選抜は、選別のプロセスであると同時に相互理解のプロセスです。障害者採用においては、企業が発達障害の求職者を理解しようとし、求職者は自分の「特性と欲しい配慮」について理解を求めるというという作業が土台になります。

勤務先はこの相互理解の作業をかなり深いところまで入念に行います。そして私は一連の内定プロセスにおいてつくづく体感したことがあります。

それは企業社会における当事者理解と、発達障害の世界で言われる「社会の理解」では、そもそも意味が根本的に異なっているということでした。ここでいう「理解」は完全に同音異義語です。

そして、ある所で出会った成人当事者達のことも思い出しました。

■「スピリチュアル系の当事者」のマンションにて

ここで話は内定の数年前までさかのぼります。まだ私が手帳を使った転職活動の準備をしていた時代のこと。

私はあの「スピリチュアル系の当事者」のマンションに行った事があります。そう、皆様ご存知、本業が陰陽師の彼です。

なぜ行ったのかというと、彼の住むデザイナーズマンションの一室で、発達障害のプライベート相談会が開かれたからです。

相談会に来ている人たちの属性は成人当事者と、凸凹のお子様を抱える親御さんたちでした。相談会が開かれたマンションの一室はとても広かったです。その広い一室で、親御様に連れられてきた凸凹のお子様達が、きゃっきゃっと遊びまわっていました。まるで幼稚園の休憩時間でした。

なかには、陰陽師の彼にすっかり懐いていた凸凹のお子様もいました。彼はSNSでは無表情でコワモテで、ギョロ眼を見開いてガンを飛ばしていますが、実はけっこう凸凹の子供をあやすのが上手かったりもします。

私たちはそんなにぎやかな空間の片隅で、陰陽師の彼を中心にテーブルを囲んで相談会をしていました。

■成人当事者達

ここでのポイントは、参加していた成人当事者たちの属性でした。今でもよく覚えているのですが、以下のようにきれいに2派に分かれました。

<社会適応を目指す>
・男性Aさん(当時は外資系IT勤務)
・ブルー

<社会へ理解を訴える(=啓発重視)>
・女性Bさん
・女性Cさん

これは興味深いコントラストでした。

相談会に参加していた4人の成人当事者は、社会や自分に対するスタンスがきれいに分かれていたのです。女性のBさんとCさんは、啓発に熱心なタイプでした。

他方、男性Aさんと私は、身体側から自分を立て直して社会適応をしてきた人達でした。陰陽師の彼もそれは同じでした。いわば自己改革系の人々です。この3人の男性当事者達は、結果として似たような理論と帰結に到達していました。

相談会で、BさんとCさんは訴えました。

「某自治体に、発達障害への理解を訴える活動をしたが、あまり成果が出ない」
「そもそも、『普通』って何?!」

彼女たちは「(日本の健常者が言うところの)普通って何?!」と、本当に言っていました。文脈としては、「発達障害の当事者が理解に苦しむ、理不尽なもの」という感じでした。

確かにSNSでは、発達障害関連の人がこの言説を使う事があります。しかしそれをリアルの場で、それも真顔で言う人がいたことにしみじみと驚きました。

やや興奮気味に話すBさんとCさんに対して、陰陽師の彼は言いました。

「発達障害に対する、健常者側の『完全な』理解は無理です」
「だからそこは(健全に)あきらめる」

これは今でもよく覚えています。なぜかというと、私も全く同じ考えだったからです。つまり考えというよりは帰結です。

これらを踏まえて彼は、BさんとCさんにどのように物事をやっていくべきかアドバイスをしていたように記憶しています。どんなアドバイスかまでは忘れました。

それともう一つ、彼女達は社会へ向かって啓発をしたい割に、まだまだ社会そのものへの理解が不足している印象を受けました。だから現段階では法人に話を通すのは難しいだろうと思いました。そして「この社会認識では生きづらいだろう」とも。

私はこの頃、まだ花風社の読者ではありませんでした。しかしこの体験は、啓発重視の成人当事者と同じテーブルについた初めての経験でした。

だから後年、花風社の読者になって「社会の理解ガー」という単語を目にした時に、花風社が何を言いたいのか、またどういう人々のことを指すのか、経験ですぐに分かりました。

(つづく)

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浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。
サイレントお祈りの動画も見ました。
まあ予想通りですね。

それと、大事な話題。

雇用する企業がする「理解」と啓発の文脈で語られる「理解」の違い。
これはまあ、どういう立場であれ実社会で奮闘したことのある人間ならわかることなのですが
それをもわからなくするくらいの洗脳が一部ギョーカイでなされているのだと思います。
さすがにこの罠にひっかかる人も少なくなったと信じたいです。

陰陽師氏のマンションで出会ったBCさんたちは
その洗脳が解けていなくて
そこに愛着障害が重なっています。
ある意味かわいそうです。
昔はひたすらいまいましく思っていた啓発派ですが
最近「騙されてかわいそう」と思うようになりました。

よく考えたら、我々みんな、どこかでは誤解されて生きているわけで
発達障害があろうとなかろうと、完全に理解してもらうことなんて難しいし
誤解されながら生きていかなくてはなりません。
そういう社会の相場観みたいなのがわからなくなるくらい
啓発事業と愛着障害は恐ろしく
そして啓発事業は利権側の(意識的にせよ無意識的にせよ)仕掛けなんだろうなと思う次第です。

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ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございました。

啓発系の当事者であった女性Bさんと女性Cさんですが、当時の私は愛着障害という用語を知らなかったので、そういう見立てはできませんでした。

ただし、浅見さんのコメントを頂いて、改めて愛甲さんの本などを見返すと思い当たる節があります。それはBさんとCさんが人間として特有の質感をしていたことでした。ああいう質感の人々を私は観たことがなかったのです。

無理矢理言語化しますと、なんというか、全身の細胞がすべて浮足立っている印象がありました。いわば細胞の一個一個が、それぞれグラウンディングできていないというか。

グラウンディングできていないといっても、それは地面に対してではありません。自分が自分に接地できていない印象です。

とにかく彼女達は、なんともいえない独特な人間の質感をしていました。言い換えれは、自分の存在が自分に対して薄い感じです。自分で自分を掴めていないというか。

愛甲さんも愛着障害を治す前には「得体の知れない自己不全感」を抱えておられたと仰っていますが、彼女たちにも自己不全感があったと推測します。あの質感では自己のありかが自分でも分からないだろうと思われます。

