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「本編・第7回」 花風社アンチの考察 アーカイブ版 by ブルー

<花風社アンチに関する考察:本編第7回>

前回(本編第6回)はこちら

仕事のお部屋

前回扱った、消費者の知的水準に関する問題は、さらに掘り下げることができます。

■事例⑭:「藁を掴まないでください」&「治るビジネスに御用心ください」

このセリフは、往々にして専門職が言うものです。アンチとは限りません。「藁をもつかむ心境の人につけこむ、治るビジネスに御用心ください」という言説は、ネット上では日常的風景です。

なお、ここで言う「治るビジネス」は、発達障害に限らず、様々な疾患を対象にしています。

そしてこの文脈で、花風社も非難されたり、揶揄されたりするというわけです。「花風社は、弱っている人に付け込む悪質な団体ダー」というわけです。

この話は、一旦目線を上げる必要があります。特に何かのアンチではない専門職が、善意からこの手の情報を発信する場合は、一概に「知識でマウント取りたいだけ」と一蹴できません。

一般人に対して、正しい情報を発信していくというのは、専門職の職業倫理にも関係した話です。

ただ、ここで花風社クラスタの皆様が経験でお気づきの論点がありますね。

・何を持って正しい情報とするのか

ということです。

■水準を測る共通のモノサシ

水準を測るには共通のモノサシが必要です。例えば資格試験なら、試験問題と採点基準という共通のモノサシがあるから合否を決められるのです。

前回から取り上げている「素人集団ダー」や、今回事例として出した「藁を掴まないでください」というのは、無意識のうちに消費者の知的水準・知識量を専門職より下と判定しています。

この場合のモノサシは「専門知識の量」「国家資格の有無」「臨床経験の有無」といったところではないでしょうか。

では逆に、消費者が専門職を選ぶ時は、何をモノサシにしているのでしょうか。

例えば、花風社クラスタの方が、発達障害に関して、例えば専門職を利用しようとなった時に、無意識に心の中で使っているモノサシは何でしょうか。

これは当然「治せるか」「発達させられるか」ではないでしょうか。細かくは

 ・臨床能力はあるか
  ⇒実績(エピソード)はあるか
  ⇒知識や技術のアップデートはされているか

といったところだと思います。他にもあるとは思いますが。つまり「専門知識の量」「国家資格の有無」「エビデンス」は、最優先のモノサシにはならないと思うのですが、いかがでしょうか。

発達障害の場合、物事を判断するモノサシそのものが現状ではいろいろあります。そして、人によって使っているモノサシが随分違います。

結果として、見えている世界は全く異なったものになります。発達障害に関しては、人によって「発達障害観」=パラダイムが全く異なるのです。

この後、いくつか例を挙げます。発達障害には現状これだけのモノサシの違いがあります。それは発達障害が現代的で、発展途上の分野であるということも表します。

■モノサシの違いの例

★専門職と当事者/親御さんを比べた場合、まず知識の方向性が違います。専門職は、自分の専門分野を深堀するのが基本です。専門分野の知識を縦に掘ります。

それに対して、当事者・親御さんは、どちらかというと情報を横断的に集める必要があります。知識を、ジャンルを超えて横に広げます。発達は全人的事象なので、一つの分野の専門知識だけでは足りないからです。

つまり、知識を縦方向に掘るか、横方向に広げるか、という違いがあります。

★花風社クラスタも含めて、自閉症・発達障害に対して明るいエピソードを持っている人々というのは、末梢神経系(=カラダ)にアプローチをしています。

しかし、まだまだ発達障害を「脳機能障害(=アタマ)」という定義で見ている人々も多くいます・・・というか、日本の場合こちらがマジョリティでしょう。

つまり、注目するポイントが脳か身体か、すなわち、中枢か末梢かという違いがあります。

★「治らない」というのは、精神科の「寛解パラダイム」の影響も感じさせます。

しかし、発達障害は神経系の問題であって、そもそも精神科ではないよなぁ・・・というのも、花風社クラスタの方が感じられていることだと思います。

そして、「NEURO」を読んだり、いろいろと情報を集めると分かりますが、発達障害は固定的状態像ではありません。そうなると「治らない」という固定的状態像を表す文言とは、考え方が衝突します。

つまり、発達障害を、固定的状態像として捉えるか、変動的状態像として捉えるか、という違いがあります。

★あまりにも原稿が長くなるのでこの件は短く書きますが、花風社のアプロ―チは、やはり以前浅見さんが述べておられたように、「東洋的」です。

それは、やはり西洋医学とは使うモノサシが違うものです。結果として、パラダイムが違います。

つまり、東洋的アプローチか、西洋的アプローチか、という違いがあります。

★「エビデンスガー」というアンチが登場することがあります。もちろんアンチはエビデンスを求めているわけではないことは、本編第1回で述べた通りです。

ただ、この文脈でいくと、花風社や治せる専門職は、エピソードを集積しています。

つまり、エビデンスを重視するか、エピソードを重視するか、という違いがあります。

■事例⑮:「カルトダー」「宗教ダー」「トンデモダー」

つまり、一見、知的水準の問題に見えることを掘り下げていけば行くほど、考える基準の違い=モノサシの違いが露わになってくるということです。

そして、互いがいくつもの異なるモノサシでモノを見ているので、発達障害観=パラダイムが全く異なってしまうのです。

往々にして、違うパラダイムで判断する人同士は、互いにバカかキ●ガイに見えます。いわば「ナゾの異教徒」です。だから相手がキモくて仕方がないのです。

よく、花風社クラスタに対して、「カルトダー」「宗教ダー」「トンデモダー」という言葉がぶつけられることがあります。それは単に科学的ではないとか、論文ガーという非難ではありません。

違うパラダイムで判断する人々=ナゾの異教徒に出くわした時のキモさを表しているのです。

しかも花風社クラスタはどんどん大きく、かつ明るく元気になっていくのです!アンチから見たら、こんなにキモイ集団はありません。

そして、まだまだ発達障害は新しい分野なので、いろいろなモノサシが乱立している状況です。

■次回へ続きます

今回扱ったパラダイムの違いは、アンチの行動や心理、そして反射に根本的な影響を与えています。ただ、次回の予告を少しだけすると、単にパラダイムが違うだけではアンチにはなりません。

アンチになる条件、それは、パラダイムが違う人々に出くわした時に・・・

今回は長くなったのでこのへんで。次回へ続きます。

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