そして浅見さんが言われるように、人は社会においていわば「誤解の海」を泳いで生きていきます。

でもBさん、Cさんにはそれも実感しにくいと推測します。そもそも自己の存在そのものに関しての正解も誤解も、両方とも極めて分かりにくいと思います。だから「(日本社会の)普通」に至ってはもはや逆立ちしても分からなかったのではないかと思います。

さらに啓発事業からは当事者の私でさえ「仕掛け感」を感じます。BさんとCさん達は仕掛ける側に回っているというよりは、最も「仕掛けられた人々」という印象です。

それは啓発活動を通じて生きやすくなった印象がなく、むしろますますしんどそうだったからです。そういう点では浅見さんの仰る通り気の毒な人々です。いわば啓発事業の被害者と言えるかもしれません。

しかし啓発事業側は彼女たちの生きづらさを社会の無理解や差別のせいにするのかも知れません。私から観ると発達障害に加えて啓発も生きづらさを増加させていると思うのですが。

これからもよろしくお願い致します。

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シア

基本、人間は自助だということ。

自分を助けられるのは最終的に自分しかいないって言うことを、学習する必要があります。
支援者や、医者が何とかしてくれるわけではないです。
会社の同僚や、上司も仕事に関する限り手を貸してくれるでしょう。
しかし最終的に何とかするのは自分であり、他人に対しても「じぶんのできることはここまで」とわかっている人は支援者でも病んだりしません。

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シア

言葉が足りなかったかもしれません。
「理解」の先に「支援」があり、「他人が何とかしてくれる。」があります。
そういうこともあるでしょうけど、最終的に生きていくのは自分で、自分で決断して切り拓いていかなければ、人生始まりません。

それから男性はもともと「自分一人で考える」特性があります。
女性は「問題を共有し共感しあって考える」特性があるそうです。
ブルーさんのお話でも、面子を見るとそれがわかると思います。

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ブルー

シアさん

コメントをありがとうございます。

>他人に対しても「じぶんのできることはここまで」とわかっている人は支援者でも病んだりしません。

深いですねこれは・・・。ここでは掘り下げませんが。

ちなみに私は支援者ではないので、他の当事者に対しては「なんとかしようとしない」というスタンスを絶対戒律としています。

今後ともよろしくお願い致します。

追伸:

シアさんの文章なんですが、ここのところずいぶん印象が(良い方へ)変わってきたような気がしています。ということは、身体から神経系から、いろいろと良い方に変わられたのでしょうね。

上からで、すみませんでした。

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智ママ

私は当事者の母親としての立場が強いのですが、自宅近くにB型作業所があり、花風社に頻繁に顔を出すようになるまでは、地域の母の会・療育園の母の会に顔を出して情報収集をしていたので、それについて思ったことを書きます。

私の接した人は、メインは療育園に通うレベルの発達が重い子と、その子を育てる母親でした。
話をしていて、なんとなく感じた実感として『わが子のことなのに、まるで他人事のように話す(問題の当事者とその身内感の切実さが感じられない)』『誰かが何とかしてくれるまで待つ、という受身の態勢が、板についた蒲鉾みたいになっている』『【自力で道を切り開く】という気概はほぼ皆無で、【社会がなんとかしてくれるまで待つ・理解が進むまで待つ】ことが基本姿勢であり、彼女たちの基本の考え方になっている』という特徴がありました。

どっとこむでお見かけするママさんは、「我が子を、『きちんとしていいこと、してはいけないこと』を弁別させて育てておかねば」と考えて、自力で前向きに試行錯誤しておられたので、そこのところの差異が、強く印象に残りました。
家庭内で母親がそのような考えでいると、いきおいお子さんを育てるときにその思考の差は徐々に大きく響いてきて、他人任せの『良きに計らえ』なお子さんが育つようです。
幼少期から続く、囲い込みの弊害が、利用者の思考能力・自立能力を奪う形になっていると思いました。

ブルーさんのお話している、就職を前提として活動している当事者としては、息子の口唇口蓋裂の手術の際に同室だった23歳のお姉さんがいました。
この人も服薬をしているレベルの人でしたので、利用者としての思考が身につきすぎていて、かつての私のパート先で見た『もらう給料以上の働きをして普通!それ以下しか出来ないのは、給料泥棒として陰に陽にイビってもいい』という考え方のパート従業員とは大きく違った、目のドンヨリした生気のないところが、奇妙に気になる人でした。

自分の社会人としての価格(自分の立ち位置?)が自分でつかめていない、と書いたら言い過ぎになるかもしれませんが、そう書くのがピッタリくる女性でした。『誰かが何とかしてくれる』という考えがとにかく目につきました。

『現場感がない』というのでしょうか。うまく書き表せなくてもどかしいですが、『じぶんのことなのに他人に任せて平気』というところが気になりました。

反面教師として、彼ら・彼女らの思考形態が自分にも生まれていないか、生産的な活動は提供できているか、それらの自己チェックは、きちんと行う必要があるかな、と思いました。

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座波淳

ブルーさん

いつもありがとうございます。

厚労省は職場のメンタルヘルスは以下4つのケアで行って下さいと言っています。
1)セルフケア(自分で自分をケアする)
2)ラインによるケア(上司は部下をケアする)
3)事業場内産業保健スタッフ等によるケア(会社内の専門家等を利用する)
4)事業場外資源によるケア(社外の資源も利用する)

うまく行かない典型的なケースが、セルフケアなしに「会社、上司が悪い、なんとかしろ!」と主張し続けるパターンです。パワハラを持ちだす人も多いですかね。
で、会社の人事上司はあれこれそれこれ手を尽くしても改善しないといった悪循環に陥り徒労感だけが残るといった感じになってしまいます。

なぜうまくいかないのか?
「セルフケアありき」が抜け落ちているからです。
自らは何もすることなく、ただ周囲が悪いと主張する、これでうまくいくはずがありません。
ましてや会社は理解を促す場所ではなく仕事をするところですから。

で、まずはこのような話を当事者にお伝えすると「やさしくない」「思いやりがない」ときます。
「やさしさ」や「思いやり」は「お国のため」と同義語ですからこちらが譲らないことが大切です。そこで「自分では何をしてきたの?やってないのならやるべきことを考えましょう。やってきてうまくいっていないなら修正案を考えましょう。で、実践した結果をまたここで検証、次の作戦を考えましょう」と返しています。

たまに「あんなのカウンセラーじゃない!」とクレームが入りますが、「やさしくしても仕事できるようにはならないので」といった返しをしています。
同業者からもそう言われることもあったりしますが、「ならカウンセラーじゃなくていいです」と返していますw

ちなみに、僕が活用するのはやはり身体アプローチです。
弛んでいない自覚を持ち、弛むための試行錯誤を続け、効果を実感する、当面はこの繰り返しとなりますが、いつの間にか周囲への不満はなくなってはいないものの、それに翻弄されることは少なくなる印象です。
会議室で寝転んだりするカウンセラーにヨガマットをご用意くださった会社さんもあったりしますw

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ブルー

座波さん

お忙しいところコメントをありがとうございます。

障害者採用や新卒の就活だと、入社にあたって意識のシフトが必要になりますよね。

それは何かといえば、享受する側から供給する側に回るという意味での意識のシフトです。つまり企業に何かをやってもらう側(顧客)から、自分が勤務先企業や顧客に対して何かをして差し上げる側に回るということですよね。セルフケアというのは供給側としての基本動作になるかと思います。

>会社は理解を促す場所ではなく仕事をするところ

→はい、これは一般枠でも障害者枠でも、働く限りそうですね。

これらの話はダイバーシティ/インクルージョンにもつながる論点で、第2部分析編でも掘り下げる予定です。

今後ともよろしくお願い致します。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第67回の極めて重要な補足
~「正社員募集」の裏側~

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10583

今回は補足とはいえ、極めて重要な内容を扱います。それは求人票における「正社員募集」という文言の本音と建前です。

まずは参考資料として、障害者雇用を担当されている人事の方のX(旧Twitter)における連ツイをご紹介します。なお、ツイートにおける細かい日本語の表記揺れ(「てにおは」のレベル)は私の方で微調整しています。

<引用>———————————————

障害者雇用の募集要項で正社員と書いているのに、面接が進んでオファーを受けたら実は契約社員というケースは多くあると思います。弊社も5年前までやっていたと聞きます。これができる理由は

募集要項に書く内容に法的拘束力がない

からです。人事的には雇用契約書で正しくすればいいと思っています。

一般枠より障害者枠でこういうケースが散見される要因は、障害種別ごとに契約形態を分けることを募集要項に書くと色々なところからご指摘を受けるからです。だから経験者に聞くと、クローズドな場所でお伝えするケースが多いですね。

この問題を発展させると、障害者雇用でのキラーワード「正社員登用実績あり」や「正社員登用制度あり」もただの事実を述べただけで、激ムズ試験があったり、推薦者をかき集めないといけないケースが散見されます。

障害者の方への差別なのかはさておき、募集要項のキラキラさを言葉通り受け取らないでください。

さらにこの問題は、特例子会社を含めた大きな企業で今でもやってらっしゃるところが一定数あります。新卒の障害者枠でやっている会社さんも多いので、社会人経験ゼロの方にそれはキツイよなと。

障害者雇用でのキラーワード「正社員登用実績あり」や「正社員登用制度あり」、ここについては、もし本当に積極的なら貴重な正社員枠がなぜいつも空席になりやすいのか勘繰ったほうがいい時もあります。特例子会社は親会社の人事が出向しているケースが多いから、親会社のブラックさが(以下略)

この件を詳しく知りたい方は「募集要項 法的拘束力(※)」でググると山ほど弁護士事務所の記事が出てくるので御参照ください。

(引用おわり)————————————————————————-

はい、私も見事にこれでした。でも勤務先は人をだましていません。きちんとこのケースがあることを求人票に書いていました。私が応募した当時の、勤務先の求人票を引用します。

<労働契約>——————————————————

雇用形態:正社員

★選考の評価次第では、契約社員(1年毎の更新)を打診させて頂く可能性がございます。ご自身の成果・活躍次第で正社員採用の可能性があります。

———————————————————————

■当時のやりとり

私は内定後に労働契約の書類を受け取るため、勤務先に行った時に人事から

「契約社員にてお願いしたいのですが・・・」

と言われました。私はこの条件をオファーされた瞬間、

・正社員枠が「本音では身体の人狙い」であること
・(当時の)自分の能力では、勤務先の正社員採用の水準にはとうてい届かないこと

この2つがすぐに頭に浮かび、直ちにその場で承認をしました。勤務先はどうしても働きたい場所でしたから、内定直後のこのフェーズで人事と揉めるのはNGだと思いました。

労働契約を結んだ後しばらくして、私は人事に「正社員登用制度、及び実績はありますか」と電話で尋ねました。人事は

「もちろんです!」

と電話口で力強く答えました。

人事の言葉が嘘でないことは、毎年の人事情報公開にて確認できました。毎年必ず、契約社員から正社員に更改される人々が一定数いたからです。

またワークスタイルの選択という意味で、正社員から契約社員に変わる人々も毎年いました。週4日勤務(週休3日)を選ぶ人や、勤務先の仕事と他の仕事を兼務することを選んだ人々です。

実際に私も、入社から数年後に障害者枠の正社員になりました。手帳を返納して一般枠に移行したのはさらにその数年後でした。

※引用者注:
もしくは「求人票 法的拘束力」で検索してもいいと思います。結果はほぼ同じです。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第67回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その5_3次面接、執行役員面接、内定

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10562

前回は、エージェントPでの情報収集を元に、3次面接の準備をした話でした。では、実際どうなったのか。それではどうぞ。

■3次面接

3次面接においては職務に関する話以外に、職場で懸念事項になりそうな特性に対して改めて確認がありました。具体的にはパニックなど「ハッタツあるある」についてです。

このように面接は進んでいったのですが、私は次第に感謝の念を覚えてきました。

面接を担当される社員の方は発達障害に詳しいわけではありません。でも、世の中で発達障害の人が就労する際の留意事項は一通り頭に入れた上で面接に来て頂いていることが良く分かりました。もちろん採用上の都合とは言え、そこに労力をかけてくれたことにじわじわと感謝の念がわいてきました。

面接そのものはエージェントと協力しながら行った対策が功を奏し、つつがなくいきました。

■3次を通過

3次面接は午前中にありました。そして通過連絡はその日の夕方にエージェント経由で知らされました。まさに「爆速」で通過という感じがしました。さらにエージェントを通じて先方の面接フィードバックを頂きました。それは一言で言うと

「土地勘がある」

とのことでした。この場合の「土地」というのは業界構造や業務のことです。

これは同業界の転職だからです。だから3次面接で先方の面接担当が提示してくる「入社したとしたら、お任せしたい仕事」は見覚えのあるものや経験のあるものでした。

また初めて見る仕事でも、今までの業務経験をアレンジすれば趣旨は理解できました。一般枠同様に、同業界の転職であることがここでも功を奏しました。

■執行役員面接⇒内定

3次面接は最後の現場面接でした。

それを通過した私は、執行役員面接に進むことになりました。勤務先は現場重視の企業で、執行役員面接は入社意志の確認等だそうです。つまり「現場がOKを出したら執行役員はそれを尊重する」ということでした。

もちろん執行役員面接も落ちる時は落ちます。私は油断をせずに面接に臨みました。そしてこの面接において私の状態像は最終確認をされ、障害情報の開示法が

・現場=クローズ
・管理職&人事=オープン

のハイブリット方式で決定したことをその場で告げられました。

私は実際に執行役員面接を受けてみて、採用が半ば決定していることを感じ取りました。もう落ちないと確信しました。そこで執行役員に面接中に伝えたのは、これまでの面接プロセスに対する感謝でした。

これは面接対策としてではなく、心からそう思っていました。障害がどうのこうのではなく一人の人間として私を個別化し、深く理解しようとしてくれたことに対してです。それは勤務先の採用戦略の基本方針とはいえ、大変ありがたく感じていました。

その「理解」はいわゆる「社会の理解ガー」の「理解」とは内容が異なることもつくづく体感していました。これは後の回にて。

■内定

執行役員面接から一週間後、エージェントを通じて内定連絡が来ました。選考スピードは、書類投函から内定まで1か月程度でした。比較的スムースに選考は進んだと思います。

面接に関しては以上です。次回以降、先ほど述べた「理解」の問題に関して掘り下げます。

(つづく)

返信する
浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。
内定にたどり着きましたね。
「土地勘」のことで一つ。

ブルーさんは同じ業界内転職ですが、以前は同じ業界で挫折したのですよね?
それで診断、障害者枠、という流れだったと思うのですが
でも最後には「土地勘」が評価されたのですよね・・・

そのあたりの経緯が知りたいです。

返信する
ブルー

浅見さん

コメントをありがとうございます。

私自身が勤務する業界の遷移に関しては、個人が特定されすぎるかなと思い、少しぼやかして書いておりました。

はっきり書きますと

1社目:メジャー業界
2社目:ニッチ業界
3社目:ニッチ業界←イマココ

2社目と3社目は同じ業界です。この連載は2社目から3社目に移動するときの話です。

1社目においては業界というより、職種が合っていなかったと思います。以前書いたように「自閉が営業やってる」パターンです。この時代に予算ノルマを達成できたことはありません。自分なりのやり方で売れることもあるにはありましたが。

そんな状態ですから、私は1社目に居場所がなくなりました。ハッタツの人がよくあるように、クビにはなりませんでした。でも、部署をたらいまわしにされていました。「部署からクビになる」を社内で繰り返していたのです。

その程度のレベルですから、転職をしようとしても(一般枠の)人材市場から弾かれる状態でした。

そこでどうせならと、以前から興味のあった某・ニッチ業界に流れ着いたのです。

某・ニッチ業界は私の肌に合っていました。だから少し人生の状況が落ち着き、時間もできました。その時間を使って診断を受けて手帳を取ったという流れです。

その後時は流れて、この記事では3次面接の様子を描写しています。3次の面接官は私が2社目で「土地勘」を養ったことがちゃんと分かったというエピソードです。

いろいろと紛らわしくてすみません。
よろしくお願い致します。

返信する
ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第66回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その4_エージェントPによる3次面接対策

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10547

(前回までのあらすじ)

前回も描写したように、2次面接において一瞬ヒヤリとした場面がありました。

面接の通過連絡が早い企業ではありますが、この時だけは通過連絡が来るまで10営業日ほどかかり、生きた心地がしませんでした。

今思えば、先方はそれほど失点と受け取っていなかったかも知れません。しかし私は改めて自分の面接対応の穴を埋めるため、エージェントPに赴きました。

■3次面接の対策へ

エージェントでは2人の社員が待っていました。一人はいつも私の対応をしてくれるカウンセリング担当、もう一人は求人票の開拓を行う営業担当でした。

この場合、相手先企業に常時出入りしているのは営業担当です。つまり私に現場情報を共有するために同席していたのです。

今回は主に営業担当から情報をもらいながら、対策を検討しました。

■営業担当からの情報

営業担当は情報をさらに伝えてくれました。

営業担当:
「一次の面接官の所感なのですが、ブルーさんは良くも悪くも極めて明確に自分のやりたいことが定まっている。だからもしも入社したとして、そのやりたい仕事ができなかったとき、あるいはその仕事で上手くいかなかった場合に不満を抱えないか。それがあえて言えば懸念事項と仰っていました」

この時代は既に、障害者採用における事務職オープンポジションの募集は一般的なものになっていました。オープンポジションの場合、入社後に当事者と配属先で仕事の適性を探っていきます。

勤務先においてもいくつか候補となる配属先が提示され、そこにおいてオープンポジションという募集の仕方がされていました。

ただ、オープンポジションだからといって「自分、仕事はなんでもイイッス(キリッ)」だと先方も判断しにくいので、私は志望動機や希望の仕事も入念に詰めてありました。反面、それを明確に押し出しすぎて他企業で落ちたきらいもあるのですが。

さらにこんな話も。

エージェントPの担当営業:
「この企業(=今の勤務先)は身体障害の人を雇用したことはあるようですが、発達障害の人は面接すらも初めてです。つまり、定まった採用マニュアルがあるわけではなく、採用プロセスをブルーさんに合わせてきています」

勤務先の過去の障害者面接の場合、そこまで事業に対して思い入れがある応募者はこなかったみたいです。まあオープンポジションの場合はそうですね。

しかし私の場合、勤務先はもとからいる業界で、かつ今後も続けたい業界でした。勤務先はニッチ業界ですから、珍しいケースだったみたいです。

また当時の勤務先は、大企業ではありませんでした。今でも大した規模ではないですが当時はさらに小さかったです。よって

Pの担当営業:
「手帳のある人でも、赤字の人材を抱える余裕はない。ある程度の配慮で、できることに関しては戦力である人でないと・・・」

とも言われました。

また担当営業は、これから挑む3次面接の面接官のお名前及び担当の業務の情報を持っていました。

私はこれらの情報を検討した上、自分の職業能力に関して業務別にレベル分けをしておくことにしました。そして面接で「この仕事はできますか」という質問が来た場合、全て的確に応答できるようにしておこうと思ったのです。

■職務能力のレベル分け

3次面接も現場面接ですから、私は自分の職業能力を細かくレベル分けして棚卸しておくことにしました。

当時のノートを見ると、こんな記録が残っています。

——————————————————————-

【仕事のレベル】

A.強みである
B.普通にできる
C.頑張る必要がある
———————————-
D.上司フォローが必要
———————————-
F.適性/伸び代なし。いくらやっても今一つ

————————————————————————–

これらのレベル分けを、過去に自分が経験した仕事を細分化した上で、それぞれ行いました。

また、3次面接を担当する社員の業務についても細かくレベル分けを行いました。さらに私が志望している部門で行っている(と思われる)業務についてもレベル分けを行いました。

以上のような能力のレベル分けリストは、B5のノートで20ページ分くらいの分量になりました。

このように先方の業務の想像がついて、それについて自分がどれだけの能力を持っているかの検討がつくのも同業界転職のメリットでした。それは一般枠同様です。

私はこのような準備の上で3次面接に臨みました。

(つづく)

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第65回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その3_2次面接(現場面接の1回目)

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10519


今回の記事は2次面接です。

前回の1次面接は人事面接でした。人事面接は「この人物を自分達の企業に入れてよいか」という判断です。いわば企業の玄関前審査です。

それに続く2次面接からは現場面接です。私は勤務先において行きたい部署がありました。そこで「この人物を自分達の部署に入れてよいか」という判断をくだすため、2次面接が行われました。いわば部署の玄関前審査です。

今回の記事はその様子です。

■2次面接

結論から書くと、2次面接では一瞬「ヒヤリ」とする局面がありました。面接官役の社員の方が「こういうお仕事はどうですか」と提示した仕事に対して、「頑張ればできる」と返してしまったのです。

これ、私は「やらかした(爆汗)」と思いました。つまりそれは「頑張らないとできない」と同義です。

ただそれでも、全体として面接担当の社員の反応は、ネガティブな感じではありませんでした。「落とそう」「振るいにかけよう」という雰囲気がなく、「しっかり理解しよう」「ご用意できる配慮はご用意しよう」という意図が最後まで貫かれたように思っています。

それにはとても感謝しました。

また、2次面接は現場面接のため、取り扱う内容が現場に即した具体的なものになってきました。

さらに2次面接を担当した管理職の方は、ただでさえ高学歴の人が多い勤務先においても、最高にアタマがいい部類の人でした。京都大学の理系大学院修了後、エンジニアを経て勤務先にやってきた人でした。

だからこの管理職の方からは、「アタマの程度テスト」のような簡単な論理パズル的質問も受けました。私は自分の知的水準の範疇で必死に回答を絞り出しました。すると「まあ、その答えでも悪くないかな」というような評価を頂きました。

私はしみじみと、「こんなにアタマがいい人材を抱えているのか、この企業は」と仰天したのを覚えています。他人のアタマの良さに仰天したのは久しぶりの経験でした。

■返事を待たされる

この企業は、書類通過の時であれ、1次面接の時であれ、良い返事は速く来る企業でした。しかし2次面接の返事はなかなか来ませんでした。

私はその間、生きた心地がしませんでした。エージェントのカウンセリング担当にも、私はポロリと弱気な発言をしたことを覚えています。電話での会話でした。

ブルー:
「返事が7営業日超えても来ないですねぇ・・・。これはダメかな」

カウンセリング担当:
「まだ分からないです(確信に満ちた声で)。」

■2次を通過する

結局、10営業日くらいした後、2次面接通過の連絡が来ました。

後から社内資料を見ると、実は10営業日の間、「シゴトの切り出し」をやってくれていたことも分かりました。私をどのチームに配属させるかを検討してくれていたのです。

ただ、私は3次面接に向けて、自分の面接対策をブラッシュアップする必要があると感じました。そこで再びエージェントに赴くのです。

(つづく)

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第64回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その2_1次面接(人事面接)

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/

今回からは、今の勤務先の採用面接の様子です。まずは1次面接から。

■求職者を掘り下げる

確かにエージェントの担当者が言っていた通り、勤務先の面接は求職者を徹底的に掘り下げるものでした。

面接担当の質問に対して応答すると「それは何故ですか」と問われて、内面の掘り下げが始まります。

そして、過去のエピソードを言うと「もしその時に戻ってもう一度それをするなら、どうしますか」と来ます。そしてそれに応答するとまた「それは何故ですか」。

また、応答に具体性がないと「もう少し具体的に・・・」。そして頑張って具体的に答えるとまた「それは何故ですか」。

面接中の1時間に渡ってずっとこれをやられます。よってきちんとした自己認識に基づく入念な準備がないと対応できない面接でした。

ただし、勤務先の面接は論理的であっても圧迫感がないのが特徴でした。しっかりと正面切って求職者の話を聴いてくれるという信頼感が面接全体にありました。だから選抜の緊張感はあるものの、話をしやすい雰囲気でした。

つまりそれは、勤務先の企業文化をも如実に表していました。

■1次面接の結果

勤務先の1次面接の結果は、エージェントのカウンセリング担当からメールで帰ってきました。件名は「株式会社○○○○ 2次面接のご連絡」。

それは面接の翌日でした。すごい速さで結果連絡が来ました。そして自分みたいなのが勤務先の面接を通過したことに驚きました。そしてメールには結果だけではなく、企業側のフィードバックが書かれていました。

—————————————————————————————-

【一次面接の結果】
「極めて好印象です。ぜひ2次選考に進んで頂きたい」
「現状では評価点のみで懸念事項なし」

—————————————————————————————-

以下は勤務先企業の詳細フィードバックの抜粋と、それに対する私のコメントです。

———————————————————————————————

【詳細フィードバック(抜粋)】
・「過去の失敗を端的に語り、そこから学んでいた事は好印象」
⇒自己分析の結果です。

・「話が長くないですか」などの気配りも好印象」
⇒自閉は話をまくしたてる割に分かりにくいことも多いので、その対策でした。

・「無駄なプライドがない」
⇒この企業が高学歴/ハイキャリアの受験者が多いことを伺わせるものでした。私はハイスペでもないし、人生で散々やらかしてきたので今さらそんなものはありませんでした。

——————————————————————————————–

というわけで、私は1次面接を失点なしで通過しました。

模擬面接のところでも述べましたが、エージェントPやRが紹介してくるような企業、つまりオープンワークの総合評点で3.0以上の企業の障害者採用の面接の場合、失点がある人はそもそも面接を通過できないと思われます。それは一般枠同様です。

かつ、カルチャーフィットの観点から「この人材は採りたい」と思われないと2次に呼ばれません。実際、私が手帳を使った転職活動で1次面接を通過したのは勤務先だけでした。

■ビジネスコーチングの応用か

勤務先の面接法は、求職者に対してビジネスコーチングを応用している印象がありました。つまり求職者が自分の内面や過去をしっかりと掘り下げて考えて、それを踏まえて今後はどんな成果を出していきたいのかを言葉にすることを要求してきました。

面接を受けた上で予想したのは、この企業は高学歴かつビジネスエリート出身の人も多く、ビジネスコーチをつけていたり、自分がコーチングを学んでいる人も多かろうということです。

実際入社してみて、その予想はズバリ当たりました。社内には、某・大手ビジネスコーチング団体と仲良しの人がわんさと隠れていました。必然的に、ビジネスコーチングのライセンスを持つ人もわんさと社内に隠れていました。※

■2次面接の指定

2次面接の予定日は、1次面接の通過連絡をもらった日付からきわめて近い日程でした。障害者採用の世界において「使えそうな障害者の壮絶な奪い合い」が起きていることを伺わせました。

(つづく)

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ブルー

※私も今の勤務先に入社して1年間は、勤務先の人が懇意にしている人が多い、某大手コーチング団体の人にビジネスコーチングを自費で依頼していました。社内にいる人達のレベルの高さを観て、そういう人たちに人事評価されることに戦慄を覚えたからです。

ビジネスコーチングは心理系の恩師を通じて垣間見てはいました。どんな感じのものかについてはイメージがありました。

しかし正式にお金を払ってビジネスコーチングを受けたのはこの入社後の1年間が初めてでした。コーチの人と私は相性が良く、これはこれで有意義だったと思います。

なお念のため明記しますが、私が依頼していたのは障害者雇用における「ジョブコーチ」ではありません。

それと、多少はビジネスコーチングを知っている人の

「コーチングってあれでしょ、話をするだけで年間に何百万も巻き上げる詐欺商売でしょ」

という意見については、いちいち反論しません(爆)

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第63回
第1部体験編
第6章_内定プロセス
その1_面接前

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10487

第6章からは勤務先における採用選抜のエピソードです。そして今回はPによる事前情報の提供、及び書類審査や筆記試験の話です。

■過去の面接データから

私は当時の第一志望の企業・・・つまり今の勤務先に関して、Pが持つ過去の面接データを見せてもらいながら、一次面接=人事面接のアドバイスを受けました。

————————————————————————————

エージェントP・カウンセリング担当:

「ここに面接の過去履歴が残っています。これ落ちた人です。『過去の体験から学んでいない』等の企業側からのフィードバックですね。

「ここの面接は求職者(の内面)を徹底して掘り下げられます。要求水準は高いです」

「でもまあ、一次の人事面接に関しては、ブルーさんのことは心配してないですよ」

————————————————————————————

もうこの頃の記憶があいまいになっているのですが、確かこの面接アドバイスはPを通じて勤務先に書類を投函することにした時点で、過去の選抜情報を共有してもらったのです。

エージェントのカウンセリング担当というのは、いわば企業の「0次面接官」を兼ねます。選考においては求職者が「そもそもリングに上がれるか」観ているし、その判定は的確です。

それでも私は少し不安に思っていました。だいたいにして、勤務先は某ニッチ業界限定で名が通っており、かつ要求水準がやたらに高いことでも有名でした。

だから後日、私みたいなのが書類審査を突破したことを伝えられた時は随分驚きました。

■書類審査の現実

ここで現実を書いておきます。

私は今の勤務先へ転職する際に、業界を変えていません。某ニッチ業界の中を移動しただけです。一般枠の転職のセオリー同様、これが書類審査に有効に作用したと思っています。

それから当時、勤務先の障害者採用における学歴要件は「専門卒以上」でした。つまり高卒の人は弾かれる学歴要件でした。私は大卒だったので学歴要件はクリアしていました。

でもこれも現実として、勤務先には高卒の女性管理職の人もいます。私はその人とも一緒に仕事をしています。

■ペーパーテスト

勤務先の採用選抜ではペーパーテストもありました。しかしそれは巷でよく流通している就職用の筆記試験、例えばSPI等ではありません。論理的思考力を測定するために勤務先が独自に作成したものです。

この勤務先独自のぺーパーテストは、えらく難しかったです。いかにも高学歴の人が集まる企業の試験でした。偏差値の高くない私はウンウンうなりながら、やっとの思いで答案用紙を埋めました。

これの結果は後で聴いたのですが、「無事でした」とのこと(爆)。だからまあ、最低限のラインはギリギリ超えていたらしいです(汗)。

今回の記事は以上です。次回以降、面接のエピソードに入ります。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
~次章の予告~

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10410

■第6章の予告

第6章のタイトルは「内定プロセス」です。内容は大きく3つに分かれています。

最初は、私が今の勤務先の採用選抜において内定を頂いた経緯と、その経緯におけるエージェントPのフォロー体制が描写されます。このPのサポートがなければ私は今の勤務先には来られませんでした。

Pは企業の採用面接に関して過去の合否情報を持っていました。かつ営業担当が企業に出入りもしているため、リアルタイムの採用情報も掴んでいました。そういった情報網を元にしたサポートの様子が描写されます。

次に「社会の理解」についてです。私は勤務先における内定プロセスにおいて「理解しようとしてくれる」ということを体感しました。もちろんそれは採用において候補者を入念に理解することが必要だから、という経営戦略の文脈に沿った話です。

だから支援系の文脈から派生したいわゆる「社会の理解ガー」とは中身が違ってきます。当時この違いを明確に体感したことは今でもよく覚えているし、普遍的な事柄を含みそうなのでこのサイトに残します。

最後に、一連の内定プロセスから導かれる教訓や経験則にも触れます。

それでは次回以降よろしくお願い致します。

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第62回
第1部体験編
第5章_企業の採用選抜
その2_エージェントP経由
(4)放課後デイサービスL ③

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10397

私はLの本社の受付ロビーにて、人事が現れるのを待っていました。今回は面接のエピソードです。

■面接

しばらくすると人事が登場しました。

人事は、私に挨拶してくださった(多分)対人援助系の人々と少し雰囲気が違いました。当然ながら対人援助系ではなくバックオフィス系の雰囲気を身にまとっていました。

その時は確か会議室が満杯だったとかで、なんとそのまま受付ロビーで面接をすることになりました。ただ、タイミング的には人通りのない時間帯になったらしく、事実上受付ロビーを「巨大な会議室」として使うことになりました。

そして、面接は15分~30分程度であっという間に終わってしまいました。私の職務経験を聴いて、その他要件など確認をして・・・という感じです。淡泊な雰囲気でした。形式的に、訊くべきことだけを訊いて終わってしまいました。

つまり、最初の段階で見込みがないことが分かったので、さっさと終わらせてくれたということですが。

■結果

結果は、もちろん不採用でした。

まあ私も入社する気がなかったので、社会科見学になってしまいました。人事の方は、私が入社する気がないことを会った瞬間にさっさと見抜いたのかも知れません。

エージェントを通じての回答は「ご希望の仕事は、現状の人事部では少ない」だったように記憶しています。もうよく覚えていませんが。 

ただ、LからエージェントPに伝えられた、次の文言はよく覚えています。

「エージェントP様、この度は能力の高い方をご推薦頂きありがとうございました」

これは褒めていません。

つまり能力以外、志向性やカルチャーフィットでミスマッチが生じていたということです。採用は能力だけで決まらず、総合的なマッチングなのだという当たり前のことを再確認しました。

こういうわけでLの面接はあっけなく終わりました。ちなみにこの人事の方は、今でもLで人事をされています。先日もネットでお見かけしました。

このエピソードは以上です。そしてこれにて第5章「企業の採用選抜」も終わりです。

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浅見淳子

ブルーさん

いつもありがとうございます。
カルチャーフィットもあったのでしょうが
面接そのものがアリバイだったかも
なんてことをちょっと思いました。

ライター採用の募集をかけていた経緯をみると
なんにも知らない人を雇いたい会社のようにも思えますね。

返信する
ブルー

浅見さん

お忙しいところコメントをありがとうございます。

>面接そのものがアリバイ

⇒そうですねぇ、確かにあれでは書類で落とすのと変わりがありませんね。

>なんにも知らない人を雇いたい会社

⇒それで思い出すのは、現会長(2023年から会長、それまではずっと社長)が、入社1年で社長になった時のことですね。

創業者はまた別の人なのですが。

それとつい先日、新しく社長になった人はRの執行役員だった人です。ただし教育畑(スタディサプリ)の人です。

いろいろと考え合わせると、やはり「ビジネスっぽくない」世界観で行きたいのでしょうね。東証プライム企業ではあっても。

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ブルー

参考資料として使える動画がyou tubeに上がっていたので、この第5章の最後のツリーにぶら下げておきます。

新卒向けの就活スクールを主催する社長さん(若手起業家)の動画です。サイレントお祈りに関しての解説です。

◇企業はなぜサイレントお祈りをするの?
https://www.youtube.com/shorts/TdJFw9Sevh8

動画においては、2017年のある統計において、大企業の4割が「サイレントお祈り形式」になっていると述べられています。

そもそもこれは新卒向けの動画です。そして障害者採用はどちらかというと中途採用に近いフィールドです。

しかし、障害者採用は一定の規模以上の企業が行います。その中には大企業も多く含まれます。ということはこの動画の内容は、障害者採用にも転用して考えることができるはずです。特に大企業の障害者枠を受ける際には留意しておくと良いかも知れません。

連載にもよく書きましたが、私も従業員数1000名を超える複数の企業から、サイレントお祈りを喰らいました。だからここに参考資料をぶら下げに来たのです。

動画ではサイレントお祈りをする理由が2つ述べられています。両方とも障害者枠に当てはまりそうな理由です。

なお2つ目の理由ですが、さすがに人事に暴言を吐く障害者は少ないと信じたいです。根拠レスですが。

ただ、不採用の理由について障害者の人に喰い下がられてしまうと、人事のメンタルの削れ方は尋常ではないと予想します。

この章で、某・大手メーカーの販社の人事が、法定雇用率を満たそうとするだけで青息吐息の様子に見えたことを描写しました。ただでさえフウフウ言いながら障害者採用の仕事をしているのに、さらにメンタル削られたら無事●亡、というのは体験から容易に想像がつきます。

こういう所では、私は個人的に人事に同情する側です。

返信する
ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第61回
第1部体験編
第5章_企業の採用選抜
その2_エージェントP経由
(4)放課後デイサービスL ②

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10378

私はLの書類選考に通過した為、面接のためLの本社に赴きました。今回はその時の話です。

■面接当日~玄関にて~

私はLの本社が入っているビルに到着すると、エレベーターで玄関のある階まで向かいました。

そして、Lの玄関ロビーに入った瞬間・・・。

件のヘッドハンターがなぜLへの就職を禁止したのか、一瞬で理解しました。私がLの玄関ロビーにて瞬時に感じたのは以下の2つです。

「ここはカネがない」
「つまりはビジネス系ではない」

Lの本社玄関ロビーに最も近い雰囲気は、幼稚園や保育園でした。東証プライム企業の玄関ロビーがそういう空気感なのです。もちろん障害児向けの放課後デイサービスがLの中核事業ですから、それ自体はあり得ることです。

しかし実際のデイサービスの事業所ならともかく、まさか本社までそういう雰囲気を漂わせているとは思っていませんでした。

もちろんビジネス系の雰囲気ではありません。だから大変失礼ながら「カネのなさそうな匂い」を感じました(ごめんなさい)。

Lは東証プライム企業ですから、公開されている財務諸表においてはそれなりの流動資産があるように見える。帳簿上はキャッシュも枯渇していないように見える。しかし、現場で回せるキャッシュの絶対量はかなり厳しいのではないか。そういう感じを受けました。

参考までに、Lのオープンワークの口コミを見ると「給料が安い」という書き込みが頻発しています。まさに幼稚園や保育園のような労働環境です(重ね重ねごめんなさい)。

■面接待ち~受付ロビーにて

受付を済ませた私は、面接まで広々とした受付ロビーで待つことになりました。椅子ではなく、座ることができるカラフルなクッションがいろいろと置かれていて、私はそのうちの一つに座りました。

広々とした空間の壁には、様々な色の扉がついていました。それによって受付ロビーにもカラフルな雰囲気がありました。

これらは障害児向けのセッションルームの扉のようでした。セッションルームを障害児が使っていない時は、社員が会議室としても使うことがあるようでした。

印象的だったことは、ロビーでちょこんと座っている私を見かけると、そこを通過する社員が一人残らず私に挨拶&会釈をしてくださったことです。繰り返しますが「一人残らず」です。それもちゃんと眼線を合わせて。

社員の方々は、本当に優しい眼差しをしていました。あの聡明で優しそうな眼差しは今でも忘れることがありません。私に挨拶をしてくださった社員の方々は20代から30代半ばくらいまでの方々が目立ちました。皆さん顔つきも目つきも聡明そうでした。

社員の方々に挨拶をして頂いて、私はいろいろと思いました。

「なんて優しい眼差しの人々なのだろう。こういう眼差しの人々はビジネス系ではなかなかいない。やはり障害児を相手にする仕事だからかな」

「ここは労働条件も厳しいだろう。それでもやりたい、なおかつある程度の勤続を続けられるような人材となると、やはり優秀な人々なのだろう」

「有名かつ理念先行の企業だから、特に新卒採用における母集団形成には苦労しないはずだ。そこから振るいをかければ、必然的に優秀な人を残せるはずだ」

実際、Lの採用HPから、主に対人援助系の社員の顔写真や経歴/学歴を参照できます。私が受験した当時も今も、この会社の新卒は全体として高学歴です。大学院修了者も目立ちます。中には博士を取得した後に入社した人もいるようでした。

環境が過酷な分、社員の志と優秀性で持たせている企業なのかなと想像しました。私はこんなことをつらつらと考えながら、受付ロビーで人事の登場を待ちました。

(つづく)

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第60回
第1部体験編
第5章_企業の採用選抜
その2_エージェントP経由
(4)放課後デイサービスL ①

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-6/#comment-10372

■企業概要

もうこの企業は隠しようがないので、イニシャルを書いてしまいます。放課後デイサービス大手のLです。

ご存知のように、Lは障害のある人に対して、放課後デイサービスや就労支援事業を行っています。そして東証プライムに上場しています。Lは理念先行の会社で、少なくとも私がここを受験した当時は公金を入れていなかったと記憶しています。

Lに関しては、複数の人から前評判を聴いていました。

■前評判1:ヘッドハンター

以前、私がお世話になった障害者採用を専門とするヘッドハンターから、就労支援員という進路を反対されたことを書きました。それにつながる話で、Lに入社することも禁止されていました。

それは、ヘッドハンターと面談していた時のことでした。

ブルー:
「Lはどうでしょうか」

ヘッドハンター:
「あ・・・(黙って首を横に振る)」←即答

ヘッドハンターのリアクションから、私はもうそれ以上質問をやめました。

しかし、私はLに応募書類を投函しました。確かにヘッドハンターからは就労支援員という職種を禁止されてはいました。しかし、この時の募集は人事部における事務職でした。つまり事実上、バックオフィスにおける「事務職オープンポジション」でした。

このように職種が就労支援員ではないので、私はLに応募書類を投函しました。ヘッドハンターのアドバイスの通り、Lに就職するつもりはありませんでした。いわば社会科見学のつもりでした。

そうしたら書類選考を通ったのです。

■前評判2:エージェントPの担当者

エージェントPのカウンセリング担当者は、当時のLに関してこのような実感を持っていました。

カウンセリング担当:
「最近まで、上場した直後の社内のざわつきが少し残っていたようです。でも最近ではそれも落ち着いた様子です」

■前評判3:親御様

また、私はLのデイサービスに凸凹のお子様を通わせている親御様のお話も少しだけ聞いたことがあります。

まず、お母様の場合。

あるお母様:
「Lのデイはいいですよ~。(←ご不満がない様子)」

次に、別のご家庭のお父様の場合。

あるお父様:
「あそこは確かにいい先生たちを抱えていると思いますが、ころころと担当の先生が変わってしまいます。先生達にとってはどうやら労働環境がブラックみたいで、長持ちしないみたいです」

ブルー:
「Lは公金を入れません。だから自分達の売上だけで企業を回さないといけないので、その分環境が厳しくなるのかも知れませんね。企業理念は素晴らしいのですが・・・」

あるお父様:
「そうなんですよね~。企業理念は素晴らしいのですが・・・」

このような事前情報を仕入れつつ、私は面接に向かいました。

(つづく)

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ブルー

<人材市場サバイバル>
連載第59回
第1部体験編
第5章_企業の採用選抜
その2_エージェントP経由
(3)ソフトウェアベンダー③

前回はこちら
https://naosouhattatushogai.com/all/conference-room/1126/comment-page-5/#comment-10358

このソフトウェアベンダーの面接は、当事者にじっくりと生い立ちを聴いていくスタイルでした。今回は私の面接の様子です。

■私の場合

私は人事にじっくりと生い立ちを語りました。

小学生~中学生の頃。高校や大学でのこと。そして就労の経験から導きだした、自分の学び方や情報処理のパターン。そして何よりも強みに関すること。それから障害者採用においての「特性と欲しい配慮」。

自分が苦手とする情報処理について。それが学生時代の学び方や、社会人になってからの働き方にも影響を与えていたこと。そういうことを自覚したのは20代も終わりに差し掛かり、社会人経験が6~7年程度経過した頃であること。転職のことや手帳を取ったこと。

生い立ちからスムースに職業人生の時代に話が以降していきました。

まるでカウンセリングのような感じで面接は進みました。この企業の人事は下手な対人援助職よりも、よほどハッタツの人への傾聴が上手でした。

今思えば、ここの人事はカウンセリングを学んだ上で面接をしていたかも知れません。それくらい、通常の企業人ではなかなかいないレベルの傾聴力でした。

■配属

面接の終盤に配属の話をしました。

この企業の場合、私のやりたい仕事は人事周りに少しある・・・といった感じでした。まあオープンポジション募集だったので、やれる仕事を全部やるスタンスというのは前提ですが。

印象として、この企業は私が働く場所としては「ナシという程でもない」といった感じでした。それは先方も同じようなものだったはずです。

■結果

この企業も、おそらく私がやりたい仕事が相対的に少ないという点から不採用となりました。ただ受験者数が多いせいか、いくら待っても結果通知が来ませんでした。

例によってこれには困りました。エージェントも困っていました。エージェントからここに何回連絡してもはっきりしない返事だったようです。

この企業のエピソードは以上です。

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